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西郷どん 感想文

西郷どん 第22回「偉大な兄 地ごろな弟」
NHK 日曜夜8時~
▼地五郎
今回は、奄美から帰った吉之助が早速久光と対立したことや、京都での討幕派の志士の不穏な動向、
そして大人になってからの弟の信吾が本格的に登場することとなりました。
西郷がこの時期に何故奄美から召還されたか…それは、久光が本格的に攘夷運動をするにあたり、
江戸や京都への足がかりとして期待されていたからです。
ここが斉彬と違うところで、斉彬は水戸藩や一橋家、阿部老中や松平春嶽などと元から交流があり、
吉之助はそれに乗っかる形で、斉彬の足場を固めるために動いていたのですが、
久光はその吉之助を頼らなければ、他藩や幕府との関係を築くことすらできないのです。
藩主ではないのですから、吉之助を足がかりにもっとあちこち飛び回って
根回しすることもできたでしょうが、吉之助が島から戻ってきた時にはもう出兵する段階で、
根回しも何もする暇はなかったのですね。
言い伝えでは、薩摩から出たことのない久光を「地五郎」と呼んだのは、
吉之助ということになっていますが、ドラマでは久光自身が言い出してましたねw
確かに吉之助は3年間島にいて、その間国勢の状況がまったく分かりませんでしたが、
潮流の真っ只中に身を置く者よりも、その外から見た方がどこにいるか、
どこへ向かっているか、分かりやすいということもあります。
吉之助は現段階での出兵には反対しますが、久光の決心は固く、一蔵のとりなしによって
ようやく吉之助も久光に協力することにしたのです。
このエピソードで、いかに吉之助が久光を蔑ろに思っていたか、よくわかりますね。

▼倒幕派と公武合体派
久光の命で村田新八とともに下関に赴いた吉之助は、脱藩した有馬新七ら、
倒幕派の過激な思想を持つ志士たちが、すでに一触即発状態であることを実感します。
ここがとても重要なところ、試験に出るところですがw、実は久光は挙兵するといっても
倒幕の意思はまったくなく、思想的には公武合体に一番近いのです。
ドラマ内でも言っていましたが、挙兵し朝廷から幕府の改革案を勅令として発布してもらい、
雄藩の藩主などの主だった諸侯たちが合議の上、国政を進めていくシステムを考えていました。
しかし倒幕派の志士たちは、まず幕府を倒そうという考えに凝り固まっており、
その後はどうするとかまったく考えてない人が多かったようです。
吉之助がしきりにまだ早いと言っていたのは、そういうことも含めてだったのですね。
ともかく、この思想の差が次回、大きな事件に発展してしまいます。
これは本当に試験に出ますねw
この寺田屋騒動は、薩摩藩による薩摩浪士メインの志士の粛清ということで、
幕末が苦手な人には本当に分かりづらい事件だと思うのですが、
この思想の差を押さえておけば、理解しやすいと思います。
吉之助は志士たちを止めようとするのですが、逆に扇動したと讒言されてしまいます。
恐らく薩摩藩内に、吉之助の態度やもてはやされ方に不満を抱く藩士がいたのでしょうね。
結局寺田屋騒動は起きてしまうのだし、吉之助ももっと久光のプライドを刺激しないような
賢い接し方をすればよかったものの、性格的にそれは無理だったのかなと思います。
西郷が攘夷活動をしていた頃は、まだ過激な思想を持つ志士たちは少なく、
活動していた志士たちも安政の大獄で処分されてしまいましたし、
当時活動していて今も生き残っている、そして斉彬の懐刀と呼ばれた吉之助の名前が、
数年たって伝説化してしまうのは何となく分かる気がしますね。
そして今回、初登場ではないですが、大人になった信吾が本格的に登場いたしました。
サブタイの「偉大な兄 地ごろな弟」とは、斉彬と久光のことだけではなく、
吉之助と信吾のことでもあったのではないかと思います。




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