今日一日は遊ぶつもり。

スイカに迎えに来てもらって、牛屋んちに行ったんだわ。
あと一人は自力でくるっしょ。

んでもって、牛屋の二階から外を見てるとね、
前の道で、車が、つつつつ～っと、田んぼに突っ込んだ。


見てんしゃいよ、車ハマったわ！

中からブ～な男と、なんや貧相な女の子が出てきた。
「うわぁ、言い合いになっとるわ」
運転は、女の子のようだった。
「そぎゃん、いい車でもなかとになぁ」

見ハマってると、そのブ～が、女の子を殴り始めた。

グ～で殴ってないか？
「うん、グ～だな。」
「ボコボコだな。あんまりやね。」
勝てる？
「誰が行っても勝てるだろう」
んじゃ行こか！

下に行くと、かぁちゃんがモップかけをしていたので、
そのモップかしてさっ！と私は言い、警察に電話しといて、ケンカやわ！
通り向こうを指差した。

「ありゃま、ありゃヒドかね～。」
わかった、と、かぁちゃんは家の中に入っていった。

誰行く？
「じゃんけんやな」
「お前は武器持ってから、じゃんけんに入れ」

私だって、じゃんけんに入らなきゃいけないのだ。
女の子は、男相手に武器は持ってよし！が、日本のルールだ。
モップはこのため。

すぐ近くまで行って、三人でじゃんけん。
ああ、残念、私は負けて、スイカが勝った。
こういうときは、勝ったもんが行かにゃね！いいなぁ～。。。

「一発まず殴られにゃね！」
「そやな、カッカさせよかね。」
ねぇ、デブやけど、どうする？殴ったってめり込むよ！
「秘穴突いて、ヒデブゥ～！しか、なかっちゃなか？まぁ、いくわ。」

まぁまぁまぁ。。。とスイカは割って入って、
「デブはさ、女相手にしかケンカ出来んのはわかるけど、まぁまぁまぁまぁ！」

こっちは「早く殴られろ、殴られろ！」とワクワクなのだ。

「ね！おデブさんっ♪」
スイカはニコッと笑って、目の前で、人差し指をチチチチと動かすと
「ＫＯＯＬＫＯＯＬ！」と言った。こりゃ、憎たらしいわ。外国みたぁ～い♪

スイカは背があまり大きくないし、足も異様に短いので、
ぜんっぜん恐ろしくないのだ。顔も、白くて優しいからね。

でもだ、小さいころからスイカ担いでますからね、怪力よ。
しかも、素早いからね。

「なんやきさま～」とショボブゥ～は、とうとうスイカの左ほほを殴った。
スイカは、「見たかぁ～？殴られたぞぉ～♪」うれしそうだ。万歳してる。

やったぁ～～～～～っ！やったやったっ～～～～！
やっちまえぇ～～～～っ！


もう、こっちの二人だって、うれしくってきゃぁきゃぁだ。

スイカは、うりゃぁ～っとブゥ～を担いで、田んぼに放り投げた！
おデブちゃんは、被害甚大に田んぼにひっくり返った。
また掴み掛かってきたので、また巴投げる。

何度かそれを繰り返して、ブゥ～ちゃんがへロヘロになったころ、
ようやく警察が来た。

こっちはホーム、あっちはアウェイだから、
銀座の時のようなことはなく、本日はこちらが「訴えますか？」と聞かれた。

大変気分がいい。

そのときには、女の子の存在もすっかり忘れていたので、
鼻血を流しながら、呆気にとられて立っている彼女に
「お幸せに」と、礼儀だけは尽くしておいた。

田んぼ、駄目になったね。
「うんにゃ、あの田んぼ、虫にヤラレとったけんね。
派手にやっといたほうが、金が取れるよ。」
「車の油も、入っとろうしね」
と、二人は言った。

そっか、それで田んぼに投げ入れてたのか。。。

意気揚々と牛んちに戻ると、かぁちゃんが、
「入ってくるな！」という。
「泥だらけやなかねっ！いったい幾つね！うりゃたちゃぁ歳ぁ！」


見合すと、私たちはみんなで泥だらけなのだ。
ギャラリーの二人も、大喜びで田んぼに入ってたからな！
ついでにモップも田んぼに忘れていたから、
かぁちゃんに怒られて、ヘラヘラ取りに戻った。

ＰＣだけは、かぁちゃんに取りに行ってもらった。
いま、外でゴロゴロしとる。

ナイスなシルバーウィークの幕開けだ！