父の検査結果が、まだ出ません。もう２週間になります。
ネットで調べたら、がんを疑われる患者の検査入院は、よほどひどくない限り長引くそうです。ならば、まだ続くのか、こんな日々が。
検査にも入院にもお金がかかるし、母は毎日父に面会に行っているので、バス代もかかるし、何より、父の気持ちが疲れているでしょう。家に帰りたがっていましたから。

そんな折、家に封筒が届きました。見たとたん、嫌な予感が。
督促状。クレジットカードの…。

宛ては妹。このくそばかは、またやらかしたんです。借金を！
妹は数年前、何百万という借金をカードで作りました。
家に届いた督促状を見た両親、および私は悲嘆に暮れました。
父が、これ以上膨らむ前にと、自腹を切って返済しました。
しかし妹はそれを父に返さず、またカードを作って借金を重ね、親や私を嘆かせました。
その時も、また父が返済し、もうカードは作らないと約束させました。
そしてしばらくは、平穏が続いたかに見えました。妹はまったく親に金を返さず、親もまた、返済のために別の借金を作られるのが怖いので、何もいえず。かりそめの平和でした。

今回の督促状のカードは２枚。スマホ契約会社と、地元銀行のものです。
中身を見て、その額に憤りと悲しみで、一杯になりました。心が潰れそうでした。
でも、前回作った額よりは、まだずっとましでした。

こんなものを母が見たら発狂するにきまっているので、督促状を自分の部屋に隠し、妹にメールして怒りました。そして、あとで帰ってきた本人に話を聞きました。

妹は、さすがに親に払わせるわけにはいかないと、他県の法律事務所に行って相談をし、無利子で返済できるよう手続きしたとのことです。それを、今も払っているとのことでした。
自分でそう行動したことを少し自慢げに話しており、むしろぶん殴ってやりたいくらいでした。が、自分でも「やばい」と思って行動したことだけは、ほんの少し認めてやります。

しかし、妹の悪癖にはため息がつきません。親には絶対に言えません。こんな大変な時に…。次にやらかしたら戸籍を外すか、私が資産管理して、一切自由に金を使えなくするか（そういう方法があるなら）すべきでしょう。

そしてこんな時に、愛犬りんごちゃんに異変が。
右目に腫瘤があるのですが、それが原因なのか、目が充血して膿みたいな目やにが出ていました。
翌日病院に連れて行ったら、ただの結膜炎ではない、強膜炎の疑いがあると。
腫瘤も目を傷つけるので、早く取らないといけない。私は、腫瘤切除の手術をお願いしました。
その獣医師は、いつも行く病院ではなく、父のせいで疎遠になっていた動物病院の先生でした。りんごちゃんが家に来たとき、お世話になった先生です。
丁寧な仕事なのですが、そのために時間がかかるので、父が嫌って別の動物病院に替えてしまいました。

そのことについてはともかく、医師は腫瘤のない左目も確認してくれました。
すると、「あっ、逆さまつげがどっさり生えてるぞ。それに、目に黒い影がある」
なんと…りんごちゃんのきれいな茶色の目の右側に、三日月形の色素沈着があるじゃないですか。
これは、角膜が傷ついたための損傷で、もう元に戻らないそうです。たぶん逆さまつげが何度も傷つけてそうなったんだろう、と。
ああ、私は今までどこを見ていたんだろう。気づけなくてごめん…。

腫瘤より、こっちがやばかったな、と医師。早く気づいてよかった。
これ以上色素沈着が広がらないよう、両目の逆さまつげを抜いて、長くておっとりした顔つきにしていた上のまつげもカットしてくれました。

右目の腫瘤手術のためには、全身麻酔が必要で、麻酔が危なくないか血液検査をしました。すると、肝臓の一部の数値だけが高値。組織が損傷している可能性あり、とのこと。

その数値を下げるため、薬を飲みながら様子を見て、下がったら手術だそうです。
長い診察と検査でしたが、りんごちゃんは一言も騒がず、頑張ってくれました。
偉かったです。
でもその日の診察費が３万超えて悲鳴が出ました（笑）
こういう時のために貯金しているので、神様が、今こそ使えと言っているのでしょう。

手術が成功しても、腫瘤はまたできる可能性があるし、色素沈着の方は、広がらないように一生目薬をささないといけないでしょう。
でも、りんごちゃんの目が見えなくなることの方がつらい。
りんごちゃんの大好きな父が退院した時、見えなくては悲しいですよね。

ほんと、いろいろあってぐったりしてますが…。悪いと思われることの中に、よかったことを見つけてみました。

ひとつ、父のがんと疑わしきものは、緊急性を要するものではないこと。

ふたつ、妹の借金癖を改めるチャンスかもしれない。

みっつ、りんごちゃんが失明する前に、症状に気づけたこと。

災い転じて福となす、という言葉をかみしめております。