5月26日
- カテゴリ:ペット/動物
- 2021/05/26 12:39:37
今朝、母と共に大学病院に検査入院で預けていたりんごちゃんを迎えに行った。
到着後、すぐに担当医に呼ばれて説明を受ける。
CTで見たところ、肝臓の腫瘍はかなり大きいが、左側の肝臓の房(葉という)に限定されており、大動脈が近い右側は無傷なため、手術の可能性はゼロではない、と言った。
だが、脾臓の隣に播種らしき白い影があり、すでに転移が始まっているらしいこと。
病理検査の結果は来週あたりになるため、まだ断定はできないが、針で生体を取った今の時点では、細胞の形から肝臓の血管肉腫の可能性がほぼ確定していること。
良くないのは血液の状態で、肝臓の内部で血だまりができ、もろくなった腫瘍からじわじわと出血が続いているもようで、輸血で貧血を抑えることはできても、それも一時的な処置に過ぎない。
もし手術をするとなれば、輸血で、貧血や落ちた血液凝固作用の数値を戻してからでないと駄目である。
病理検査結果が出る前にもっと状態が悪化する可能性があり、手術をやるなら今すぐにでも輸血をした方がいいと医師は言った。
だが、それは焼け石に水、みたいなことも言った。
外科医の説明では、ここまで巨大な腫瘍だと大手術になり、大量の輸血と薬で生命を維持しながら、体はわき腹まで切って腫瘍を取り出すことになる、と。
16歳という年齢では、耐えられる可能性はあまりなく、術中に血栓ができて死亡か、麻酔から覚めずに死亡のどちらかだと言った。
じゃあどうすればいいんだ。
りんごちゃんをどうすべきかは、飼い主の私の判断に全部ゆだねられていた。
りんごちゃんの体は限界に近い。輸血をしても、すり切れた布袋みたいに血が抜けていって、体力はどんどん落ちていく。
もういいんじゃないか…。これが寿命なのだ…。それしか考えられなかった。
手術をして、抗がん剤治療を受ければ半年は延命できるとのこと。ネットで勉強したからそれは知っている。
このまま放っておくと、食事を取る意欲もなくなり、貧血が進んで衰弱死か、もろい細胞が破裂して大量出血を起こしてのショック死の道しかない。
輸血をして時間稼ぎをと考えがよぎったが、決断できなかった。今はとにかく家に連れて帰りたかった。
手術や輸血は保留にしてくださいと言ったら、医師は承諾した。炎症を抑える抗生剤と、少しでも出血を食い止める凝固剤をもらって病院を後にした。
会計は、まだ諸経費を計算しきれないとのことで、病理検査の結果が出る日に支払うことになった。
母には、手術が難しいこと、あと3か月生きられるかということだけ告げた。帰りの車中で、母は泣いていた。りんごちゃんは、ややかすれた声でずっと吠えていた。
家に帰ると、りんごちゃんはキャリーバッグからすぐ出ようとしなかった。およそ2日間もケージに閉じ込められていたためか、家だとすぐにわからなかったようである。
バッグのふたを開けて、出ていいよと言うと、ゆっくり出てきた。
居間に入ると、りんごちゃんはすぐ水を飲み始めた。それからトイレに行こうとしたが、入院生活のためか後ろ足が弱っており、何度も滑り、トイレに間に合わずその場で大量のおしっこをした。
母が片付けている間、私は半分に減ったガソリンを入れに外出した。戻ってくると、りんごちゃんの犬用ベッドがぬれていた。飲んだ水と、朝食べた食事を戻したのだという。
ぬれてるよと言ったら、母が「今かたづけるから!」と切れた。厳しい現実を前に、情緒が不安定になっていた。
しばらくしたら落ち着いたが、もしりんごちゃんがいなくなったら、母がどうなってしまうか、少し不安になった。
りんごちゃんは、母がベッド代わりに敷いた厚めのマットにうつ伏せになり、しばらくうーうーうなっていた。
いつの間にかじゅうたんに、ぽつんと小さな便が落ちていた。トイレに間に合わなかったというより、入院した2日間で、トイレに行かずにケージの中で用を足すことを覚えたのだろう。
それを見たら、もう入院はさせられないな、と思った。
輸血の処置も、半日から入院と言われた。これ以上、りんごちゃんに負担をかけたくなかった。
どうなろうと、いつも通り暮らしてほしいと思った。自分の力でトイレに行って、食べられるときに食べたいご飯を食べて、いつもの場所で寝るということ。
輸血をしないために、もしかしたら1か月ももたないかもしれない。
それでも、もういいだろうと思った。
検査を終えて、無事に帰ってこられただけで、もう十分だ。
りんごちゃんは、昨日死んでいたかもしれないのだから。一時でもそばにいる時間をくれたのなら、それを大事にすべきだ。
だから、もう諦める。いい意味で、諦める。
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昨日たくさん泣いたので、すごいショックではないのですが、どう言葉に表していいかわからないためです。ご了承いただければ幸いです。
よろしくお願いいたします。
そうですね、私が逆に励まされている気もします。悲しい気持ちの時は、じっとこちらを見たり近くにいたりしてますね。
励ましもありがとうございます。毎日ここに書いてくださって感謝です。とても心の支えになっています。
思ってるだけじゃ伝わらない。言葉にしてくださってうれしいです!
パミタンさんもお辛い時期をよく乗り越えられましたね。ヘルペスはよっぽどの心痛だったと思います。亡き父も、定年後、職場が変わってのストレスでよく唇にできてました。
私は食欲が落ちて毎日沈んだ気持ちなので、うつにならないよう、自分でも気を付けてますよ。
倒れたらどうしようもないですし(笑)
でも何もしてあげれないのではなく
きっとお家で過ごせてることでりんごちゃん気持ちは安心してますよ
わんってホントこちらの気持ちを感じ取るんですよね
だから辛いでしょうが大丈夫だよって・・・蒼雪さん( o≧д≦)oガンバレー!!
とは言うものの蒼雪さん頑張りすぎないよう体調には気をつけてくださいね
私なんかでもちょっと体重落ちたりヘルペス出たりしましたもん(´・ω・`)
教えてくださってありがとうございます。
今は歩けるので、母や私が見ている時にトイレに誘導しています。自分で歩いていくこともあります。
よっぽど具合悪そうなときは、抱っこしてトイレまで連れて行くこともあります。
そのうちおむつをと検討しています。
そうなる前に亡くなっちゃうかもしれないけど…。お世話できる日を大事にしたいです。
お気持ち受け取らせていただきました。
りんごちゃんの最期まで頑張ります。
自力で立てなくなった頃からトイレは時間を見計らって連れて行き(トイレ教えてくれたりもしました)その上でおむつにしました
おむつ大丈夫かなぁと心配しましたがここでしても良いんだとすぐになれてくれました
りんごちゃんトイレ間に合わないのならおむつも一つの方法かと思い書きました
でも歩けるから様子を見て連れて行く方がよいのかな
ママわん大体の時間があったから抱っこで連れて行ってました
今はパパわん夜中何間に合わなくなったので寝る前の日課で連れて行きます
するとちゃんとしてくれ朝まで大丈夫になりました
りんごちゃんがご機嫌さんで過ごせますように・・・
つらい決断をされたのですね。
ご心痛いかほどばかりかと思うと、胸がぎゅっとなります。
りんごちゃんとの日々、少しでも穏やかでに過ごせますように心から願っております。
りんごちゃん お家帰れて嬉しいね お家が一番だもんね
なかなか コメントできずにおりました。
人も わんこも 寿命を家族が決めなくてはならない時が来る…
わかってはいても なかなか 思いきれませんよね。諦めきれませんよね。
でも 「いい意味で 諦める」ことも ほんとうに大事なことだと思います。
まだ!りんごちゃんは 頑張ってくれてます。
だいじな 明日を 蒼雪さまとご家族と できるだけ苦しまず過ごせますように。