ギャンブルとスポーツのお話
- カテゴリ:スポーツ
- 2017/11/07 13:40:55
今から100年ぐらい前のヨーロッパで花形のスポーツはボート競技と競歩だったという。今ではマイナーといってもいいふたつのスポーツの人気がなくなってしまった原因はギャンブルにむしばまれたから。
スポーツの公平性と真剣度が疑われたら競技として成立させるのが難しい。
デクラン・ヒル が長年の調査をまとめたものによると、現在賭博の対象はありとあらゆるスポーツになっていて、サッカーはとくにむしばまれているという。
20年ほど前までサッカーで八百長といえば、降格をまぬがれるために優勝とも昇格とも降格とも関係ない中位以下のクラブに持ちかけて勝ち点3を譲ってもらうものがほとんどだった。大相撲で負け越ししないために相手に金銭を払って問題になったのと同じレベルだね。いくつかはばれて降格したマルセイユとかミランとかラツィオの例もある(ちなみにイタリアで大騒ぎになった2006年のカルチョポリの騒動は結果的にナポリ検察がえん罪であったことを認めている)。
しかし、現代は賭博とマフィアと金儲けが綿密に絡んで、ばかばかしいほどの仕組まれた試合がいくつも存在する。クラブの勝ち負けも順位もなにも関係なく、選手も審判も取り込まれるのだ。
彼らの手順はハードルが低いところから始まる。
AとBのチームがあってAのチームに最初にスローインになるように外に蹴り出してくれとか、ファールしてとか、勝敗に関係ないところを頼む。謝礼はお金だったり食事だったり。一度乗ってしまうと次から断れなくなる。断るとマフィアとの癒着がばれて永久追放。それでも、マフィアは選手の経済状況は私生活を調べて蜘蛛の糸でからめとるように選手を縛っていく。
日本の野球賭博で使われたアジアンハンデキャップも八百長のハードルを下げた。
AとBが対戦してAが圧倒的に強い場合に、A2.5のハンデをつける。A 2-0 BだとBが0.5点リードで勝ちなのだ。公式ではAの勝ちでもギャンブルではBの勝ち。Aの選手は3点目をとらないように、あるい3点差がついたら相手にゴールさせるようにプレーする。
八百長のプレーの尋問で、「相手の選手がペナルティエリアに入ってきたからボールと関係ないところでパンチしてPKにした」ととんでもないことが行われていたりする。
サッカーは足で蹴るスポーツだから八百長なのか本気でミスしたのかわからないところがね。FIFAゲートもそういうことで発覚したんだよね。
対象はスポーツに限らないですが今のところ八百長の具体的な証拠があるのはスポーツだけなんですね。
ロシアゲートは疑惑ですが、ギャンブルのためではないですから。
先日の日本の選挙だって、賭けが立っていた筈。
最早対象は、スポーツに限られないのです・・・。