2017年読了の衝撃的な本のお話
- カテゴリ:小説/詩
- 2018/02/15 14:58:46
読まないまま積んでいる本をゴミとして放り投げると言われたのであわてて積読本に手を出しています。昨夜はうちの猫が乗って雪崩を起こすぐらい。今のところ200冊くらいかなあ。地震が起こるとやばいね。。。
なので去年読んだ本でも去年買った本ではありません。買ってから何年も経ってから読み始めた本もあります。普段は民俗学の仕事で古文書と崩し字事典と古語辞典ばかり読んでいるからね。ノンフィクションでも小説でもコミックでも面白いものは読みたい。なかなか時間はないけれど。
「失われていく、我々の内なる細菌」マーティン・J・ブレイザー著 山本太郎訳 みすず書房 3200円+税
うちの食生活のすべてを変えたといってもいいくらいの内容。2015年6月19日初版なので購入は3年前だけど、読んだのは去年。近所の知り合いがピロリ菌の除菌をするということで読み始めた。おおまかな部分では人間と細菌の関係で人は常在菌によって外部からの病気から護られている。個々の独自の匂いも微生物がどういうふうに存在しているかで決まるし、病気への耐性も決まる。多くの常在菌に護られている方が病気に強いが普段から菌に接触しておけば強くなるわけではない。ピロリ菌の話でいえば、ヘリコバクター・ピロリは人間の胃の中でしか繁殖しないように進化した菌で胃の中で炎症を起こすことによって胃酸の量を調整している。そして、年をとって胃酸が出なくなるとピロリ菌によって胃の中は炎症で覆われる。炎症に胃酸がかかることによって炎症は潰瘍となりがんへと進行する。ピロリ菌は炎症を起こす細菌なので胃がんの原因とされた。しかし、ピロリ菌を除去した場合には胃酸を抑えるコントロールが胃の中で効かなくなる。食道へ逆流することが多くなり、胸焼けやゲップが起こる。結果、食道腺がんを発症することになる。ピロリ菌を除菌した場合は食道腺がんの発症確率は2倍にあがる。
これだけでも衝撃的だが、細菌と人間の関係から、花粉症、喘息、乳がん、若年性糖尿尿の原因は抗生物質の乱用による常在菌の消滅ではないかという記述が続く。マウスによる実験でもおそるべき結果が出ている。1950年代の初めのマウス実験で、サルモネラ・エンテリティディスの感染実験をしている。正常なマウスの半数が感染するのに数十万個のサルモネラ菌が必要だったのに対し、一経口容量の抗生物質(ストレプトマイシン)をマウスに投入した数日後にサルモネラ菌を投入するとたった3菌で感染した。約3万倍の違い。
食生活を変えた衝撃の理由だよね。
「乳がんと牛乳」ジェイン・プラント著 佐藤章夫訳 径書房 2400円+税
こちらは細菌の本に触発されて見つけた乳がんと牛乳に関する本。2004年に女子栄養大学に在学していた知り合いに牛乳について問い合わせたところ、何人かの教授に聞いて「悪いことを聞いたことがない」とのことでした。この本は日本での初版は2008年10月3日だけどイギリスでは2000年に出ている。地球化学の専門家であるプラント教授がみずからの乳がんと闘病して中国人は乳がんの死亡率が著しく低いことから(西欧では10人にひとり、中国では1万人にひとり)何が違うかを徹底的に調査し、中国人は牛乳や乳製品を食べない(食べる文化がない)ことを見つけて乳がんを克服した経験からの研究レポート。闘病中に乳製品を一切取らないことで抗がん剤による脱毛がなかったばかりか、肥満、便秘、老化、白髪からも離れられたというのは驚きだった。
「真田合戦記」 幡大介 徳間文庫 1巻から7巻まで(以下続く)
大河ドラマで真田丸を放送していたときに読み始めた本で、戦国時代の風俗や経済状況も詳しく書かれている歴史小説。あくまでも小説なので資料による解釈だが、徳川家康は駿府で武田信虎に戦略を学んだとか(真田昌幸も駿府に通っている)、川中島の合戦は善光寺をどちらが抑えるかの戦いとか、今川や上杉が豊かなのにたいして、武田がいかに貧乏だったかとか、そういう話がいくつも書いてあって戦国大名はかっこいいだけの話ではない。上杉が逃亡しようとして見つかった川中島の合戦の話はおもしろい。
ベスト3はこれだね。去年買ったけど積んである本は評価に入っていないので。速読マスターしたい^^
「乳がんと牛乳」ジェイン・プラント著 佐藤章夫訳 径書房 2400円+税
こちらは細菌の本に触発されて見つけた乳がんと牛乳に関する本。2004年に女子栄養大学に在学していた知り合いに牛乳について問い合わせたところ、何人かの教授に聞いて「悪いことを聞いたことがない」とのことでした。この本は日本での初版は2008年10月3日だけどイギリスでは2000年に出ている。地球化学の専門家であるプラント教授がみずからの乳がんと闘病して中国人は乳がんの死亡率が著しく低いことから(西欧では10人にひとり、中国では1万人にひとり)何が違うかを徹底的に調査し、中国人は牛乳や乳製品を食べない(食べる文化がない)ことを見つけて乳がんを克服した経験からの研究レポート。闘病中に乳製品を一切取らないことで抗がん剤による脱毛がなかったばかりか、肥満、便秘、老化、白髪からも離れられたというのは驚きだった。
「真田合戦記」 幡大介 徳間文庫 1巻から7巻まで(以下続く)
大河ドラマで真田丸を放送していたときに読み始めた本で、戦国時代の風俗や経済状況も詳しく書かれている歴史小説。あくまでも小説なので資料による解釈だが、徳川家康は駿府で武田信虎に戦略を学んだとか(真田昌幸も駿府に通っている)、川中島の合戦は善光寺をどちらが抑えるかの戦いとか、今川や上杉が豊かなのにたいして、武田がいかに貧乏だったかとか、そういう話がいくつも書いてあって戦国大名はかっこいいだけの話ではない。上杉が逃亡しようとして見つかった川中島の合戦の話はおもしろい。
ベスト3はこれだね。去年買ったけど積んである本は評価に入っていないので。速読マスターしたい^^
小実昌さんの原稿はそんなに苦労したことはないですね。
手書き原稿で読むのが大変でした><
最晩年だったからか面白い話はいろいろしてもらいました^^
作家さんは気むずかしい人も多いから気を遣います。
敏腕かどうかはわからないけれど、文芸よりも雑誌取材のほうが楽しかったです^^
取材旅行は面白いでしょうね。博覧強記の作家さんなら、色々裏話から、知らないことを
教えて下さいますものね。田中小実昌さんの原稿取りもされたんですか。
敏腕編集者さんだったんですね。 原稿取る時のお話を色々聞きたいですw
幡大介さんは真田三代を幸綱、昌幸と書いているから幸村ではなくて信繁と書くのでしょうね^^
本は雑学のもとなので読む時間があるといいですが。。。
体積が大きいのが傷ですね><
反論の論文を出したのは酪農業界関係の学者グループなので利害関係が疑われるんですよね。今のところ検証されたかもはっきりしていません。
食品添加物もたしかに原因でしょうけど、著者のプラント教授は地球化学では有名な学者なのでひとつひとつ検証して犯人は乳製品となったみたいです(教授本人は添加物を採ってなかった)。
1日1冊はなかなか読めなくてどんどん積んである本が増えていくんですよね。。。まだ読んでいなくて読まなければならないのは「不死テクノロジー」「通貨戦争」「サッカー界の巨大な闇」などなど。
Lilyさん、作家さんですよね^^編集が仕事だったから博覧強記の作家さんにくっついての取材は楽しかった思い出が。故田中小実昌さんの原稿取りも懐かしいです^^
が・・・目移りして積読もありがちなのであった。(反省中)
そのあとで他の学者から反論が出たと聞きました。
発展前の中国は貧しい人が多く、添加物いっぱいで、お金がかかるレトルトや
インスタント食品を 食べることなく過ごしてきたと思います。
だから乳癌だけではなく、先進国と比べて、
癌になる人が少なかったのではないでしょうか?
なんて、勝手に思ってしまいました。
それにしても、kiriさんはすごく本を読まれるのですね。
私は1日1冊くらいですが、最近は軽い本ばかりです。
今、自分の小説を書いているので、文章が止まると、息抜きに本を読みます。
もちろん自分のジャンルとは全く違うので、真似するつもりはありません。
活字中毒なのかしら?と思うのですが、表現力がある作家さんを見つけると、
宝物を見つけたように幸せな気分になれます。
もちろん、その反対に読まなきゃよかった。時間を潰してしまったと思う作家さんもいます。
でも読んでしまうと、さて、書こうかなって気合が入るんです。
うん、明日も頑張るぞ~。kiriさんお頑張って本の山を片っ端から読んで完読してくださいね。