Nicotto Town ニコッとタウン

スマホ版あります♪



自作小説サークル8月期小題「鏡」



「鏡」

私は自分の顔をよく知らない。
毎朝、出勤する前に化粧をする時は、パーツしか見ないし、
洗面台で髪を整えている時も、髪しか見ていない。
鏡で自分の顔をちゃんと見たことがないのだ。

それは、子どもの頃、自分のことが嫌いだったから。
母が、私のことを嫌っていたから。

私を見る時、母の顔は変にゆがんだ。
いつも怒られてばかりで、笑顔を向けられたことなどない。
母は美しい女性だった。
私は母には似ておらず、だから母は私を嫌うのだと思っていた。
子どもだったから、事情など知らなかった。
私が父にそっくりで、
母が愛人だったなどということなど。
私が生まれてすぐに、父が亡くなったということなど。

高校を出て、私は家を出た。
とりあえず高校までは行かせてくれたことを、
大人になった今では、感謝をしている。

思い返せば、女友達もいたし、
男子から告白されたこともあったのだから、
私の顔はそれほど不細工ではないのかもしれない。
けれども、私はいまだに鏡で自分の顔を直視できない。

私は、自分がどんな顔をしているのか、知らない。

      著:李緒(natu)




#日記広場:自作小説

アバター
2019/01/10 13:37
皆さま、コメントをありがとうございます。
今年も宜しくお願いいたします。
     -natuー
アバター
2018/09/14 13:13
これは等身大でわかる……
私も母親から「(美人な)私に似ないでお父さんに似ちゃって」……って言われて育ったので
鏡とか写真に映った自分の顔とか、よく見れないというか見たくない感じですねー・ω・;
母親の存在はほんとに大きい。影響ありすぎです。
アバター
2018/09/03 22:29
子供は家庭環境選べないですからね・・・。
アバター
2018/08/12 10:26
7月のつづきですね
ヒロインは心の旅をして
我を知っていくのだろうと思います




Copyright © 2026 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.