ついにここまで 梁塵秘抄
- カテゴリ:日記
- 2018/03/31 10:26:33
歌謡曲っていつから始まったんだろう、
という興味が涌いてきたのが数年前でしょうか。
私が最初に聞いた歌謡曲は舟木一夫の高校三年生とか、
ペギー葉山の学生時代とかでしょうか。
ちょっと前、戦後歌謡曲にスポットが当った時期があって、
笠置シズ子の変なテンションの歌が改めて印象に残りました。
では戦前の歌はどうだったんだろう、さらにその前は…
Youtubeで遡れるのは、音源のある明治初期までのようです。
レコードつまり音響記録の技術が外国から入って来て、日本で出された
初期の音楽は「みやさんみやさん」とか「おっぺけぺ」とか
なんか変な曲ですね。あと、芸者さんの小唄とか。
そう、唄というのは宴席で歌われる事が多かったようで、
唄のプロとは芸者さんだったから、そう言う歌がまず音源になったような。
現代の流行歌の類は外国音楽を学んだ若い音楽家の裏の仕事として始まったり、
ジャスにイカレた人たちの和製ジャズあたりがスタート地点なのかも。
純和風音楽は芸者さんの衰退と共に消えたようで、
現代の音楽は西洋音楽のコピーからのスタート、両者には一つの断絶があるようです。
ちなみに演歌はむしろ新しいもので流行歌からの派生、民謡などから
繋がって来たわけではないようです。民謡も意外に現代音楽みたいですし。
ではお座敷芸の小唄端唄の類は何処から来るのかと探ると、
歌舞伎・浄瑠璃からの派生と言う流れもありつつも、
そういう芝居芸そのものが、神楽や奉納演芸まで遡れる感じです。
間をすっ飛ばしまして、結局、神楽や宮中式典の雅楽は大陸からの輸入品、
一方、「唄」は和歌などを声を出して謡う?辺りからのスタートかも。
この辺りは私のイメージなので、学問的にはアテになりませんw
ともかく、万葉集など最古の詩集は唄としては記録されていないので、
声に出して唄うものとして明確な意思をもって編纂された書物で
一番古いのが、『梁塵秘抄』だと言っていいと思います。
梁塵秘抄は後白河法皇の編纂で、この人はすごい今様好きで、
自分自身が今様のお師匠さんに入門してる人です。
今様とは今風の歌という意味ですが、後白河法皇の時代にはその今様形式が
すでに古い物となっていて、現代の歌謡曲好きが戦後歌謡を忘れ去られるのを
惜しむのに似た気持ちで、今様という歌を世に残そうと編纂した書物なのです。
それも現代では一部しか伝わっていません。残念ですね。でも一部はある。
そんな書物を、今の私が読ませてもらえるわけです。
歌謡曲は何処から来たのか? が、後白河法皇に辿り着いたわけです。
ちなみに、この人は歌謡の面では大きな功績の文化人かも知れませんが、
政治家としては全然ダメダメで、平安時代も終わりになって、天皇支配は
実効力を失い、やがて武士の時代へと移って行く事になります。
政治がなんともならんからこそ、芸術に浸っていたかったのかも知れません。
今様、宮廷文学とは違い俗語・口語表現が含まれ、当時の一般人の
生活感が感じられる部分もあって、読めば案外面白いです。
(現代語訳者・研究者によってかなりニュアンスが違ったりもしますが)
これらの「歌詞」が、本当はどんなメロディで唄われていたのか、
それが伝わらないのが、残念でならないです。
なるほど、言葉の周波数ですか。
もしかしたら、言葉の意味とは、周波数によって引き起こされるイメージに名を付けたもの、
なのかも知れませんね。
後白河院が法皇と呼ばれるだけあって、採録された歌には仏の教えを説き、賛美する作も多いです。
神楽が舞であると同時に祈りであるように、
今様には祈り、寿ぎの側面もあったのだそうです。
我々には退屈な歌も多いですが、概説書などで拾い読みされるのも良いかと思われます。
口から出た一語一句の周波数の羅列の組み合わせが言葉の波動であると云う意味らしいのですが
であれば、歌には音階がありその言葉の組み合わせの塊なので 歌にも魂があるのでしょうね。
金庫などの暗証番号は数字の組み合わせです。であれば言葉の組み合わせで相手の心を開かせる事もできるし、誰かを傷つける武器にもなってしまうのでしょうね。
歌謡曲のルーツ 面白い内容を読ませていただきました。(^^)b
梁塵秘抄 機会が有ったら読んでみたいと思います。いや、詠んでみたいと!(笑)
ここまで遡れて、自分としては気分が落ち着きました(^^)
梁塵秘抄なんて、一部の人しか知らない書物だろうと思うのですが
それを題材にした小説があるとは、面白いことです。
その時代を覗いた気分になれそうですね。
時代ファンタジー小説で「風神秘抄」という作品があります。
タイトルからもうかがえますが、後白河上皇が登場し「梁塵秘抄」の歌もでてきます。
(あくまでもファンタジーなので、史実には則していないのですが)
歌に注目してもう一度読み直したくなりました。
千年近く前の歌でも、今読んで、共感できる部分はある、
そんな所にも面白さを感じます。他人の時代とも思えない気分ですよ。
新幹線も既に昔からある物になりましたし、
ニューヨークも新宿も、名付けの心意気は分かってあげたい所です(^^)
どこから来たのでしょう~~後白河上皇だなんて、知らなかったわ@_@
歴史って、本当におもしろい
人の流れは、おもしろいですね*^^*
という古いのをやった覚えがあります(笑)
「ナウい」という言葉がすでに死語になっている
ように、「今様」というのも当時は新しかったものなんでしょうけど
そういうタイトルをつけたばっかりに、なんか矛盾を感じます。