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江戸は怨霊慰撫の街って知ってた? その15

庚申御遊とか庚申待ちとか、60日に一度巡ってくる庚申の日に、体の中にいる三尸の虫が天帝に宿主の人間の罪悪を報告するのを防ぐため、みんなで集まって夜明かしをした。

だけど、庚申ってなんだろうね。

陰陽五行説で、庚申はかのえ(陽の金)、さる(陽の金)で同じ物が重なる日となっている。

「QED 神楽坂の春」高田崇史著によると。

”朝廷に虐げられて孤立してしまった大人(ウシ)は、悲憤のうちに滅ぼされ、私語は妖怪まがいの牛鬼にまで貶められた。その最たる者が、ウシロラの金神と呼ばれ、穢れ多き存在として、王権がつねに畏怖してきた午頭天王ーつまり素戔嗚尊だったのじゃよ。
その『金神』こそ『庚申』じゃないか。
ここで猿は、庚申様や日吉山王の使神とされとる。つまり、この庚申に騙られとるのは、庚申ーかのえー金の兄ーカネの兄貴分であるサルーつまり山人なんじゃ。そしてまたここで日吉の日を『火』と考え、『吉ーえ』を『栄』と解すれば、まさにこれは『燃えさかる火』じゃ。そして、タタラで『燃えさかる火』を司っていた山人こそ『墨坂』と呼ばれていた者じゃ。”

『墨坂』とはタタラ製鉄で炉の中に木炭や砂鉄を投げ入れる役目の炭坂のことで、製鉄工程では重要な役目をする。

”『日本書紀』にも登場する、神武天皇の行く手を塞いで戦った神のことじゃ。そのために彼は、道を塞ぐ神ー『塞の神』と呼ばれた。”

墨坂は現在の奈良県宇陀市にある墨坂神社付近での戦いで、神武軍は兄磯城、弟磯城と対峙したとき、弟は恭順したが兄は反抗したため、椎根津彦の策略で墨坂で迎え撃つ敵軍の火を宇陀川の水で消してしまったという。塞の神は道祖神のことになる。

”そしてこちらの『庚申様』は、猿田彦ともいわれとる。
彼は燈穂、瓊瓊杵尊の行く手を塞いだが、その後尊にくだって道先案内を務めた。しかし結局は天鈿女命に殺されてしまう。そしてこの猿田彦こそ『塞の神』であり『道祖神』であり『庚申様』であるというわけじゃ。つまり、全部ひっくるめて『サダ彦』ということなんじゃ。
磋蛇彦ーつまり、躓いて進めぬ神、という意味じゃな。
不遇で志を得られぬという意味が込められておる。またこtこで『サルタ』は音便で『サンタ』となるじゃろう。では『三太』にはどんな意味があったのかといえば、愚鈍で間抜けな男の呼称で、かつては犬にチンチンをさせる時に『三太しろ!』などと命じていたもんじゃ。ここから派生した、忍従を強要する言葉として『三べん回ってワンと言え』という侮蔑の命令があるな。そして一方、その三太を足の下に踏みつけているのが青面金剛、あるいは帝釈天じゃ。そこで三太は『何も見ていません、何も聞いていません、何も喋りません』と誓わされた。これが『三猿』の元々の姿だった。ちなみに盗人用語で『庚申さん』といえば、それは数珠つなぎに縄打たれた罪人』のことだったというからの。”

庚申は徹底的に貶められた製鉄民たちのことで、庚申の夜に男女が情を交わすと生まれてくる子どもが男なら盗人に、女なら淫乱になると言われていた。

江戸川柳では

こらへ性なく盗人をはらむなり

庚申の三つの他にせざるあり

などと詠まれていた。

もちろん当時から庚申ってどんなことがあるか分かっていたんだね。

三猿といえば日光東照宮。

つづく。

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2019/08/14 19:20
>ゆりかさん
こんばんは^^
三遍回るには「あなたは死んでいます」という意味もあって、今でもお葬式のときにお棺を三度回すところもあります。
テレビで放送されていたのは太宰府と日光ですね。
太宰府の時も日光の時も本当のことはいえないから騙りでどうやってごまかすかなあって思って楽しく見ていました。
日光は確かめなければならないことがあるので夏休みが終わった頃に行ってみようと思っています^^
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2019/08/13 20:55
こんばんは、kiriさん。

三べん回ってワンには、そんな由来があったのですね。
全然知りませんでした~(;>_<;)

先日、TVで日光東照宮の特集をしてて、行ってみたいなぁと思いました。
その前に、ぜひ三猿の由来も聞きたい所です。
わくわくして、続きも読ませて頂きますね(*^-^)




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