Nicotto Town



不平等は限りなくアップデートを加速するってこと

2018年の世界のお金持ちランキングのトップは、amazon共同創設者でCEOのジェフ・ベゾフ氏の1120億ドル(約12兆円)。2位はマイクロソフト共同創設者で会長のビル・ゲイツ氏の900億ドル。3位は世界最大の投資持株会社バークシャー・ハサウェイ会長兼最高経営責任者のウォーレン・バフェット氏で840億ドル。

ちなみに日本人1位はソフトバンクグループ創設者の孫正義氏で227億ドル(約2兆5400億円)、ZOZOタウンの前澤友作氏は約2830億円。

日本人の生涯賃金は平均で2億円とも3億円とも言われているけれども、正社員で新卒から定年まで真面目に働き続けることを前提としていて、派遣社員とかフリーターではここまで稼ぐことができない。

小さい頃から一所懸命に勉強して一流大学を出て大手企業に入って定年まで勤め上げても3億円。うまく出世すればさらにプラスだけど、起業して成功した社長にはかなわないし、芸能人で売れるともっともっと稼げる。もちろん、一か八かで仕事がなくてずっと底辺をさまようこともあるわけだけれども。

「ホモ・デウス」上下巻 ユヴァル・ノア・ハラリ著 柴田裕之訳

”第一に、医学は途方もない概念的大変革を経験している。二〇世紀の医学は、人を治すことを目指していた。だが、二一世紀の医学は、健康な人をアップグレードすることに、しだいに狙いを定めつつある。病人を治すのは平等主義の事業だった。誰もが享受でき、また享受するべき心身の健康の標準的な基準があることを前提にしていたからだ。もし誰かがその基準を下回ったら、その問題を解決し、その人を「他の誰とも同じ」になるのを助けるのが医師の仕事だった。それに対して、健康な人をアップグレードするのはエリート主義の事業だ。万人に当てはまる普遍的基準という考え方を退け、一部の人を他の人よりも優位に立たせようとするからだ。人々は卓越した記憶力や、平均以上の知能、最高級の性的能力を望む。もしあるアップグレードがとても安価で一般的になり、誰もがそれを享受し始めたら、それはたんに、新たな基本水準と見なされ、次世代の処置は、それを上回ろうとするだろう。”

つまり、投資をどうするかって問題で、お金を持っている投資家たちは何億もの貧しい人たちの健康を維持するためではなく、何百万の豊かで新しいことを産み出せる超人たちに投資する方が効率的だと考えている。

今事務職が減少しているのは、事務方と呼ばれる社員たちをAIに置き換えたほうが効率的で生産性があがると考えられているからだ。今はうまく働かなくても、いずれ学習をしたAIが会社の経済機能をすべて飲み込んでしまう。数字至上主義となって落ちこぼれる社員は投資対象から外れて、振り落とされる。

投資家にとって豊かな人たちと貧しい人たちは平等ではない。彼らに富をもたらせる人間だけが、投資の対象として恩恵を被れることができる。

今はそういう世界に向かっているんだよ。





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