Nicotto Town



銀の狐 金の蛇 序 夢見

文字十万字台、推理もの、という目標でためしにBL18版で書いている横溝せんせえっぽいミステリー推理ものですが、

公募用にするために、こちらに改稿版をあげていきます。

改稿版はBLではありません。Rは事件が猟奇っぽいので15ぐらいです。
主人公の相方は試験的に女の子になっています。

テーマは第一に親子。それと師弟、恋愛、そして夢見という占いについての考察が混じっています。舞台は民族学テイスト色濃い山奥の村です。
こんな設定の方がいい! こうしろ! などなど
ご意見くださいましたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いいたします。 


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SOMNIA SOMNI Ⅰ
銀の狐 金の蛇 
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 この浮遊感はなんだろう。
 おそるおそる、下を見る。
 足元に広がっているのは、一面銀色の平面。
 まったいらで、なめらかで、さざなみひとつない。

(これは、鏡か?)

 ……否。おのれの姿は映っていない。


 この平面はなんだろう。
 おそるおそる、爪先を入れる。
 足元に広がっていくのは、いくつもの波紋。
 ゆるやかで、なめらかで、とめどない。

(これは、水鏡か?)

 ……否。おのれの姿は映っていない。


 周囲を見渡せば、四方八方、山。山。山。
 天を突くような山々がそびえている。

(湖?)
(湖上にいるのか?)

 しかし水は、にごっているようだ。
 振りあおげば、空は、まっ白――。
 ふと、前方にほのかな光がさす。
 空が割れて初めてわかった。
 天は白雲に覆われていたようだ。

(あれは……なんだ?)

 白い雲間から、光輝く塊が降りてくる。
 ふわふわとゆっくり、目の前に降りてくる。
 光の塊は、みるみる形をとっていく。
 手足のようなものが伸びてきて。跳ねとぶ子供のような姿になり。
 パッと一瞬、周囲に何かを散らす。
 あまりにまぶしく、眼が焼かれて盲めしいになる。

 その刹那、かいまみえたのは。
 花びらのように広がったのは。

 真紅の……




#日記広場:自作小説

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2016/12/05 23:07
顔ですかな?




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