Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


5月10日

 今日もりんごちゃんに会えた。


 昨日はさほど痛がる様子もなく、おやつを見せたら元気に吠えて、いつも通りのりんごちゃんだった。
 足も声もしっかりしている。
 でも、体を触ると、ごつごつと背骨やあばらが浮いているのがわかる。
 後頭部の下の首の付け根に、小さなしこりを見つけた。おじいさんイボと言われる、皮膚表面に出る良性腫瘍ではない。
 表面に目立ったところはないが、きっと、皮膚がんだと思う。

 左目の中にメラノーマができていると言われてから、目の方は大きな変化はなかった。その代わり、悪性腫瘍は肝臓で育っていたようである。

 亡くなった父も、副鼻腔がんから肺がんを再発し、背骨と肝臓に転移しただけでなく、頭皮にもがんを発症していた。
 りんごちゃんの体も、がんに食われつつある。

 末期と知った7日から、私は母の部屋で、母とりんごちゃんと並んで寝ている。
 一緒に寝るようになってから、りんごちゃんの態度が少し変わったようだ。
 以前は、爪切りや歯磨きなど嫌がることをする人、あるいはおやつ係のような認識だった。私がスキンシップをしようとすると、よく逃げた。
 でもこの頃は、あまり逃げなくなった。以前は口を見ようとするとうなって威嚇してきたが、素直に見せてくれる。
 寝ている私にぴったり寄り添って、ちょっとだけ鼻先をなめてくれたのもうれしかった。父にはそうしていたけれど、私にそういうそぶりはなかったので。

 私も、過剰なスキンシップでストレスを与えていたことは確かで、今が一番いい距離感を保っているのかもしれない。皮肉なことである。

 昨日、寝足りないので朝寝をしていたら、突然大嵐が来た。ドーンというすさまじい雷と、大風、大雨が襲ってきた。風で木がしなり、家もちょっと揺れるほどだった。
 7日にりんごちゃんと家族で遠足に行った時、曇り空にレンズ雲がいくつも浮かんでいた。
 龍みたいな細長い雲は夏ごろに見かけるが、レンズ雲は初めて見た。
 きれいな雲だが、ちょっと不気味で、あれはりんごちゃんを迎えに来た神様の乗り物だろうか、とぼんやり思っていた。

 昨日の霹靂は神様がお通りになったせいだろうか。あんなにすごい嵐だったのに地元紙でも話題になることはなく、何やら白昼夢を見た気分である。
 ちょうどその時、私はペガサスに乗った夢を見ていて、犬のくり子の散歩に出ていた母が慌てて戻ってきた時目が覚めた。母も嵐を見ているから、あれは夢ではない。
 
 りんごちゃんは、私を成長させるために神様が遣わした天使だと、ずっと前から信じている。雷雲と共に様子を見に来られたなら光栄だ。
 
 明日もりんごちゃんに会えますように。





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