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将門って本当はどんな人だったの? その25

桔梗は古来漢方薬の材料として広く使われてきた。
咳を止める、痰をとる、膿を出すなどの効能があり、桔梗湯は咽の痛みをとる効果があり葛根湯と併用することで、風邪を抑える効果がある。

「QED 御霊将門」高田崇史著によると。

”桔梗は、キキョウ科キキョウ属の多年草だ。『神農本草経』では、白薬、梗草、薺苨となっている。但しこの薺苨ー甜桔梗は、キキョウ科ではあるものの、別物らしい。昔からずっと、混同されていたという。古くはアリノヒフキー阿里乃比布木とか、オカトトキと呼ばれていて、漢字が入ってきてから、桔梗の文字を当てたと考えられているんだ。その漢名の『桔梗』を、日本で『ききゃう』や『きちかう』と呼んだために、この名があるといわれている。実際に『古今和歌集』巻第十、物名『きちかうの花』という紀友則の歌がある。

秋近う野はなりにけり白露の置ける草葉も色変わりゆく

野は近くなってきた。白露の置いている草葉も色が変わってゆく、という歌の中に『秋近う野はなりにけり』ー『(あ)きちかうのはな(りにけり)』と詠み込んでいる。なお桔梗は、古くはアサガオと呼ばれていて、『万葉集』に登場するアサガオは、実は桔梗だろうといわれている。たとえば、『巻第八』にはー

萩の花尾花葛花瞿麦の花女郎花また藤袴朝貌の花

という、秋の七草を詠んだ山上憶良の歌が、そして『巻第十』や『巻第十四』には、

朝顔は朝露負ひて咲くといへど夕影にこそ咲きまさりけれ

展転び恋ひは死ぬともいちしろく色には出でじ朝貌の花

言に出でて言はばゆゆしみ朝貌の秀には咲き出ぬ恋もするかも

わが愛妻は離くれど朝顔の年さへこごと吾は離かるがへ

などの歌が載っている。
それほど昔から、我々にはなじみの深い草木だったんだ。というのも実は、桔梗はその根が非常に尊ばれた生薬だったからね。”

桔梗根は薬として本当に貴重だった。だから、将門が桔梗をぞんざいに扱うわけはなかったのだ。

つづく。

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2020/01/20 19:00
>ゆりかさん
こんばんは^^
桔梗湯は漢方では基本ですよね。桔梗と甘草を調合した喉の痛みによく効く薬で、葛根湯と一緒に飲むと風邪の諸症状の緩和にはいいと聞きました。
桔梗紋が不吉なモノとなった桔梗前、明智光秀と結果だけの話なのできちんと誤解は解けた方がよいですよね。
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2020/01/18 13:11
こんにちは、kiriさん。

その23から読ませて頂きました。
桔梗前、本当は将門のことを思っていたのに、裏切ったような言い伝えが残ってしまい…そちらのほうが本当だとしたら無念ですね。
え?母親だった説もあるのですか??桔梗前、謎の人物ですね~。

「桔梗あれども花咲くな」うーん、どういう意味なのでしょう。
私、喉が弱いので桔梗湯は飲んでいましたが、その由来は全然知りませんでした。
これから謎が解けるのを楽しみに、次回をお待ちしております(*^-^)




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