スキーの思い出
- カテゴリ:スポーツ
- 2017/01/28 11:09:16
小学生の時、親の転勤で北海道に住んでいた頃がある。
なので、冬になるとスキーの授業があり、すごく嫌だった。
スケートなら心得があったけど、スキーとなると勝手が違う。
父親がスポーツ万能なので、親父にスキーを習ったけれどぜんぜん上達しなかった。
重たいスキー板や靴を履いて歩くのも苦痛なら、斜面から滑り降りるのも怖くて仕方がない。
筋力とバランス感覚がないから、身体を傾けて重心を取るというのが理解できなかった。
上達しないままスキー授業が来て、私は当時の担任の男教師にさんざん「どうして上達のために努力しなかったのか」と怒られた。
公園の斜面ででもできるだろと言われ、いや、そんな恥ずかしい真似できませんよと言い返したかったが、小学生の自分にむろんできるわけがない。
その教師は熱血で、つきっきりで私に教え始めた。他の生徒は全員滑れるので、私だけがゲレンデのふもとでひたすら練習させられた。泣きながら頑張った記憶がうっすらとある。
教師の努力のかいあって、ほどなくして私はボーゲンで滑れるようになった。
熱血指導にはうんざりしたが、滑れるようになったことは、ひとつの成功体験として感謝している。
その教師の姿を、最近また見るようになったとは、誰ぞ知ろうか。
当時の顔や髪型にそっくりな小柄な男性をうちの職場で見かけるようになったのである。
しかし、年齢を考えると本人のわけがなく、私に幻を見せる妖精か妖怪の類とも思えず。
妥当な線として同じ血筋を引いた人なのかもしれないとも思うが、怖くて聞けない。そして私は当時の担任の名前すら思い出せない。
その人の顔を見かけるたびに、否応なく北海道に住んでいたことを思い出してしまう。
北海道の良さと悪さ(特に人間・教育関係に関しては言いたいことが山ほど)両方を見てきた自分にとって、その男性の顔は記憶の起爆剤となり、なるべくお目にかかりたくないなあと思うこの頃だ。