能力主義が平等になる理由 その10
- カテゴリ:仕事
- 2020/07/02 16:12:35
グローバルな能力主義の社会において、生き延びるためには好きなことを仕事にするしかない。お金を稼ぐためには仕事につくしかなく、仕事は能力によってクリエイティブクラスとマックジョブに二極化する。クリエイティブクラスは独創的なアイディアと高度な知識を使って世界でビジネスを興し、マックジョブはルーティン化された環境で単純な作業を繰り返す。富は当然、クリエイティブクラスへ吸い上げられるが、どんなに頑張ったとしてもすべての人がクリエイティブクラスになれるわけではない。
株式投資で大金をつかんだり、宝くじが当たったりするのと同じレベルで、数学の問題がすらすら解けたり、英語がペラペラになったり、ベストセラー作家になるのには無理がある。株式も宝くじも勉強も参加した全員に同等にチャンスがあるが、同等に当たるとは限らない。毎日5時間も6時間も数式を解いたり、英語のレッスンをしたりできないから現状なのだから。
「残酷な世界を生き延びるたったひとつの方法」橘玲著によると。
”好きなことを仕事にすれば成功できる。これは現代社会の最強のイデオロギーで、反論はもちろん揶揄することすら許されない。そして驚くべきことに、ほとんどの場合この宣託は正しい。嫌いなことをガマンして頑張るなんてことは、それこそ特別な能力のあるごく一部のひとにしかできないからだ。”
”向いていることは好きなこと。だったらそれがなんであれ、好きなことの「専門家」になればいいのだ。
この「神話」がぼくたちを魅了するのは、能力主義の残酷な罠から抜け出す道を示してくれるからだ。
すべてのひとが医者や弁護士になれるわけではないとしても、そもそも世の中に医者と弁護士しかいなかったらみんな困るだろう。トマトの栽培から靴の修理まで、いろんな仕事を「専門」にするたくさんのひとがいるから世の中は回っていく。この市場の多様性は、国家が意図してつくりあげたものではなく、自生的に生まれてきた。なぜなら、みんな好きなことがちがうから。”
たったひとつ問題があって、それは「好きなこと」が高く評価されるとは限らないことで、うまく行かなければ退屈なマックジョブへ戻るしかないのだ。夢を追いかけて生活するか、それとも夢を見ながらマックジョブを続けるか。
”ジャイアンはプロ野球選手を目指したが、どこからも指名してもらえなかった。シズカちゃんは音楽学校を卒業したものの、コンクールで賞を取ることができなかった。何年かして、二人は偶然、高級住宅地の喫茶店で再会した。
ジャイアンは少年野球チームのコーチとして、子どもたちの指導をしていた。シズカちゃんはホームパーティーに呼ばれて、ピアノを弾いていた。
二人が幸福だったのかどうか、ぼくにはわからない。でも彼らは、「好き」を仕事にして、この残酷な世界を生き延びていたのだ。”
能力主義が平等なのは、先天的な能力だけでは評価されないところで、好きなことで得意なことをいくらでも伸ばせることにある。もし、生まれ育ちで仕事が決まっているなら、国籍で給料が決まってしまっていたら、ホントに希望がない世の中になってしまうからね。
こんばんは^^コメントありがとうございます。
好きなことをとことん伸ばして専門家になってお金を稼げるのならそれは幸せですね。
好きなことがお金にならないという問題もあって、お金に換える方法が分からないって問題もあって、むずかしいことなんですが。
たとえ給料は少なくても、なんとか生活できれば、多くを望まなければ。
「いろんな仕事を専門にするたくさんの人がいるから世の中は回っていく。・・・みんな好きなことは違うから」を読んでなるほどと思いました。