Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


おかえり

 今日、聖火ランナーが国道を走ることをすっかり忘れていた。


 午後4時までにT市の大学病院にりんごちゃんを迎えに行くはずが、国道の封鎖に遭って回り道を余儀なくされた。

 封鎖された道路を誘導員の棒振りに従って右折や左折し、裏道から行けるのではと路地を走ってみたが、カーナビはひたすら国道に戻ろうとする。
 妹も言っていた。T市に行く道路は、国道一本しかないと。

 ナビの地図を広げると、民家に続く行き止まりの脇道しか見つからない。それでも、国道の裏に別の道があるのではと進んでみた。
 
 同じく国道に出たい車が、私の後をぞろぞろとついてくる。おいおい、間違ってたらどうすんだよ。

 私は、前を走る貨物トラックの後をついていて、たぶんトラックの運ちゃんなら道路状況に詳しいのではと思ったが、そんなことはなかった。

 トラックは民家の敷地内に入り、その家のおばあさんが「こっちは通れないよ!」と引き返すよう言った。見ればわかる。
 トラックはすぐにUターンに入った。私も戻ろうとしたら、後ろにくっついている車が邪魔で切り返せない。
 トラックが通り過ぎると、切り返せない私の後ろで、金魚の糞のごとき車が先にUターンして引き返した。そのあと、私も脱出することができた。

 同乗していた母と「聖火ランナーありがた迷惑」と愚痴りながら、元来た道を引き返した。周囲には、私たちのように道に迷った車がぞろぞろいて、さっきのおばあさんの家に行く道路に行く車もあった。
 誘導員の数が増やせないなら、封鎖用コーンを立てておくべきだ。

 近くのイオンまで行って、誘導していた警察官に何時まで続くのか尋ねた。
 「今走り出したのですが、4時ごろまでには終わります。買い物でもして待ってては」と言われた。
 ほかに道はないし、喉も乾いていたし、そうすることにした。駐車場に止めてから、病院に連絡して遅れることを伝えた。

 駐車場はかなりの数の車があった。大半は、国道の封鎖解除待ちの人のものだろう。ランナーの走りは、関係者以外規制されているので、野次馬だけではないと思う。イオンも変なところで特需にあやかっている。

 母が百均に行きたいというので、イオンの百円ショップで買い物をしていたら、4時になったので様子を見に行くと、封鎖は解けていた。時間通りに終わって良かった。

 あとはひたすら道なりに行き、4時35分ごろに病院に着いた。りんごちゃんが心配で不安だった気持ちは、聖火ランナー騒動でどこかに行っていた。

 受付に入院証を渡して少し待つと、外科医に呼ばれた。診察台には、しっかりした顔つきのりんごちゃんが立っていた。

 昨日はぐったりしていたけど、かなり強い投薬や輸血が効いたのか、ケージの中で吠えるほど元気だったという。

 これだけ元気なら手術も的に外科医が言ったが、いや、諦めます、と私は言った。あらそう、みたいな顔をされた。さんざんやりたくなさそうに言ってたのおめえじゃねぇかよ、とは口に出さなかった。

 月曜日にもう一度抗生剤を出してみると言ったので、会計も月曜日になった。
 それで、そのままりんごちゃんを連れて帰ることができた。

 車中で、りんごちゃんはトイレに行きたいのか、しきりに吠えていた。いつもの声、いつもの元気だ。
 ただただ、うれしかった。良かったなあ、良かったなあ、と運転中つぶやいた。母もうれしそうだった。

 家に帰り、すぐにりんごちゃんは水を飲んだ。元気よくトイレじゃない所におしっこをし、私が買っておいたドギーマンの沙缶を8分目ほど食べ、今は犬用ベッドでくつろいでいる。

 手術はできず、腹の中には巨大な血袋があるままだけれど、今日、帰ってきてくれたことは本当にありがたい。
 何の解決にもなっていないが、今は素直に喜びたい。
 りんごちゃん、生きていてくれてありがとう。


 追記
 昨日、皆さんから頂いたコメントを見て涙が出ました。
 この場を借りてお礼を申し上げます。皆さんの応援のおかげもあります。
 本当にありがとうございました。
 
 

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2021/06/13 08:55
パミタンさん、ありがとうございます。

パミタンさんのおっしゃるように、りんごちゃんは一見元気そうに見えて、体力がもうないのかもしれません。
だから外科医も、あんなに手術を渋ったんだと思います。
内科医の方からも、16歳という年齢のリスクが高すぎると言われました。せめて3年前にでも発見されていれば…。あの時は父の病気で大変だったのですが、悔やまれてなりません。
かかりつけ医の怠慢であり、私の勉強不足が招いた結果です。

りんごちゃん、排便は一日おきにでもしてくれるので、出すとだいぶ楽そうな顔をします。ただでさえ大きな荷物をおなかに抱えているのだから、ほんとに、ちょっとでも楽でいてほしいです。

なかなかに、つらいですね。治ると思って毎日頑張るのと、手が出せないで見守るのとでは、使う気持ちの労力が違いますね。
パミタンさんも、ワンちゃんたちのお世話や看病、いつも頑張ってらっしゃいますね。その様子を思い浮かべて励みにしております。
いつもありがとうです。
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2021/06/12 22:21
蒼雪さん りんごちゃんちょっと辛そうですね 見てるのはもっと・・・

我が家が今ご存知のように皆持病持ちなので寝てても起きてても
見えるところに居ないと気がかりで(心配しすぎなのかもですが)しかたありません
私でさえこんななんですもの・・・

りんごちゃんおやつ食べる元気あるのなら
昨日お家に帰れて調子良くて少しはしゃいじゃったのかしら
肝臓は体力を消耗しちゃいますからねぇ

おしっこはお薬のせいもあるのかも?うちの子も結構黄色いです
うんち出ないの人間でもきついですもん  
りんごちゃんお腹が張って気分良くないよね 早く出ると良いね


創設さん 辛い選択でしたもの色々考えてしまいますよね
私を決断させたのがやはり 治療できないのがつらく激しい痛みがないのは救いだけどだんだん弱っていく姿を見続けるのは何より辛いでした  パパわんだったら体力的に無理だったかなと思ってしまいます


その時その時で精一杯の事をされてると思います
どうぞその事で蒼雪さんの心を慰めてあげてください
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2021/06/12 09:32
じゅらさん、ありがとうございます。

はい、本当に良く頑張ってくれました。
病気そのものが治ったわけじゃないのですが、今は帰ってきてくれただけでうれしいです。
応援ありがとうございました!
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2021/06/12 09:30
パミタンさん、ありがとうございます。

はい、元気な顔を見られて良かったです。
でも今朝は呼吸が速くて調子悪そうです。毎日見ていても、見慣れないです。
こんなに頑張っているのに、見守ることしかできないのがつらい…。

ちょっとこちらの先生はね、外科も内科も意地悪というのではないけど、あまり「一緒に頑張りましょう」みたいな雰囲気はないんですよね。
データだけ見て、現状、何ができるのかをこちらに伝えるだけです。
あと、りんごちゃんが16歳じゃなく10歳くらいなら、まだ何とかなりそう、というのも何度も言われました。
説明の方はきっちりされてますよ。前のブログに書いた通りです。ただ、ちょっと対応が二転三転するかなと。
それくらい、りんごちゃんの状態は難しいということですね…。
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2021/06/11 21:19
よかったぁ~っ♪

りんごちゃん やっぱり がんばったっ!りっぱな不戦勝ですよね!

もう りんごちゃんの頑張りがすべてですよね!
ほんと よかった…。°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
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2021/06/11 20:58
りんごちゃんお帰り~~~♪今は只々良かった良かった

蒼雪さん体調の起伏はハラハラですよね
でも今は頑張ったりんごちゃん褒めてあげるだけですね




ここからはゴメンなさいなんだけど
先生都度都度納得のいく説明されてるのかしら家族の気持ち考えてるのかしらって思ちゃいます
お話や対応知らなくてなのでゴメンなさいです




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