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遺伝と環境がわたしを作る?

「言ってはいけない」橘玲 著 新潮社

「言ってはいけない」は衝撃的な内容で、世界中で行われている「教育」というシステムが「無駄」だったと書いてある。尾木ママはどう反応するのだろう。そもそもテレビでは取り上げられないレベルの話なので、コメントのしようがないか。

「身長の遺伝率66%、体重の遺伝率74%、反社会的行動の遺伝率96%」

もちろん遺伝子の組み合わせはランダムなので、背が低い両親だからといってかならず背が低くなるわけではないし、両親が太っているからといって太るわけではない。はずなのだが、反社会的行動の96%は絶望的な数字だ。

このデータは環境部分を実父、実母と離れて養子になっている子どもを対象に集められている。親の教育がという問題ではないことが前提となっている。

じゃあ、生まれてくる子どもは親を選べないから最下層で生まれたらどうしようもないのかというとまったく違う。そんな簡単な話ではない。

「わたしは、遺伝と環境によって「わたし」になった。」

ここで説明されているのは双子の研究で、一卵性双生児と二卵性双生児は「遺伝子の共有比率を別にすると、他条件はまったく同じ(同時に生まれ、同一の家庭で育てられた)」ことを前提としている。「身長、体重、指紋の数など量的な大小に関わる項目は、二卵性に比べて一卵性の類似度がきわめて高い。双生児の養育環境は同じなのだから、類似性の差は遺伝によるものと考えるほかはない。」

たとえば体重の類似性は相関関数で一卵性0.8、二卵性0.4。2対1の比率は一卵性が遺伝子の100%、二卵性が50%を共有していることによる。1にならないのは、お互いが共有しない環境での生活の違い(違う学校に通っているなど)で説明される。体重に関しての0.8は遺伝80%、共有環境0%(家庭)、非共有環境20%で説明できる。

同じ両親から生まれた双子でもまったく別の性格になることがある。

本書で紹介されているのがプロのピアニストになった例で、乳幼児のころに離ればなれになった双子の姉妹の話をあげている。養母に育てられたひとりはプロのピアニストになり、もうひとりは音譜すら読めなかった。養母のひとりはピアノ教室を開いている音楽一家で、もう片方の親は音楽とは関係なかった。

プロのピアニストになったのは音楽とは無関係だった娘で、ピアノ教室で育った娘は音符も読めなかった。なぜかというと、子どもは集団のなかでキャラを選ぶからだという。

音楽とは関係ないところで育った娘は、あるきっかけでピアノの才能に気づき(オルガンをひいて褒められたとか)、自分を目立たせるためにピアノに興味を持った。一方、ピアノ教室で育った娘は周りは才能をもった子ばかりなので、ピアノがちょっとぐらい上手くても目立てない。他のことで目立てるなら音楽をやる意味はないのだ。

集団のなかでキャラがかぶれば、子どもたちはお互いのキャラがかぶらないように役を選ぶ。こうして、子どもは個性を作っていくというのだ。




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2018/07/27 19:19
>takeruさん
コメントありがとうございます^^
頭の良さの遺伝は問題ないんです。スポーツの才能とか音楽の才能とか。貴族の血だから素晴らしいというのも一緒で。でも、反対の頭が悪いとか、運動音痴や音楽音痴とか、反乱者の血はというところも同じように考えないとならないことが「言ってはいけない」部分なのです。
ただ、遺伝がすべてになってしまうのは問題があって、非共有環境をどうやって作るかは課題ですね。
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2018/07/27 19:15
>Lilyさん
集団の中で自分の役割を見つけるのは世界共通なのだそうです。だから、一卵性双生児でも学校が違うと別の才能が開花するみたいです。共有環境よりも非共有環境が違いを作るみたいですね。
遺伝がすべてというと今問題になっている優生保護法のような考えになって危険なのですが、なんでもかんでも教育が大事というのも違っているからじっくり考えないとならない問題ですね。
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2018/07/27 17:48
頭の良さも遺伝すると思うよ。ぼくは普通ですが、頭の良い家系に憧れます。
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2018/07/27 17:37
反社会的遺伝子は96%遺伝する。何の本だったか忘れましたが、過去大きな犯罪を犯した家系の
子孫を調べると、やはり何だかの犯罪を犯しているので、不穏分子は抹殺せよと政府から
命令が下り、闇のハンターが狩るという怖い話を読んだことがあります。

集団の中でキャラがかぶらないように役を選ぶ。自分を目立たせ周囲に認めさせようとする。
一瞬外国の双子の話かと思ったのですが、日本なのですね。
持った才能を開花させるのは、その人の努力と環境がものをいうのですね。
ためになるお話をありがとうございました。







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