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将門って本当はどんな人だったの? その26

桔梗の根はサポニンを多く含み、界面活性作用を利用した去痰薬として広く使われている。去痰の他にも鎮咳、鎮痛、鎮静、解熱作用があるとされている。喉が痛いときに飲むと効果がある桔梗と甘草を調合した桔梗湯、桔梗と石膏を調合した桔梗石膏などがよく使われている。

「QED 御霊将門」高田崇史著によると。

”その薬用としては『肺に入り、熱を瀉し、痰を除き、咳を治し、頭目を清め、咽頭を利し、滞気を散ず』『肺気を清くし、咽喉の通りを良くし、甘草と一緒に体内を巡ると、舟楫の役割を演じる剤となる』などとあるように、これらの薬効は、去痰、排膿、気管の分泌促進、鎮咳、鎮静、鎮痛、解熱、抗炎症作用など、多岐にわたっている。その応用として、扁桃炎、咽頭炎などで発熱しても他の表証がないものにも使用される。
『桔梗湯』ーこれは桔梗と甘草を合わせて「甘草湯証にして腫膿有り、或いは粘痰を吐する者を治す』という薬だ。その他にも桔梗は多く用いられていて、防風通聖散・駆風解毒湯・荊芥連翹湯・五積散・小柴胡湯加桔梗石膏・十味敗毒湯・清肺湯・排膿散・響声破笛丸など、数え上げればきりがないほどだ。
『延喜式巻三十七』の『典薬寮』を見ても分かるように、常陸国と下総国は、この桔梗根の名産地として名高かったんだ。しかもこの根は、飢饉の時の非常食にもなった。”

桔梗は坂東の民を救う素晴らしい草木だった。だから、坂東に生きる平将門がぞんざいに扱うはずはない。そして、その桔梗根を良質なものにするには花が蕾のうちに切り落とす必要があった。花に栄養が行ってしまっては根が細くなってしまうからだ。

つづく。





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