恋はストーカー 7
- カテゴリ:自作小説
- 2009/10/13 09:13:05
夏の蝉がうるさく鳴いていた。
ぎらついた太陽が、蝉たちを興奮へと導くのか蝉は大声で鳴き続け街の音を消していた。
蝉のメスを求めるオスの叫びは、私の気持ちをいらださせていた。
そのいらだちが私をさらにいらだたせ、この心の動揺のスパイラルが蝉の鳴き声のように、私の頭を完全に他のものを受け入れない状態にしていた。
私(俺)は彼女を見失った駅前のタクシー乗り場の近くにいた。
彼女(獲物)は、今日も仕事でタクシーに乗るはずだ。
俺は50ccのバイクの太陽で焼けて熱いシートに、手にフルェースのヘルメットを持ち横向きに座り獲物がタクシー乗り場に表れるのを待っていた。
脚は小刻みに貧乏揺すりを繰り返していた。
俺の考えはこうだ。
獲物はチャットの仕事をするためにマンションを借りている。
主婦だと紹介されていたから旦那と近所の手前があるのだろう。
獲物は普通の仕事だと言って家を抜け出し、マンションでないしょのチャットの仕事をしている。
獲物は必ずここに表れると俺は確信していた。
俺は獲物の秘密を探ることによって獲物の非日常を知ることができ、これからの計画が有利に進むと思っていた。
タクシー乗り場では、客待ちの運転手が暇そうにしていた。
この時間バスがあるのでタクシーを利用する人間は少ない。
駅の改札を出た人間の多くは、歩道橋をまっすぐに進み商店街へと消えていく。
俺は上りの電車が駅に付くたびに、改札から流れ出てくる人の中に獲物の姿を追ったが見つけることができなかった。
夏の暑さが俺の脳をジリジリと麻痺させていた。
昨日のチャットの画面の獲物の豊満な裸体が頭に浮かぶ。
チャットガールは「脱げ」と言えば脱いでくれるし、「見せろ」と言えば見せてくれる。
「恥ずかしいからイヤ」という言葉のいらない世界だ。
バーチャルの世界では、非日常があたりまえでリアルをだせば興醒めしてしまう。
俺はリアルの世界での女の服従を求めているのかもしれない。
リアルの世界で獲物が命令に服従して服を脱いでいく姿を頭に描きながら、俺は蝉のように鳴きたかった。
獲物が昨日乗っていた時間の電車はとっくに行ってしまっていた。
「今日がダメなのか、それとも昨日は偶然だったのか」
俺の頭に二つの考えが浮かんでいた。
「もう少し待とう」
俺は腹を空かしたハイエナのように、獲物が食べつくされた残骸を待つことにした。
木の日陰にいても着ているティーシャツには、汗がにじんでいた。
少しの時を於いて、上りの普通電車がホームに到着した。
「これで、今日は最後にしよう」
俺は暑さと振る舞いにまいってしまい、ほとんどあきらめてしまっていた。
ただここに居るだけでは不審者に思われてしまので、誰かを待っていかのように振舞うために、時計を見たりきょろきょろしたりいろいろの演技をしていた。
しかし、その演技も限界に近かった。
ここに居る時間が長すぎたからだ。
俺は、まいって消えかけた最後の精神力をタクシー乗り場に続く階段に集中していた。
一人の女がタクシー乗り場に続く階段を降りてくる姿が見えた。
「もしかして」
俺は期待を込めて階段を降りる女をするどい視線で追った。
女がサングラスを掛けているという事だけで、俺の心臓は高鳴り、緊張という名の精神活動が俺の体の筋肉を強張らせた。
俺はフルフェースのヘルメットを素早くかぶり、震える手でヘルメットのあご紐をとめた。
ヘルメットのシールドを上げバイクにまたがり、セルボタンを押しエンジンをかけいつでも発進できる状態にして女の姿を視線で追った。
女がタクシー乗り場に近づいたのを確認した俺は、バイクを道路に出しいつでも追跡できるようにした。
女は水色のワンピースに白の花柄ストッキングはき、手にはバッグと紙袋を持ち日傘をさしていた。
サングラスと日傘で太陽の光線を避け太陽に当たる時間を少なくしたいのか、急ぎ足でタクシーの方に歩いていた。
髪型は昨日の獲物と同じ髪型だ。
先頭のタクシーが乗りなさいとドアを開けた。
女はタクシー近づきドアの開いた空間でシートの端に横向きに座り日傘をたたむと、外に残した白い両足を体を回転させながらタクシーの中に入れた。
「獲物だ」
俺は女のタクシーの乗り方を見て確信した。
バイクのアクセルを握る手に力が入る。
タクシーはドアを閉めると商店街へと走り出した。
俺もブレーキを握った手をゆるめアクセルを回し、商店街へとタクシーの後を追った。

























そうですね、自分で自分が分からなくなる。
痴呆症みたいです。
「私は誰、蝶々が飛んでいる。アハハハ」
です。
怖いです。
ほんとですね。
男性の狂気、怖いです。
男のゆがんだエネルギーがひとりの女性にすべてそそがれる。
女性にしたら、いい迷惑ですね。
美しい藍姫さんも注意しないとそそがれますよ。
チャットレディは好きなときに仕事できるみたいです。
仕事内容については、大きな声で言うとまずいので小声で
「バーチャッルセックスのお相手です」
聞こえませんでしたか?
良かった。
ヒナさんには関係のない世界ですね。
スイーツマン氏に怒られます。
この乖離が意図的なものから無意識的なものに変わったら怖いですね…。
もっとも、それはあくまでジャンル“ホラー”だったのですが、何だか、
それに近い怖さです。
人の狂気の底を覗いてみたい。
そんな気持ちになる不思議なお話ですねぇ ^^;
BENクーさにほめられた。のかな?
バンザーイです。
いつも応援ありがとう。
ほんと、男女の物語は不思議です。
みなさんのコメントから心の動きや考え方を少し
知ることことができます。
が、架空の世界のできごとでしかありません。
チャットセックスは、自慰行為でセックスしたかのように
想像でカバーします。
本当の肌のぬくもりや肌の感触を知りたいと思うのは
一種のこだわりですね。
こだわりが吉とでるか凶とでるか、お楽しみに。
獲物を待つ野獣のような行動と、暑さにいらいらさせられる心の葛藤がストーカーの底知れる怖さを上手に表現しているところに感心したからです(…とても勉強になりました)!
ってなことでステプ、ポチっとな!
男性は視覚で興奮し・・・
女性は聴覚で興奮する・・・
性って不思議ですね・・・
男性は視覚で興奮を覚え・・・
そうですストーカーです。
女性の裸のとりこになっています。
ゴミゴは獲物をゆするつもりかも。
そして、リアルの裸を。
追跡してつきとめたら何をするつもり・・・
なんか、ワクワクしてきた(^-^)