Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


6月12日

 昨日の晩から、りんごちゃん、少し調子が悪い。食欲はあり、トイレに連れて行ったら自力でおしっこをした。色は濃い黄色だった。

 いつものように、チーズを塗ったささみの薄いおやつに、まだ残っている抗生剤と肝臓の薬、止血剤を挟んで与えると、待ち構えていたように食べた。

 呼吸が速くて浅い。排便ができず、腹が圧迫されて苦しいのか、また熱が出てきたのかはわからない。
 歩く体力はあり、あちこちうろうろしては、落ち着かずに寝そべることを繰り返している。うんちが出れば、少しは楽になるのかな…。
 
 糖分補給になればと、オートミールを煮る。
 ふかしたサツマイモをあげていた時は便通も良かった気がするので、冷凍していたふかし芋を出しておく。

 あとどのくらい生きられるのか…。一安心もつかの間、不安がまた湧き上がってくる。

 何より、治療できないのがつらい。悪性腫瘍ではなく、激しい痛みがないのだけが救いだが、だんだん弱っていくであろう姿を見続けるのは、見殺しに等しいのではないかとも思ってしまう。

 一昨日、りんごちゃんの検査結果を待っている時、診察室から涙ぐんだ女性が出てくるのを見た。自分の犬が、もう助からないと宣告されたのだろうか。
 そのあと、夫婦の夫の方が、待合室で待っていた妻に「場所が悪くて(腫瘍が)取れないんだってさ」と告げていた。
 大学病院に来る大半のペットと家族は、重くてつらい、どうしようもないものを背負っている。

 「もう大丈夫」と言われて喜んで退院する子は何匹いるのだろう。
 割と多いかもしれないし、少ない気もする。
 大半が、手遅れとか治療不可能と言われて、わらをもすがる気持ちで来る場所だ。病院の先生方も、「もっと早く気づけよ、もっと早く連れて来いよ」と思う病態も多いと思う。

 「もっと早く気づく」には、飼い主の犬を飼う経験値も必要だし、かかりつけ医の判断の速さも重要だ。何度も書くが、医師も「何かおかしい、精密検査を」という疑いを忘れないでほしい。

 りんごちゃんは、そういう意味では運がなかったのかもしれない。もっと早く別の病院に行って話を聞いてみるべきだった。
 しかし、かかりつけ医をひんぱんに変えるのは、開業医にしてみればいい気持ちのするものではなく、りんごちゃんの時もあまりいい顔をされなかったこともあって、あちこちに行くのをためらってしまった。
 信頼関係がなくなると、気軽に相談できないし、いざというとき頼れなくなる。それを恐れて、何も言えなかった。
 でも、私にもう少し危機感と知識があったら、医師に大学病院を早めに紹介してもらうこともできたはずだ。結局は、飼い主の判断と行動力に犬の命が懸かっている。
 
 飼い主は、いろんなことを初めての犬で学ぶことになる。
 もし、また犬をわが家にお迎えすることになったら、この経験を活かしたい。
 りんごちゃんの代わりは、どんな存在もできないけれど。
 




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