Nicotto Town


タウン生活いろいろ


たまには、のんびり詩など④


このひと 室生犀星

このひとに何か言ひ寄られたら
どんなふうに避(さ)けようか知ら

ことわり兼(か)ねる気もするし
ことわらずにはゐられないのだもの

ただ おねがいです

このひとが何もいはないでくれますやう
この人に恥(はぢ)をかかせたくないのです

馬のようにさびしい男



この詩の登場人物は女性と男性ですよね。
一応形態は、女性側からの気持ちを綴っている形です。

自分に好意を持ってくれている男性がいる。
告白はされてないけど、なんとなく彼の気持ちはわかっている。
<もし告白されちゃったら>
NOって言うのもちょっとだけど、
でも、君には恋の気持ちはないしなあ~
お願いだから、好きとか言うなよ、言うなよ、
気まずくなるのやだかんね~

と言った感じでしょうか?^^;
いやいや、まだ告られてもいないのに、勘違いして
先走ってるのは?
んなこと考えてるってばれたら、
「え、君のこと好きとか考えたことないし」と言われるかもしれない。

でもこの詩を実際に書いたのは、男である犀星です。

これは、犀星に実際好きな人がいて、
「もし俺が彼女に告ったら、たぶん断られるな。
彼女の俺への好意は、LOVEではなく、友情止まりだな」と
想像して書いた詩かもしれません。

それとも、
「もし男と女としての愛がなくても、『馬のようにさみしい男』と
俺を理解してくれ。いや理解してくれているのは君だけだ」と
めっちゃ回りくどいラブレターかもしれない。

いやいやいや、彼は結構もてる人だったから、
自分に好意を寄せている女性がいて、
キラキラの目で見つめられているんだけど、
彼には全くその気がなく、
でも本当に優しい人だから、
「待て待て待て。好きとか言うなよ。俺、応えられないから。
女性に恥、かかせるの嫌だからね」という警告詩?

なんだかいろいろ想像が広がって、楽しいです。

#日記広場:小説/詩




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