Nicotto Town ニコッとタウン

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恋はストーカー 4

駅のホームに降りた私はムッとする空気に包まれた。
私が空気の熱さに気を取られ立ちどまっている間に、彼女は改札に向かってホームの渡線橋の階段を上り始めていた。
「見失ってしまう」
私はそう思いながら急いで彼女の後姿を目で追いながら歩き始めた。
列車のドアが閉まりゆっくりと動き出した。
列車は私の歩く横をじょじょに追い越し、いつのまにかその姿を消していた。
いままで尾行などしたことのない私だ。
気持ちと行動のギャプに少し違和感を覚ていた。
「これはゲームだ」
私のなかの別の人格をもった人間が、そうつぶやいた気がした。
実在の動きと空想の画面の接点で、私は彼女の後姿の動きのリアルさに戸惑いを感じながら「これは、ゲーム」と自分に言い聞かることで心のバランスを保っていた。
私が階段の一歩を上り始めた時には、彼女はもう階段を上り切ろうとしていた。
彼女を下から見上げた時の脚の長さとお尻の膨らみが私の本能を駆り立てた。
「彼女は、最高の獲物だ」
私の原始にそなわった狩猟の本能が少しよみがったのか、バーチャルゲームのやりすぎなのか、私は彼女を獲物としてとらえていた。

私は彼女に気付かれないように距離をとっていた。
階段の中段を上るころには、彼女の姿は視界から消えていた。
「行き先は駅の改札だ」
私は獲物の動きを頭の中で予想していた。
これはバーチャルゲームでターゲットの捕捉のためよく行うことだ。
私は階段を上りきり改札へと右に折れた。
列車を降りた人間はみんな改札に向かって歩いていた。
その人ごみの中に獲物を探した。
「見当たらない。どこだ」
私は、一瞬あせってしまった。
「髪が薄茶でピンクのノースリーブの女性」
私は歩きながら何度も顔を左右に動かし視線をキョロキョロさせた。
しかし、ホワイトカラーの男性と髪の黒い女性しか目に入らない。
「おかしい。どこだ」
私があせりでそうつぶやいたときだ。
改札に向かって広がって歩いてた人間達は、改札機の手前で集まり並んで出口専用の改札機を通る。
白いワイシャツを着た二人の男性が彼女のすぐ後ろを歩き、獲物を隠していたが、改札機前で一列になっ時に彼女が先頭にいるのを見つけた。
「獲物を再度確認」
私は改札機へと足を速めた。
獲物が改札を通る時に確認したい事があった。
それは、獲物が定期か切符かだ。
白ワイシャツの男の陰に再び入り良く分からないが、獲物は改札機の前に細く白い右手を伸ばし改札機に何かを当てた。
自動改札機の扉、フラップドアが素早く外側に開く。
獲物は歩みを止めることなく改札を通り抜けた。
「ICカードだ」
獲物は良く電車を利用することが分かったが、この駅を利用するかどうかまでは分からない。
私も急いで切符を自動改札機に入れ改札を抜けた。
獲物が私の降りる駅の手前の駅で降りてくれたので、乗り越し料金を払わず持ってる今の切符で改札を抜けられた。
視線は獲物の薄茶色の頭を見逃さないように、ずっとそれに向けられていた。
多くの人間は改札を出て商店街へと続く歩道橋に流れて行くが、獲物はその流れとは反対のタクシー乗り場に向かう階段を降り始めた。
私はいやな予感がした。

私は予感が当たらないように祈りながら歩道橋の上にいた。
今、私がタクシー乗り場に向かう階段を降りると階段には獲物と私の二人きりになり、獲物が振り返れば気付かれてしまう。
それに歩道橋の上からタクシー乗り場が見渡せた。
私は歩道橋の上で誰かと待ち合わせしてるかのように、時計を見たりキョロキョロしたりして怪しまれないようにしていた。
そして視線を獲物に時々向け、その動きを観察していた。
タクシー乗り場には客待ちのタクシーが数台、客が来るのを今かと待っていた。
獲物は階段を降りるとなんのためらいもなく、客待ちのタクシーに向かって歩き寄った。
先頭のタクシーの後部のドアがすっと開けられた。
獲物は運転手に挨拶することもなく、開かれたドアに吸い込まれるように座席に後ろ向けに座り、外に残されたそろえた二本の脚を身をよじらせながら車内に引っ込めた。
同時にタクシーのドアがしめられ、タクシーは商店街への道に向かって走り出した。
私は落胆しながら、タクシーがビル陰に消えるのを見詰めていた。


#日記広場:自作小説

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2009/10/07 07:12
コメントありがとうございます^^
今考えると、当時は、ただただ理解できず「変態」としか思えなかったんですが、
男性にはそういう抑えられない欲求のような物があるんだ(もちろん痴漢は許せませんが)と
少し思います・・・いろんな性癖があるというか・・・
ただ、少し不思議に思ったのが当時、私はほぼ毎日ジーンズで(そのまま仕事できたので)
女性的なファッションという感じでもなかったんですよ・・・あんまり服装って関係無いものですね~
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2009/10/07 05:54
さちさんどうもどうも。
下で痴漢の立場でコメントしました。
痴漢は犯罪です。
痴漢にあわれたさちさんの気持ちを考えると許されないことです。
さちさんの気持ちを逆なでしたかもしれません。
深くお詫びします。

さちさんの経験談、ゴキブンの小説に影響を与えました。
貴重なコメントをありがとう。
感謝します。
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2009/10/06 21:39
さちさんどうも。
ううう、さちさんの魅力が男の欲望を爆発させたと思います。
男して理解できますが、あたってるかどうかは分かりません。
痴漢は女性の反応と満員電車という状況にスリルと興奮を感じます。
性行為は密室の行為ですが、人目があると興奮する人もいます。
二人だけの時に同じ行為をしても興奮の度合いが違うのかもしれません。
また、人前というスリルもあります。
女性の反応については、恥ずかしそうに困る女性が最高。
怒る女性や感じてもっとの女性は興醒めです。

男がひつこいのは、本当にさちさんを好きになったのかもしれません。
痴漢行為を同じ女性に繰り返すなんてスリルがなくなります。
さちさんの反応が無視だったのであきらめたか別件で捕まったか。
消えてくれて良かったですね。

男として魅力的な女性にあこがれ、いたずら的にさわって反応をみる。
初期段階です。
反応が冷たければあきらめ、反応があればもっとエスカレートです。

男は女性をすぐに性の対象としてみてしまいますが、同じ人間であること
認識することが必要かも。

痴漢の立場でコメントしました。
女性の柔らかい独特のさわりごごちは、男性にとって最高です。
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2009/10/06 20:19
実話だから書けるんですよ~

続き
駅から職場までついて来るときもあれば、職場のある駅までの時もあったり
その時によるんですけど、1カ月位続いたと思います・・・
その間の私は、何人かの知人に相談したんですけど中には「スキがあったんじゃないの」とか
「最初の痴漢の時にすぐ気がつかなかったのがおかしい」などと私に非があったように言う人もいて
とても、悲しい思いもしました・・・それで一人で抱え込むようになり・・・
ただ毎日逃げる事しかできませんでした・・・
でも・・・人間の心理って面白いもので、毎日のようにその人の遭遇してると不思議にその人なりの
ルールのような物があるように感じるようになりました。
最初の日以外は、私に触れてくることはなく、ただただ見てるんです舐めるように・・・
話しかけられてもひたすら無視をとおしてたから、気がついた時には、勝手に「手は触れてこないから」・・・
と恐怖心が少し薄れていってた(マヒしてた?)気がします・・・
最初の接触から1カ月~もう少し過ぎて私にも開き直りに近い感情が出始めた頃
その人は現れなくなりました・・・

どうですか?ゴキブンさん的にはその人の気持ちみたいなの理解できるとこありますか?
女の私はやっぱりよくわかりません・・・その人が何を望んでたのか・・・なんで私に・・・?って
思うばかりです・・・ちなみに当時私は26歳でその人は32.33歳位だと思います・・・
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2009/10/06 18:53
さちさんの小説のほうがおもしろい。
どうしよう。
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2009/10/06 18:38
それでは・・・

その人は、電車の時間を変えてもしばらくすると同じ電車に乗ってくるようになって・・・
1時間も早い電車に乗ろうとしたのに駅のホームにいた時はゾッとしました・・・
かけてくる言葉も最初の「ホテル行こう」から「お願い・・・」「1度でいいから」「触るだけでも」
などと変わっていき体に勝手に触るようなことはなかったです・・・

続く
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2009/10/06 18:25
さちさんどうも。
わっ、小説みたいなコメントですね。
さちさんの小説のほうが緊迫しています。
現実に体験すると臨場感でますですね。
この後が知りたいです。

ええ、ゴキブンじゃないですよ。
痴漢の心理ですんね。
すこし予習します。
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2009/10/06 18:08
ゴキブンさん
そんな良いものでもないんですよ・・・
その人とは、朝の通勤電車が一緒だった(私は直接接触するまで知らなかった)みたいなんですが・・・
ある大雨の朝、電車はギュウギュウ詰めで・・・私の太ももからお尻のかけてなんだか触るものがあったんですが
込みすぎててすぐにはそれが「手」で痴漢だとわからなかったんです・・・
さすがに、2度3度とあたるので気がついたんですけど・・・声を出す勇気が無くて体の向きを変えようと
モゾモゾ動いてたら近くにいた男性が少しスペースを空けてくれたんですよ・・・
私は親切な方だ~と思ってそのスペースに逃げました・・・
でも、その男の人が触ってたんですよ(後になって思えば・・・ですが)
その人は電車降りるまでなんにも話す事はなかったんですけど、同じ駅で降りてから
声をかけられました・・・一言
「やらして」って・・・
意味がわからなかった私は無視してふりきったんですけど、追いかけてきて
今度ははっきりと「今からホテル行こう」って・・・
ビックリしました・・・そんな人が世の中にいるのもだし・・・私がそんな女に見えたのかって悔しくって・・・
走って逃げたんですけど、それから彼は毎日私を待ってるようになりました・・・

続き・・・聞いてもらえます・・・?
できたらゴキブンさんのその人への見解を聞いてみたいです(>_<)
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2009/10/06 16:39
さちさんありがとう。
リアルの出会いはドラマチックです。
こちらが好意をもつと相手も好意を
なんて、ないですね。
タイプ的に好きになる人は決まってるのかな。

さちさんやっぱりセクシーなんだ。
痴漢に狙われるなんて、獲物的要素、お色気があるんだ。

男は出さないと気持ちが悪いのです。
悲しい生き物です。
それで女性の方にご迷惑をおかけします。
反対に小悪魔にも騙されやすいです。

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2009/10/06 16:23
ありすさんありがとう
テレビのドラマのようにはいきません。
なんて、嘘です。
いきなりの尾行が書けないので逃げました。
これで終わりに。
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2009/10/06 14:13
なんだか・・・読んでたら始まりってリアルにこんな感じなのかも・・・って思っちゃいました・・・
誰にでも少しはある部分で、それが何かをきっかけに表にでてくるか出ないままなのか・・・位の
事なのかも知れませんね・・・

リアルに電車通勤で痴漢&ちょっとストーカー気味の男性に悩んだ経験あって(その頃はまだ女性専用車両が
できてなくて)こういう欲求の男の人が理解できないと思ってきたんですけど・・・
ゴキブンさんの小説読んでると、ちょっと考え方変わりましたね・・・

なんだか、勉強になりました^^
続き楽しみにしてますね^^
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2009/10/05 18:46
あっさり逃げられちゃいましたねぇ^^;
五実吾氏の電車賃が無駄に(笑)
これで懲りてくれると、見ている側としてはホッとするのですが…話的にそんなことは起きないですね;;
アバター
2009/10/02 00:07
咲さんありがとう。
猟奇の話は生々しいです。
ニコッとタウンではちょと無理ですね。
続き頑張ります。
アバター
2009/10/01 23:56
追いかける対象を獲物と形容し、バーチャルゲームのように追跡する。生々しさと現実感のなさが同居した危うさがいいです。追いかける獲物が今にも振り返るのではないかと思うと、ドキドキしますね。
猟奇なお話は高校生のころに好きでした。検索の際は毒に中てられぬようお気をつけください。
アバター
2009/09/30 21:17
藍姫さんありがとう。
貴重なコメントです。
猟奇事件をさっそく検索します。

ゴミゴはたぶんそんなところまでいけません。
血を見たら怖がる人間ですから。
ただ、バーチャルゲームのやりすぎだけで
終わらしたくありません。
好きな気持ちが憎しみ変わる点、
ラブイズヘイティドポイントをさがせれば。です。
アバター
2009/09/30 20:42
流石にタクシーは追えないですねぇ ^^;
「前の車、追って!」なんて、TVドラマならアリなのでしょけど……。

コレクションと言うのも、理由としてありそうですね。
髪の毛とか、指とか、そのシーンをビデオに撮ってなんて言うのも……
あ、猟奇的なお話です ^^;
探偵物とか書いてみようかと思って、実際の猟奇事件を調べた事があり
まして、結局、怖くなって断念しましたけど ^^;;

ゴミゴは、どこまで行くのか楽しみですw
アバター
2009/09/30 06:19
スイーツマンさんどうもありがとうございます。
さっそく着替えさして頂きました。
スイーツマンさんのセンスもいいですね。
一度始めるとクセになりますから気をつけて下さい。

猟奇殺人って人間を食べるために行うのか、狩の獲物として人間を使うのか。
検索して調べます。興味あります。
テレビゲームで尾行のゲームがあることを知りました。
ある方のブログにゲームとネットに犯された詩が載っていました。
尾行の理由に悩んでいましたが、現代風にゲームの影響に逃げました。
これで尾行のワクワク感を覚えたゴミゴが誕生です。
ゴミゴはチャトで獲物と再会します。
続きはお楽しみに。

アバダーありがとうございます。



アバター
2009/09/30 05:33
 「もう一人の自分がささやく」 昔の猟奇殺人による死刑囚が裁判時にそんなことをいっていたようです。「自分にたいするいいわけ」たしかにそうですねえ。にげられてしまって残念ですねえ。

 webマネーというものを買ってみました。妙な感じがしますね。



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