Nicotto Town


まったり時間。


【お話】フェアリードクター2

妖精専門の少年探偵団。改

もらったステキコーデ♪:16


「ねえねえ、次はどこに行くの?」



小さなささやき声。ぼくのそばを飛び回っている小妖精たちだ。

いつからか、側にいる。何かあったら声をかけてくる。たまに、手伝いをしようとしてがんばってくれる。

ほかの人には姿が見えない、でもぼくの友達だ。

たまに、がんばりが変な方向に行ってたりするけど。



「図書館だよ。このあたりの伝承を調べなくちゃ」

「めんどう~」

「めんどう~」



ぶーぶー言う彼女たちに、甘いミルクをあげるから、と言ってなだめる。



「どうして図書館なの?」

「このあたりの人が忘れてしまった、妖精との約束が見つからないんだ。昔話にヒントがあるかもしれないから」



今度の依頼は、ちょっとやっかいだった。お屋敷の窓が、勝手にあいたり、物が壊れたり。不気味な声がしたり。

何があったんだと、人間側は震えあがっている。

フェアリードクターとして、お屋敷にいる妖精とも話をしてみたけど、

妖精側は、怒ってしまっていて、話にならない。

なにか、人間側が、やってはいけないことをやらかして、

昔の約束を破っちゃったみたいなんだ。

でも、その約束が、なんなのかわからない。忘れられちゃってるんだ。




「妖精は変わらないけど、人間は、世代が交代して行くからね。昔の約束が、伝わらなくて。破ったかたちになっちゃう。

図書館に何かあれば良いけど」

「あるのかな~」

「あれば良いわね~」

「なかったらどうするの?」



うーん、と言って、ぼくは首をかしげた。



「どうしようね? そしたら、地道に妖精たちをたずねてまわって、ひたすら話を聞いてあげて、


美味しいビスケットをたくさん渡せば、機嫌がなおるかな?」

「あたしたちにもちょうだい!」

「ビスケット! ビスケット!」

「はちみつ入りじゃないとイヤよ!」



きゃっきゃと喜ぶ、小妖精たち。




「人間側にも、約束をきっちり守るように、言って聞かせないとね~。これが一番、大変なんだけど」



ぼくの作る、ふっかふかのビスケット。妖精たちに人気なんだ。

ハーブや、花を練りこんで作るんだよ。ジャムやはちみつを添えて食べたら、最高!

はちみつは、ヘザーの花のにしようかな。ワイルドな味と香りが、妖精に人気なんだよね。

あと、バラの花を使ったお菓子なんかも……。



「あれ?」


不意に、バラの香りがした。


「どうしたの?」

「うん、バラの香りが? 気のせいかな」

「ふーん?」



見まわしたが、花はない。不思議に思いつつ、ぼくは図書館に向かった。まだ駆け出しで、おばあちゃんの跡をついだばっかりだけど。ぼくだって、フェアリードクターなんだから。

がんばらなくちゃ!




***




「気が付いてないね」

「ねー」



背後で、こそこそと小妖精たちが話し合う。




「バラの香りは、妖精の女王様のお気に入り」

「前に、お花を入れたビスケットを作ったの、あれ美味しかったよね」

「女王様が喜んだもんね」

「あれ以来、この子に小さな幸運の守護がつけられたの」

「あたしたちもお手伝いしなさいって言われたものね」

「でも気が付いてないの」

「ないの」

「うふふ」

「ふふふ」

「ビスケット、楽しみね」

「ラベンダーやタイムが入ってるかなあ」

「バラのお菓子もおねだりしようか」

「そうしよう」

「そうしよう」



今日も、妖精たちから愛される、小さなフェアリードクターが行く。





***









青ガチャでやっとこさ、青い半ズボンが当たったので、着替えました。

これが手に入るまで、同じ背景が何枚もやってきた(^^; 風船の背景、五枚ぐらいあるし、他のも三枚ずつある(^^;

青いズボンに合わせて、靴とアクセサリーも青でそろえています。


背後の赤バラは、チョッキの色に合わせました。


なお、ここで出したビスケットは、硬くて平べったいものではなく、

スコーンに似た、ふくらませたものです。



アバター
2016/10/02 05:15
人間は、だれでも暗い部分は持っているよ。それも含めて人間だから。

ただ、人は、そこにある、ありのままの自分の姿を見ることに耐えられない。

それが、人と人外が相いれない、理由のひとつじゃないかなとは思う。

純粋すぎるものは、鏡のように、自分を映してしまうから。

少しずつ、自分を見つめなおして、これも自分なんだ、ありなんだと、思うことで、

彼らを認めることが、できるようになっていく。こんな感じじゃないかな。
アバター
2016/10/01 13:35
今でも精霊と仲良くなってみたですが
自分は深い闇持ってるんで近ずいてはくれないと思ってる




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