Nicotto Town



緊急投稿:ジョン・ル・カレ追悼

先日ジョン・ル・カレが亡くなりました。ご冥福をお祈り致します。

ジョン・ル・カレをご存じない方でも、代表作と言われている「寒い国から帰ってきたスパイ」は、タイトルだけでも聞いたことがあるのではないでしょうか。

ル・カレは、世界が認めるエスピオナージの巨匠です。
初めて「寒い国から帰ってきたスパイ」を読んでから、ル・カレの作品はとても気にいていて、ずっと読み続けてきました。
物語の初めは、ちょっと取っ付きにくく、話が複雑に絡み合っていて、全体が漠然としています。が、物語が進むに従って、様々な事柄が徐々につながっていき、最後に話の全貌が見えてくる、といったストーリー展開。

ル・カレの作品の中では、やはりスマイリー物が良いですね。(多くの方が、ジョージ・スマイリーのファンなのではないかと思います。ロシアのプーチン大統領しかり。)
これぞ、リアルスパイだ!と…
アクションも、お色気もありません(あ、もちろん”ハニートラップ”はありますよ。これもル・カレの作った造語ですけど。)。頭脳戦…と言うのでしょうか。こつこと調べ上げていきます。
同じスパイものでも、スマイリーは、ジェームス・ボンドやデレク・フリントとは大違い。小太りのおやじ…ですね。

冷戦が終わって、しばらくはスマイリーからも遠ざかっていましたので、ちょっと寂しかったのですが、数年前刊行された「スパイたちの遺産」で、「寒い国から…」などの事件の裏側が描かれ(スマイリーはちょい役でしかでてきませんが)、以前読んだ本を思い出しながら、久し振りに楽しみました。

また、これも数年前に刊行された「地下道の鳩ージョン・ル・カレ回想録」を読むと、ル・カレの様々な経験や、インタビューが、物語の下地になっていて、実際に起こった出来事と重なっていることを知って、物語のリアリティーを改めて認識しました。

ル・カレの作品は、映画化も多くされています。最近では2011年(最近でもないか…)の「ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ」(邦題は「裏切りのサーカス」)は、役者も良く、良い作品だったと思いましたが、その他数作品しか観ていませんので、機会があれば是非観てみたいと思ってます。ちなみに「寒い国から…」も映画化されてます。白黒ですけど、これも面白いですよ。

今、偶然にもニック・ハーカウェイの本を読んでいるところでした。ニック・ハーカウェイは、ル・カレの息子です。残念ながら、ル・カレには及びませんが…


機会があれば、ル・カレの作品で、エスピオナージの一端を覗いてみてください。
私のお勧めは、スマイリー物です。スマイリーはじめ登場人物はいくつかの作品で重なっており、各物語ごとの時間経過も整合性が取れていますので、刊行順に読むのをお勧めします。もちろん1作1作個別でも十分楽しめますが。

アバター
2020/12/15 22:19
りゅぬさん、
本当に、晩年の、冷戦後の新しい時代にも対応した、
新たな問題を描いて、楽しませて頂きました。
R.I.P.
アバター
2020/12/15 21:21
ミステリっぽい展開を楽しませてもらったし、
人間そのものも描かれて読み応えがあったし、大いに社会情勢の勉強にもなったし、
晩年まで、時代に合わせて常にアップデートしているところは敬服しますし……
「もぐら」や「ハニートラップ」は、世界で通じますもんね。
感謝と哀悼の気持ちでいっぱいです。R.I.P.(-人-)




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