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能力主義が平等になる理由 その1

人間の能力はひとつの物差しだけではかれるものではない。現実社会にはいろんな職業があり、それぞれに違った価値があって、知能が高くて数学的能力が高いからといって、運動能力や音楽能力が高いとはかぎらない。

「残酷な世界で生き延びるたったひとつの方法」橘玲著によると。

ハワード・ガードナー(アメリカの認知心理学者で教育学の大家)は、子どもたちはそれぞれいいところを持っていることについて、「多重知能の論理」と名づけた。こころはさまざまな部品が組み合わせてできていて、それぞれがお互いに影響しあっている。

”ガードナーは人間に固有の八つの知能と一つの候補を挙げている。
①言語的知能:言葉への感受性(詩人、小説家)。目的を達成する際に言語を用いる能力(政治家)。
②論理数学的知能:問題を論理的に分析したり、数学的に処理する能力(科学者、コンサルタント)
③音楽的知能:音楽的パターンを取り扱う能力(音楽家)
④身体運動的知能:問題解決のために身体を使う能力(運動選手、外科医、技術者)
⑤空間的知能:広い空間のパターンを認識して操作する能力(パイロット、建築家)
⑥博物的知能:世界を分類して理解する能力(博物学者)
⑦対人的知能:他人の意図や欲求を理解する能力(教師、セールスマン、俳優、宗教家)
⑧内省的知能:自分自身を理解し、自分の生活を効果的に統制する能力
⑨実存的知能:宗教的・神秘的体験を位置づける能力(宗教家、芸術家)、暫定的に提案された”

人はこれらの能力を生まれながらにもっていて、それぞれに得手不得手があって、無意識のうちに得意なものを伸ばして仲間内で目立とうとしている。

遺伝子は自分のコピーを残すように設計されているから、すべての生き物は異性を引き付けて子孫を残すようにできている(性的マイノリティも実はこの遺伝子戦略に組みこまれている)。だから、友だちの中で人気者となるためには、仲間と被らないように自分の得意なものを磨いていくしかない。

勉強が得意ならば勉強を頑張り、野球で活躍できるなら野球に情熱を燃やし、音楽が好きなら楽器や歌を一生懸命に練習する。そうすればみんな得意なことで生活ができてハッピーになるわけではない。現実の社会はそんなにあまくない。

つづく。






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