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AIとビッグデータが社会を支配する?

学校の成績がよくて、資格も持っていて、健康でコミュニケーションスキルも問題ないのに、就職活動をするとなぜか二次試験にも進めない。ってことに心当たりはない? 筆記試験と適性試験を受けたら決まって次のステージに進めないなんてことは? そこにはAIによる審査が影響しているかもしれないってお話。

「あなたを支配し、社会を破壊するAI・ビッグデータの罠」キャシー・オニール著 久保尚子訳によると。

”数年前のこと、カイル・ベームという名の若者がバンダービルト大学を休学した。双極性障害を患い、治療を受ける必要があったのだ。1年半後、健康を取り戻したカイルは、別の大学で勉強を再開した。そして、ちょうどその頃、友人から大手スーパーマーケットのクローガーでパートタイムの仕事に空きがあると聞いた。スーパーマーケットの仕事としては最低賃金の職だったが、手堅いように思えた。パートを辞めるその友人が、自分の後任としてカイルの身元保証をしてくれると言う。カイルは成績優秀な学生だったので、応募すればすぐに採用されるものと思われた。
 ところが、カイルは面接に呼ばれなかった。どうなってるのか友人に尋ねると、応募の際に受けた適性検査の判定で「赤信号」が出たのだという。その適性検査は、ボストン郊外に古典を置くワークフォース管理会社【人事管理サービスを提供する会社】のクロノスが開発した従業員選抜プログラムの一部として実施されたものだった。カイルはこの顛末を父親に話した。弁護士をしている父ローランドが適性検査の内容について尋ねると、カイルは、病院で受けた「性格特性5因子モデル」の検査にとてもよく似ていたと答えた。個人の特性を、外向性、協調性、誠実性、情緒不安定性、知的開放性に分けて評価しようとするものだ。
 当初は、疑問の余地のある検査の判定を理由に最低賃金の仕事を1つ失っただけのことが、どれほどの影響力をもつのか、想像もしていなかった。ローランド・ベームは息子に、どこか別のところに応募するように進めた。ところが、毎回、結果は同じだった。カイルが応募した会社はどこも同じ適性検査を使用していて、どこからも採用の連絡は来なかった。ローランドは当時を振り返って次のように言った。「カイルが私に言うのです。自分は大学進学適性試験(SAT)の点数もほぼ満点だし、ほんの数年前にはバンダービルト大学に在籍していたのに、最低賃金のパート職にさえ就けないなんて、いったい僕のどこがいけないのか、と。私は息子に、お前はどこも悪くない、と答えました」
 そうは言っても、ローランド・ベームは困惑した。どうやらメンタルヘルスにかかわる質問のせいで、息子が就職市場から追放されようとしているように思えたからだ。彼は、この件について詳しく調べた。すると、大手企業のあいだで採用時の適性検査の使用が広まっていることがわかった。しかも、この慣習に対する法的な異議申し立てはほとんどされていなかった。彼の説明によると、求人に応募して「赤信号」を出された人は、適性検査の結果のせいで不採用になったことに滅多に気づかない。たとえ気づいたとしても、弁護士に相談する人の割合は低い。
 ベームは、シューズ・ショップのフィニッシュライン社、ホームセンターのホームデポ社、スーパーマーケットのクローガー社、住宅リフォーム・生活家電チェーンのロウズ社、ペットショップのペットスマート社、薬局チェーンのウォルグリーン社、ファーストフードのヤム・ブラウン社の7社に対し、応募に際して適性検査を受けさせるのは遺法である旨を申し立てる集団訴訟を起こすつもりだと知らせる通告書を送付した。”

この裁判の結果はまだ出ていないが、この選抜はなにが問題なのか。ちなみにバンダービルト大学はアメリカ南部ではトップクラスの大学で全米でも20位以内にかならず入る名門。

アメリカの就職は誰と知り合いなのかというコネが優先されていて、身内にあまく、余所者には厳しかった。白人の男性は就職が有利だが、黒人だと試験も受けられない。ってことも多かった。しかし、差別にあたるとしてアメリカの履歴書は写真も生年月日も性別も結婚歴も家族構成も書く欄がない。職歴、学歴、連絡先、名前があればいい。とはいえ、面接で会うと人種なり性別なりわかってしまうため、適性検査が行われたりカーテンで目隠ししてブラインドで職能試験(楽器の演奏など)が行われている。

だから、適性検査はいっしょに働ける仲間かどうかの判断で使われているのだが。実際に能力とは関係なく会うこともなく落とされるのはどうなのか。

アメリカで問題になっているのは適性検査が、法律で禁止されている採用時における健康診断に当たるかなのだ。

健康診断かどうかは別問題としても、能力とは別のところで判断されるのは変ではある。ただ、今の日本でこの適性検査を免許の取得時に行ったら危険運転とかあおり運転をするドライバーはほぼ免許を手にすることができなくなるだろうね。

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2019/04/06 15:09
>でかパンダさん
運転免許は取ってしまうとずっと返納しないでってことになってますね。
認知症のリスクがあるからって更新しないようにすると、田舎で車がないと死活問題とか、権利を奪ったって大騒ぎになって、事故を起こすと自分は悪くないってなります。
ヨーロッパだとライセンスなので技術が一定水準に達しなくなったら返納ですが、日本では永久の権利みたいな感じですね。

事故が起こって免許を制限すると経済がって言い出すところが変だって思っています。
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2019/04/05 23:49
kiriさん

今の日本では、誰かさんの友達にさえなれば、どんな運転しようと免許は、取れると思いますが、きのせいでしょうか?
免許は、アメリカのように運転できないと、免許証を与えなければよいのに、日本は、できなくてもゴールドですね。
なにかおかしいです。

関係無い話ですが、私の父が免許取ったときは、東京中を丸一日運転して、3台のクルマしか出会わなかったと言ってました。
前に進んだ分だけ、パックするのが試験で、それができたら、すぐ免許をくれたと言ってましたよ。
まだ、新宿が田畑だけの度田舎のころです。




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