Nicotto Town


まったり時間。


【お話】妖精とクローバーの花

森でひとり、クローバーの花を集めた。昔聞いた、妖精たちの歌声への思い出として。

もらったステキコーデ♪:7


むかし、妖精の歌声を聞いたことがある。

今よりずっと、小さかったころ。

ひとり森に迷い込んで、泣きそうになって、

座っていたら、かすかに。なぐさめるように。

歌声が聞こえた。

その声を聴いて、じっとしていたら、

探しに来た大人に見つけてもらった。戻ったら、しかられた。

次の日、もう一度森に入って、

子どもなりに考えて、クローバーで花かんむりをつくって、置いて来た。

ありがとう、の言葉とともに。

今は、何も聞こえない。

わたしが大きくなりすぎたからだろうか。

それとも、あの記憶は、

ただの、さびしい子どもが夢想した、幻にすぎなかったのか……。

明日には、魔物を討伐する任務に戻らなければ。

でも今は。

かつて、ここで出会った歌声のために、

クローバーの花を集めよう。

少しの夢と、愛と。感謝と共に。

子どもだった自分の、やわらかな心は、ここに置いていく。

この先、ここに来ることがまた、あるかどうかはわからない。

でも、この森があるということが、

きっと自分を支えるだろう。

ここには美しい歌声があって、

子どもだった自分の一部も、ここにいる。決して消えない。

そう、信じて、

戦いの続く日常に、戻ろう……。

***


ちょっと殺伐とした設定。孤児院育ちの魔物退治人。


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2018/10/10 17:11
いつもしのさんの素敵な世界観には惚れ惚れしています^^
いつも素敵なお話しありがとうございます^^
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2018/10/10 14:05
>みるくさん

それっぽい感じw 森はいつでも、不思議をはぐくむ。ということで。
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2018/10/08 02:42
なんかアイルランドの妖精のお話しにありそうですね^^




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