自作小説サークル8月期小題「鏡」
- カテゴリ:自作小説
- 2018/08/12 02:09:10
「鏡」
私は自分の顔をよく知らない。
毎朝、出勤する前に化粧をする時は、パーツしか見ないし、
洗面台で髪を整えている時も、髪しか見ていない。
鏡で自分の顔をちゃんと見たことがないのだ。
それは、子どもの頃、自分のことが嫌いだったから。
母が、私のことを嫌っていたから。
私を見る時、母の顔は変にゆがんだ。
いつも怒られてばかりで、笑顔を向けられたことなどない。
母は美しい女性だった。
私は母には似ておらず、だから母は私を嫌うのだと思っていた。
子どもだったから、事情など知らなかった。
私が父にそっくりで、
母が愛人だったなどということなど。
私が生まれてすぐに、父が亡くなったということなど。
高校を出て、私は家を出た。
とりあえず高校までは行かせてくれたことを、
大人になった今では、感謝をしている。
思い返せば、女友達もいたし、
男子から告白されたこともあったのだから、
私の顔はそれほど不細工ではないのかもしれない。
けれども、私はいまだに鏡で自分の顔を直視できない。
私は、自分がどんな顔をしているのか、知らない。
著:李緒(natu)
























今年も宜しくお願いいたします。
-natuー
私も母親から「(美人な)私に似ないでお父さんに似ちゃって」……って言われて育ったので
鏡とか写真に映った自分の顔とか、よく見れないというか見たくない感じですねー・ω・;
母親の存在はほんとに大きい。影響ありすぎです。
ヒロインは心の旅をして
我を知っていくのだろうと思います