雑文「自分ヲ許ス」vol.1
- カテゴリ:小説/詩
- 2008/12/26 01:07:37
ある本にこういう記述がありました。
化学的に実証された実験に基づく記述です。
液体空気で冷やしたガラス管に息を吹きいれると
ガラス管の中に揮発性の物質が固まって無色の液体
が出来ます。次に「頭に来た出来事」を思い浮かべて
不快な気分になった時に同じように息を吹きいれると
ガラス管の中には栗色のカスが残ります。
これを実験用のマウスに注射すれば、マウスは興奮
状態に陥ります。さらに実験中に激怒するような
ことが起こって生々しい憎悪の中で吐いた息を
使った場合、ネズミは数分で死に至ります。
人が憎悪で1時間に吐き出す息は80人以上を殺せる
ほどの毒素を持つとも言われているそうです。
だから、毒を撒き散らす人間の周りにいる人は
その影響を受けてしまいます。
動悸がしたり息苦しくなったり・・
「毒気に当てられた」という言葉にもちゃんと
根拠があるんですね。
最近、こはるの周りでも、例えばチャットルームに
気に入らない人がいたら入室したくないという話も
聞かされます。
あたしたちはネットを通じてコミュニケーションを
取っているのだから、先述の実験になぞらえば、
実際に吐く息が誰かに影響を及ぼすことはないと言える。
だけど、マイナスの気を持ってる人、心に悪意のある人、
毒素を含んでる人の発言は、やっぱり周りに影響します。
こういう開かれたコミュの中では仲のいい人たちとばかり
固まって遊んでいるわけにもいかなくて、実際は
あまり関わりあいたくない人とも関わっていかなくてはいけない。
あたしは根が楽天家なので、そういうマイナスな気も含めて
楽しんでしまおうと割り切るほうなんだけど、
中には頑なに、気に入らない人を完全に自分の周りから排除
してしまいたいという人もいます。
いつも遊びにいく部屋でも、そこに自分の嫌いな人がいたら
入っていけない。そうすると自分が阻害されているような気分
になったり、孤独を感じたりする。でも、そういうことで
自分が楽しめないなんて絶対損してる。
人は概ね自分勝手で、自分の価値観で物事を見、行動します。
そしてそれを正しい事のように認識してしまいます。
その「思いこみ」が誰かの「思いこみ」と違った時に
人は傷付き、その人に対して腹を立てます。焦燥や怒りを
完全に感じない人はいません。だけど、怒りのエネルギーが
良くないものだと知ってるから、人は怒っている自分に対して
嫌悪感を抱いたり、落ち込んだりもする。
誰かの事を許せないと怒ってるなら、怒ってる自分を
まず許す。怒りの中から開放してあげる。この怒りの実体は
他者にあるわけではなく、自分の中に存在しているという
ことを認識する。それを知ることが大切だと思います。
偏見や差別、さまざまな理不尽な言動は、周りを探せば
いくらでも出てきます。それはあって当然のもので、
誰もが違った場所で違うものを見て育ってきた以上
「思いこみ」が違ってしまうのは避けられない事実です。
他人の痛みには鈍感なのに自分の痛みにはすぐ反応する。
人の行動を非難しながら自分も同じようなことをやっている。
だけどそれに気付かない。
人の悲しみも、自分の身に置き換えてしか感じることができない。
高校生の時、同級生の父親の葬儀に参列したときに、
あたしは自分の親の仮想の死を思って涙しました。
その時思ったんです、人って何て自分勝手なのだろう、と。
だけど、きっと大多数の人が同じなのだろうと思います。
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長文のため、2部に続く。
二部も見てきます!
まずはその許せない自分を 許さないと
そこから先へは進めないと
ワタシも思う。