噂にはなっていたが、グリコのレトルトカレーで『LEE』なるシリーズが有って、20倍、30倍と言う商品がある。

食べた人は「普通の人はとても完食できない」との事だったが、20倍と30倍15個づつをいただいたとの事で、職員の食堂に置いていた。

さて、初日、タダの試食のつもりで、ご飯に温めたカレーをかけて食べた3人が2口、3口あたりで「食べられない」と大半を残した。

食べようとしていたもう2人は、恐る恐る口に運んだが、1口目は首を傾げた数秒後、真剣な顔で2口目を口に入れるが、泣き顔になる、「これ以上無理、残しても良いですか？」「いいや！食事を粗末にしてはイカン。責任をもって食べなさい。」いつの間にか外科部長が後ろから口を出す。

だがギブアプ状態で、これ以上は無理なことは誰でも分かる。

そこで有志がスプーンを持って来て残ったカレー（ライス）を救って食べる。

口に入った瞬間は辛さは強烈ではない。

噛んで飲み込むとき強烈な辛さに襲われる。

大口で大量を口に入れると苦しみもだえる羽目になることも有るほど強烈だ。

20倍でもかなりの辛さで「痛い」の表現が正しいかもしれないほど。

安易に食べると残飯の山になる。

そこで、外科部長の発案でレトルトカレーを積んだ盆に張り紙と募金箱を。

張り紙には『注！激辛です。無料ですが完食できなかった場合は500円の募金にご協力ください。』

かくして、以降6人が挑戦。1人は20倍だったが、5人は見栄を張って30倍に挑戦。

後で冷やし中華も食べようと思っていた私はライス少な目。他の人は普通か大盛で挑戦。

冷たい水は用意するが、途中で飲むと辛さが増して苦しむことになることを知っているから、完食までは飲んではいけないのだ。

見ると、挑戦者は水がハカドっていく。案の定耐えられなくなってギブアプとなる。

食べ続けているのは、かの外科部長と私の2人だけ。

厳しい状況だ。もはや冷やし中華どころではない。ご飯を継ぎ足してもらう（無料です）。外科部長も大盛からさらに継ぎ足した。

ご飯で味を薄めても一口ごとに汗が噴き出る。

白衣を脱ぐ。下はタンクトップなので問題ないとは言うものの、白衣だらけの世界で異常だったかもしれない。

外科部長も白衣（上着）を脱ぐ。下は普通のフレンチスリーブのアンダーシャツ。

異様な光景（だったと思います）だが、2人とも意地で完食。

冷たい水を飲み干す。誰かが氷の入った水を差しだしたがそれも飲み干す。

外科部長は噴き出る汗をお絞りで拭い続けるが、こちらはメイクが崩れるので、ひたすらティシュで抑えるしかない。夏用メイクなので汗で崩れないのは良かった。

外科部長は結局ライス3人前ほど平らげたことになる。ベルトの穴3つほど緩める。

こちらは緩めようがない。多分大盛ライスぐらいだから耐えられる。

此処で、騒がずに平然と振舞うことが大事なのだ。できれば大騒ぎしたいのだが、将来の立場もあるので、毅然と耐えた。

外科部長の握手も座ったまま受けた。

それ以降、3日目の本日まで完食は私達2人のみ。

暗黙の了解で挑戦者は30倍をとしていたので厳しかったかもしれない。

明日からは、品切れになるので、堂々と20倍に挑めるが、安易に向かうと500円の罰金となる。

にしても、グリコさん、市販品としては行き過ぎで、罰ゲーム用とか乗りの話題で売れるかもしれないが、一緒のご飯も含め大半は捨てられる運命になりかねない。

面白い商品ではあるが、完食した私でも２度と食べることはないだろう。つまり、リピーターは希少。

それを分かって製品化した意図は何なのだ？