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いだてん~東京オリムピック噺~ 感想文

いだてん~東京オリムピック噺~ 第38回「長いお別れ」
NHK 日曜夜8時~
▼リンク
今回は、思わぬ形で嘉納の遺志を継ぐことになってしまった田畑が、
オリンピック開催に向けて何とかあがこうとするも、IOC委員の副島が開催国を返上、
時代は世界大戦に突入し、結局1940年のオリンピックは開催されなかったお話と、
目的を見失った小松が東京に留まり、りくと結婚、子供も産まれましたが
学徒動員で満州に赴くことになったお話でした。
やっぱり五りんの父親は小松だったんですね。
本名は小松金治(きんじ)。
金栗と治五郎から一文字ずつもらったようです。
ただ小松もりくも五りんも恐らく、実在の人物をモデルにしているわけではないと思います。
小松に関してはそれに近い人物はいるようですが、四三の弟子というわけではなさそう。
このあたりのエピソードは、語り手である志ん生ファミリーと、
主人公たちを結びつけるリンクのようなものだと思って見た方がいいかもしれません。

▼返上
嘉納の死後、遺品の動いているストップウォッチを受け取った田畑は、
自分が日本でのオリンピック開催のバトンを渡されたような気持ちになり、
それまでは開催に反対していたのですが、また賛成に逆戻りします。
ただ彼としては、こんな日本でオリンピックなんかできるわけないじゃんねぇ
というのが正直な気持ちだったでしょうから、いつものような押しの強さがありません。
結局、他国でオリンピック開催ができるギリギリの2年前、副島は返上を決めました。
神宮で開くならまだ可能性はあったと思いますが(参加国は限られますが)、
新しい競技場を建設、しかも鉄は使えないから木材とか、不可能にもほどがありますよね。
結局軍部はそうやって高圧的な態度で関わることで、戦争の役に立ちそうにもない
オリンピックの開催を、やめさせたがっていたということでしょうか。
この時代の日本は、本当に狂っていましたよね。
若者から働き盛りの男性を戦場で殺し、残った国民を規則でがんじがらめに縛り上げ、
飢えさせた挙句、本当に戦争に勝てると思っていたのでしょうか。
そんな時アメリカの子供たちは、総天然色のアニメを映画館に見に行ってたんですよ。
かなうはずないじゃんねぇ。

▼学徒動員
目的を見失ってしまった四三は、小松を熊本に帰そうと考えますが、
小松はりくに求婚、東京に留まり、とんとん拍子に事が進み、結婚後子供も産まれます。
これが五りんなわけですが、まだ五りんが赤ん坊の頃、小松は徴兵されてしまいます。
というか学徒動員ですから、小松って学生だったのですねw
学生なのに結婚して子供まで生まれたのか…。
まぁ今でもたまにそういう人いますけど、家計はりくが支えていたのかなw
これが昭和18年頃のことですから、イタリアが降伏し、敗戦の色が濃くなってきた時期で、
日本もなりふり構わず国民や兵士の命を軽んじるようになってきた頃ですよね。
その頃の日本では、軍部に逆らうどころかちょっとでも戦争を否定するようなことを言うと、
非国民と言われすぐにチクられるような時代だったので、
表向きには出征を祝っていましたが、どのくらいの人が本当に祝っていたのでしょうか。
小松が出征する時、周囲の人々は皆万歳を叫んでいましたが、
ドラマでは本当に万歳だと思っている人なんて、1人もいなさそうでしたよね。
軍部に統制されたマスコミは、悪いことはひとつも報道せず、いいことばかり強調して報道、
国民にがんばればそのうち日本は勝てるという印象を与えていたようですが、
その報道を頭から信じている人はどのくらいいたのか、
さすがにその時代に生きていたわけではないので、想像するしかないですね。
小松が学徒動員で行進しているシーン、実際に残っている映像に恐らくAIで色をつけたものと、
改めて撮影した映像とをうまく配置して、当時の雰囲気を出していたのが印象的でした。

▼懐かしの満州
これは満州の記録映像資料集のことで、創作品ではなさそうです。
ただしそんなに有名なものではなく、検索すると1ページ目に
「いだてん」のページまでヒットしますw
今回の大河を作るにあたり、クドカンが参考資料として見たのでしょうか。
次回は志ん生が満州に行き、小松と交流したエピソードから、終戦までが描かれるようです。
この時期の話は本当に笑いには結びつかないし、第一オリンピックとは関係ないので、
早めに終わってほしいものです…。




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