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シン・ドラマ汁


遺留捜査 感想文

遺留捜査 第8話
テレビ朝日 木曜夜8時~
▼ハイヒールを履いた悪魔
今回は、イベント制作会社の女社長・柴田亜弓が、森の中で絞殺された事件でした。
爪の間に犯人のものと思われる皮膚片が、首には青い繊維片が、そしていくつか指紋も残されていましたが、
前科者のものとは一致しませんでした。
手口が、このところ3件連続して起きた通り魔事件と似ていましたが、被害者が死んだのも、
指紋が残されていたのも今回が初めてでした。
臨場した糸村は、車で直接来れない山道なのに、彼女が9cmのピンヒールの靴を履いていたのが気になります。
しかもそのハイヒールは右側のヒールが根元から折れていました。
亜弓は有名大卒、留学、アメリカの政府関係の仕事に就いていたなど、一流の経歴を持っていましたが、
その強引な手法と過激な性格で、社内外に関わらず敵は多く、「ハイヒールを履いた悪魔」と呼ばれていました。
彼女が起業した時に、先輩としていろいろ教えたり取引先を紹介したりしたのに、得意先を取られたりして
業績が悪化してしまったライバル会社の社長・森島直人、ライバル企業からヘッドハンティングされてきたのに、
取引先の既婚男性との不倫の噂が立ったと思ったら、すぐに解雇されてしまった元社員・矢沢絵里、
そして見た目の地味さをいじられたり、とてもできないような大きな仕事を任されて、
毎日のように社長にパワハラを受けていた社員・川崎由希など、次々と亜弓を恨んでいそうな人物が出てきます。
今は花屋で働いている絵里は、亜弓は経歴詐称していたと証言。
実際調べてみると、出身地も学歴も職歴もすべて嘘でした。
そして、亜弓が何もないような山に行ったのは、由希に任せたプロジェクトの下見のためだったのですが、
由希はそのことを知らないと言うのです。
亜弓の過去をもっと調べようと、莉緒は本当の実家があった京都府内の田舎町を訪ねました。
そこには亜弓の家族はもうおらず空き家となっており、近所の住人が言うには、
亜弓は幼い頃に両親が失踪してから、祖母の家で暮らし、あまりに貧乏で、同級生たちから
いじめを受けていたそうです。

▼ピンヒールの謎
ハイヒールが折れていたことがどうしても気になる糸村は、わざわざ同じようなハイヒールを買ってきて、
自分のサイズには合わないので村木に履かせて、どれだけ動いたら折れるか試しました。
しかし村木が動けなくなるまで走ったり飛んだりしても、ヒールは折れませんでした。
そこへ莉緒がやってきたので、糸村がヒールが折れた経験はないかどうか尋ねると、
一度だけ、男と別れようとした時、プレゼントされた靴のヒールを男に折られたことがある
友人がいると話してくれましたが、どうやら自分のことのようでしたw
亜弓の履いていた靴は、海外の高級ブランドの何十万もする靴で、
故意に折らなければ折れるようなものではないことに、糸村は気づきます。
そして亜弓の靴をよく観察してみると、左右で踵の深さが違うことが分かりました。
靴底の高さを調整するインソールが、片方にだけ入っていたのです。
糸村は村木に靴を販売した店をピックアップしてもらい、その店を訪ねました。
店主が言うには、亜弓はその店の常連で、その靴もその店で買い、調整したものでした。
そして亜弓は生まれつき股関節に障害があり、本当はヒールの高い靴を履かない方がいいのですが、
高い靴を履くと気分が前向きになると言って、無理して履いていたので、
少しでも楽に履けるよう、店主がインソールを入れて調整していたと言うのです。
また、初めて店に来た時は、まだ社長なんかではなくて、一目見て気に入った靴を無理して買い、
「いい靴は履く人を素敵な場所まで連れて行ってくれる」という店主が言ったヨーロッパの諺を胸に
がんばってきたのだとも言うのです。
そして店主は、亜弓は殺される直前にもこの店を訪れ、店を出る時以前来たことのある客と
ぶつかりそうになったとも言っていました。
そして糸村の帰り際、店主は亜弓が注文した靴が届いているので、どうしたらいいかと相談してきました。
さて、犯人の名前は今まで出てきていないですが、不自然に登場した人物がいるので、多分分かると思いますw
ここでは、糸村が例の3分間でどんな話をしたのかを、推理してみましょう。

▼以下ネタバレご注意!
犯人は、亜弓が靴屋でぶつかりそうになった男、三吉です。
三吉は亜弓の会社のディスプレイを担当する下請けで、そのデザインを亜弓に完全否定され、
作り直そうにもどうしたらいいのかすら教えてもらえず、プライドをズタズタにされた挙句、
靴屋でぶつかりそうになった時、亜弓は三吉を覚えていなかったのか完全に無視した上、
足を踏んでいったので、カッとなって後をつけて犯行に及んだのだそうです。
三吉が靴屋に出入りしていたのは、亜弓に少しでも認めてもらうため、わざわざ彼女が靴を買った店を探し出し、
自分の靴を買ったのだそうですが、まったく無駄どころかかえって命取りになってしまいましたね。
亜弓のヒールを折ったのもこの男ですが、「ハイヒールを履いた悪魔」と呼ばれている彼女の
象徴となるヒールを折ることで、プライドを汚された復讐をしたということなのでしょう。
実はこの男、最初に糸村が会社を訪れた時に、顔を合わせていたのですが、ほとんど推理する必要がなく、
今回は事件が添え物であることが分かりますねw

▼3分ショー
今回の糸村のターゲットは、社員の川崎由希でした。
彼女は社長から疎まれ、蔑まれ、虐められていると思っていたので、社長が死んですぐ、
退職しようとしていました。
しかし亜弓は本当は、由希のために例の靴屋で高い靴を注文していたのです。
サイズからして亜弓のものでなく、由希のものであることは明白でした。(26cmてw)
亜弓はいつもリクルートスーツのような服を着て、ローヒールの靴を履いている由希に、
自分を重ねていたようなのです。
由希は元々地味な性格だったのですが、あるイベントで亜弓を見かけて憧れて、
その場で亜弓に入社希望の意思を伝えていました。
亜弓が由希に用意していたのは、その時亜弓が履いていた靴と同じデザインの靴だったのです。
毎日罵倒されながらも、辞めずに働いている由希に、本当は期待していたんですね。
私も、パワハラと言う割には的確なことを言っているし、使わないからと百貨店の商品券を渡したりしているので、
本当は愛情表現が下手な人なんじゃないかなとは思ってたんですよね。
多分、両親と早くに生き別れたり、貧乏な生活でいじめられていたりと、過酷な少女時代を過ごしたので、
愛情表現の方法が分からなかったんでしょうね…。
また愛情表現の仕方だけでなく、学も経歴もない女が1人社会を渡っていくために、余裕もなかったんだと思います。
周囲に気を使ったり根回ししたりせず、即断即決でやってきて、それがうまくいったので、
そういうやり方で敵をたくさん作ったとしてもかまわないと思っていたのでしょう。
ある意味、あの時あの靴屋であの靴にさえ出会っていなければ、早くに殺されることはなかったのかもしれません。




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