Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


5月8日

 今日もりんごちゃんに会えた。


 昨夜は、母とりんごちゃんで川の字で寝た。りんごちゃんは夜中ずっと低くうなって、何度も起きてうろうろした。がんで内臓が圧迫されているのだろう。苦しい時、呼吸は浅く、早かった。
 水をやたらと飲む。肝腫瘍が進んでいるとそうなるらしいと、ネットで見た。
 うなるたびに、なでて励ました。疲れていたが、寝付かれなかった。
 病気を治してあげられないことがつらい。
 
 まだひとりで歩いてトイレや水飲み場へ行ける。
 今朝、起きた私に大きな声でごはんをねだった。昨日作っておいた鶏がらスープとゆでた鶏むね肉を、父が生前使っていたぐい吞みに入れてあげる。おいしそうにたいらげ、2回おかわりした。
 もっと欲しがったが、胃が膨らんで肝臓にぶつかると苦しいだろうから、ここまでにする。

 食べ終わったあと、食欲がなくて無理に朝食を取る私を寂し気に見ていた。私の食事がすむと、玄関へ行って伏せをし、帰ってこない父を待っている。

 お父さん、もしできるなら、早めにりんごちゃんを迎えにきてほしい。
 その時は、苦しまず眠るように息を引き取ってほしい。私が見ている時に。

 私はずっと、りんごちゃんが死ぬ時一緒に連れて行ってほしいと願っていた。
 でも、その願いは取り消した。りんごちゃんの小さな体に、私の魂は重くて仕方ないだろう。それに、誰にも見送ってもらえないのが、死にゆくものにとって一番つらいじゃないか。

 昨日はいっぱい泣いたけど、これを書いていてまた涙がこぼれた。
 今日は仕事だから、なるべく考えないようにしないと。
 
 りんごちゃんが手遅れになっていたことで自分を責める気持ちはない。
 だって肝臓がんの症状について無知だったのだから。
 私はその時その時、できることをした。だから、残り時間もそうすることにする。

 私がりんごちゃんと一緒に暮らして学んだこと。

 犬のおなかは、固くない。触って固いと思ったら、すぐエコー設備のある動物病院へ行くこと。

 りんごちゃんを下手に転院させたせいで、レントゲンしかない病院に長くかかってしまった。
 肝腫瘍は切り取れば生存率が上がるから、転院させるのではなかったという後悔がある…。りんごちゃんの腫瘍も肝臓のみで、まわりはきれいだった。
 おなかの張りは、便秘だと思って気にしていなかった自分も悪い。年に一度は、エコーで簡単な健康診断をしたほうがいい。

 
 玄関から戻ってきたりんごちゃんは、定位置であるこたつ布団の片隅で眠っている。今は苦しくなさそうだ。
 どうかこのまま、穏やかにすごしてほしいと願う。
 




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