医師を信用し過ぎるな、ということ
- カテゴリ:ペット/動物
- 2021/05/27 09:21:15
26日はマイディーさん(「光のお父さん」の作者)の夢を見た。この方は若くしてがんで亡くなられたから、りんごちゃんと同じ、がんつながりで夢に見たのだろう。
いったい、いつ気づけばよかったのか。そのことばかり考える。
犬は自分の様子を言葉にしないから、飼い主や医師が発見するしかないのだが、腫瘍などの重大な兆候を「年のせい」とか、「薬で押さえておくから大丈夫」など、なあなあで見逃すことが多いと知った。
こっちは素人だから、医師の言葉は丸のみにし、あるいは思考停止で受け入れてしまい、「そんなものか」ととらえてしまう。
りんごちゃんの肝臓の数値表には、異常が出た時に疑われる疾患が書いてあるのだが、肝細胞壊死や腫瘍の項目の数値が、いつも高く書かれていた。
数値が高く、薬で収まらない一時的な肝炎ではないとしたら、もうそこには腫瘍の芽が根付いていたのである。
この時点で、医師はすぐエコーを撮り、大学病院に紹介すべきなのだ。
りんごちゃんは近所にある二つの動物病院にかかっていたが、どちらも、そうしてくれなかった。
今はなくなった方の病院では、数値を下げるためと言って、りんごちゃんの背中に痛い肝臓の薬剤点滴を打ち続けた。客が少ない病院だったから、いいカモにされていたのだ。
現在通っているかかりつけ医では、逆に客が多いためか、診察が早すぎる。院長もスタッフも親切だが、数値に異常があっても、前の病院と同じで、「薬で様子見」だった。
数か月前から、体を洗っていてわき腹に触った時、たまにキャンと悲鳴をあげると伝えたら、年齢による関節のせいだろうと言われた。あれは張り切った肝臓の腫瘍に触ったせいだったのだ…。
ここの院長はちょっと楽観視過ぎるのか。忙しすぎての判断ミスなら、「おめぇ何年医者やってんだ」と言いたくなってくる。
病気が発覚して大学病院に行ったら、「どうしてこの異様な腹の張りに気付かなかったのか?」と責めるでなく言われた。
こればかりは飼い主の私の失態で、何も言い返せなかった。ダイエットするまで肥満犬で、固太りの犬もほかに見てきたから、りんごちゃんもそうだと思っていた。
しかし、同居犬のくり子は、腹にそういう張りはない。ふにゃふにゃしている。
りんごちゃんが初めての犬だから、犬の病気についてはネットで勉強したが、どういう状態が正常なのかまでは知らなかった。無知ゆえに、こんなことになってしまった。
今も自分を責め続けている。
仮に早期に気付いたとしても、悪性、しかも血管肉腫の芽であれば、切ってもまたどこかに生えてきただろう。がんというのは、攻撃されると仕返しのように増殖するものである。憎悪とはよく言ったものだ。
もし早くに病巣を切っていたら、今度は肺や心臓、背骨、脳など、重要な部位に転移して、今以上にりんごちゃんを苦しめていたかもしれない。
肺に根付けば呼吸困難となり、背骨に転移すれば骨を砕いて想像を絶する痛みを与えるのを、亡き父の様子で見てきた。
大学病院の医師にりんごちゃんの緩和ケアについて尋ねたら、りんごちゃんはそこまで痛みを感じていないだろうとのことで、痛み止めの処置は基本しないことを言われた。
だが、りんごちゃんの腹全体を覆うようにある巨大な腫瘍が胃腸などを圧迫して苦しいみたいで、特に夜、うんうんとうなる声を聞くのがつらい。取ってあげたいなあ…と切実に思う。
だが、切ったとたんに肺やなんかに転移して、今より苦しめることになったら、それもかわいそうすぎる。それよりもまず、貧血などで手術適応していない状態なのだが。
これから犬を飼う人、今飼っている人に伝えたい。
医師の「大丈夫」という言葉は信用し過ぎるな。
あっちは客商売だから、顧客が減ると困るので、わざと症状を見過ごしたり、簡単な処置で毎回通わせようとすることがある。
血液検査で、腫瘍などの重要疾患の項目の数値に異常が出たら、大げさでもいい、早く大学病院を紹介してもらうことだ。渋るなら、そこは信用できないので別の病院にすべきである。
現在のりんごちゃんは、トイレを失敗するようになった。トイレに行こうとする前にもらしてしまうか、犬用ベッドでしてしまう。トイレに行こうとして間に合わず、途中の道のりでしてしまうこともある。
絶対安静とはいえケージに閉じ込められて、その場で垂れ流しにされていたからか。
この大学病院は由緒あるもので、全国から学生が来るほどだが、完璧というわけではない。
受付の対応がいまいちだし、なんとなく雰囲気が暗い。
入院する時、首輪と一緒にりんごちゃんのリードを預けたのに「チェック項目に入っていないので、リードは預かっていないみたいですが」と言われた。
そんなわけはないので、もう一度探すよう頼むと、ちゃんと見つかった。このあたりで、若干信用が置けなくなったが、もう頼れる所がここしかないので、通えと言われたら行くしかないのである。
今日のりんごちゃんの様子は、落ち着いている。昨日作ったレバーペーストや、ちょっと高いヨーグルト、鶏むね肉のポタージュをおいしそうに食べた。
肝臓以外はほとんど悪くないのだ。腫瘍さえ取れればと思ってしまう。
母と話した結果、手術はせず自然に任せようということになったのだが、迷いが出てしまう。
手術しなかったら、3か月しかもたない。今月も合わせて3か月なら、7月には死んでしまうということだ。
手術が万が一成功しても、つらい抗がん剤治療を受けて半年もつか。
どちらの選択をしても、もうこちらができることはないのだと思い知らされる。
しかも、りんごちゃんに疑われる血管肉腫は珍しい部類で、通常の血管肉腫は非常にもろく、破裂して、失神倒れることも事前にあると外科医に言われた。
りんごちゃんの肝臓内にある肉腫は頑丈なタイプらしい。
父も抗がん剤が特定できないがんだったので、治療ができずに亡くなった。りんごちゃんも父に似てしまったかと、母が言った。人間と犬でも、こんな類似性があるんだろうか。「ふたり」はとても仲が良かったし、魂で親子だったのかもしれない。
りんごちゃんは、ペットシーツを敷いた犬用ベッドでぐっすり眠っている。この日々が続いてほしいという思いと、早くりんごちゃんが苦しさから解放されてほしいという気持ちで、今日もジレンマである。