Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


退院、眠れない2

 深夜帰宅し、携帯を見ると母からメールが来ていた。帰宅の直前あたりの着信だった。内容は、りんごちゃんがおなかをすかせているようで、でも何を食べさせたらいいかわからない とのこと。
 寝室の母を起こし、病院からもらったロウファットリキッド(低脂肪流動食)を飲ませていいと言ったのにと言うと、ぐい呑み1杯分だけ飲ませたと言う。
 りんごちゃんは起きていて、私を見ていた。私がぐい呑みに注いで床に置くと、おいしそうに飲んだ。

 その後、風呂に入ってりんごちゃんと寝ようとするが、りんごちゃんは布団や自分の犬用ベッドではなく、床に伏せてしきりに苦し気な呼吸をし、ひどくうなる。
 先週より体調が悪くなっていた。体を触ると、首から下は背中でも嫌がる。

 うなり声はやまず、何度も電気をつけて声をかけ、痛みがないであろう首や頭をなでて励ました。抗生剤などの点滴を受けていた左前足の包帯も取ってやる。
 病院に迎えに行った時から気になっていたが、左前足がむくんで大きくなっていた。2週間前に入院した時も点滴や輸血をされたが、むくみはなかった。今回そうなったのは、血が止まりにくいので強めに圧迫されていたせいだろうか。

 担当医は、包帯を取る時間帯について、(血が出ると困るから)あまり早く取るなと言い、できれば夜か翌朝と言った。うっ血することはないとも言っていた。それでもむくんだのは、りんごちゃんの循環機能が低下しているからだろうか。父が末期がんで入院していた時も、よく足がむくんでいた。

 りんごちゃんは、退院して午後5時ごろに家に帰ってきてから1時間ほど眠り、それからずっと寝ていないと母が言った。
 伏せてくつろごうとしても、すぐに苦し気にうなり、立ち上がって落ち着ける場所を探す。母の部屋にある、客用の卓の下に隠れると、そこでしきりにうなった。
 その声が不安そうで、苦しそうで、とても眠れない。
 私は何度も起きて様子を見、3時間ほどうとうとした。が、母のいびきで目が覚める。りんごちゃんはまだうなっていた。

 ふいに立ち上がったので、トイレへ歩かせる。おしっこをして寝室へ戻る途中で背中を丸め、じゅうたんにとろりとしたうんちをした。かろうじて形があるものだったが、染み込んだため、掃除に難儀した。

 掃除している私を、りんごちゃんは犬用ベッドでくつろいで見ていた。少し楽になったのか、目が愉快そうな表情をしている。それに安心したのもつかの間、掃除を終えて戻ると、またうなりだした。
 部屋をうろうろして、また卓の下に隠れるも、母が隣に来るよう言ったら、素直に傍に伏せた。
 そしてまた、哀しい声でうなり、浅い息をする。私はりんごちゃんの頭をなで、大丈夫か、苦しくないかと話しかけた。すると、りんごちゃんは顔を上げて寝室の入り口を見た。じっと、その一点だけを見つめていた。
 亡き父が来たのだろうか。私は振り向いたが見えるはずもない。りんごちゃんはその動作を3回繰り返すと、また卓の下に戻っていった。構われるのもしんどいのである。

 早朝とはいえ朝だし、薬をやってしまおうと思った。電子レンジで水を温めてお湯を作り、薬を1種類ずつ溶かす。
 そこへ、コーヒーに入れるグラニュー糖と犬用ミルクを混ぜた甘い液を混ぜた。味が甘いことを確認し、粗熱が抜けてから、まだ起きているりんごちゃんに持っていく。
 かかりつけ医院でもらった小さめの注射器に吸い込ませ、下顎を支えて少しずつ飲ませる。甘い味のおかげで、ぺろぺろとおいしそうに全部飲んだ。
 最後のビタミンK剤は糖衣で粒が大きく溶かしにくいため、チーズ蒸しケーキの団子に入れて食べさせる。これもクリア。
 やっと一安心するも、この量でも細くなった胃腸に負担がかかるのか、またうなりだした。
 
 私もしんどくなり、こうして日記を書いて朝6時になった。書くことで、だいぶ気がまぎれる。
 さっき、りんごちゃんのうなり声が聞こえなくなり、心配になって見に行ったら、卓の下で目を閉じていた。そっと触ったら目を開けた。生きていたので良かったが、起こしてしまったので、悪いことをした。

 なんだか、卓の下がりんごちゃんの安住の地になりそうな気配だ。
 キャリーバッグはハウスには足りない大きさなので、ひとりで落ち着ける場所はそこが良さそうではある。
 だが、母がりんごちゃんの失禁を不安視して、日中は部屋を閉ざすため、じきに追い出されることだろう。

 帰ってきたはいいが、病院の方が過ごしやすい環境だったかもしれない。そっとしておいてあげたいが、家族が歩き回ってうるさいだろう。
 母も毎日掃除機をかけるし、同居犬のくり子は、ストレスがたまるとヒステリックに一声吠えるか、ガチョウの鳴き声のようなくしゃみをする。

 うん、一番ストレスがたまって気がたっているのは、たぶん私だな。
 いったんパソコンを離れて、休まないと。あと、午前中に病院に連絡しないといけない。昨日帰って来た時、午後4時半ごろに携帯に着信があったためだ。
 運転中は着信音が聞こえないので困る。一体何の用事だろう…。前にかけなおしたときは受付からで、入院証を手渡したかどうかの確認だったが。

 わずかな眠りから覚めたりんごちゃんは、またうろうろしだした。左前足のむくみは取れてきたようだ。
 痛いのか、苦しいのか、3日も入院していたから、また環境が変わって不安なのか。
 歩けるし、声も出るし、嘔吐もないが、心配である。入院前は1日中眠っているほどだった。しきりにテーブルの下に行くのは、入院時の環境を求めているからかもしれない。
 これから、もっと苦しむ姿を見ることになるだろう。最後まで目を背けずに見届けなければならない。

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2021/07/04 07:45
パミタンさん、ありがとうございます。

おむつの件は、母とも何度も相談していますが、歩いてトイレへ行かなくなると足も弱るだろうとの結論で、もうしばらく様子見になりました。完全に寝たきりになったら使うかもしれません。
今のところは、ベッドや床にペットシートを敷いて何とかやってます。
おなかの圧迫も心配なところです。わき腹に腸が来ているので、触ると嫌がります。
他の犬が着けているのを見た感じ、そこまで圧迫する様子もなさそうなので、いざとなったら、ですね。
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2021/07/03 20:54
蒼雪さん りんごちゃん夜だけおむつはどうなんでしょうかねぇ
うちの子 ママわんもパパわんもつける前はどうかなぁって思ったけど
意外と大丈夫でしたけど・・
お腹圧迫しちゃうかなぁ??
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2021/07/03 07:09
パミタンさん、ざくろさん、ありがとうございます。

りんごちゃん、おかえりって言ってもらって良かったね。

帰ってきてくれただけで十分です。とは、本当は言い難い。やっぱり手術してほしかったけど、これが潮時なのかなと思います。あとは残り時間、後悔せず過ごすだけですね。
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2021/07/03 07:07
りんごちゃん おかえり~!
チーズ蒸しパン食べられてよかった♪

ロイヤルカナンのリキッド うちのは一度に少量しか
摂れなかったので 残りを製氷皿で凍らせてました。
そうすると 1か月くらいはだいじょぶだそうですよ。

これからの 蒼雪さまとりんごちゃんの毎日も
大切な 時を刻んでゆくんですね。
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2021/07/03 02:30
りんごちゃん、お帰りなさい。
お家で蒼雪さんや、ご家族にたくさん甘えてね。
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2021/07/02 21:39
蒼雪さん りんごちゃん帰ってきたのですね
りんごちゃんお帰りなさい やっぱり何処よりお家が良いよね
自分で居心地の良い所へいけるもんね

私でさえもわん達の息が荒いのも気になるけど静かだと息してるって見てしまいますもん
蒼雪さん尚更ですよね
大変でしょうがそれでもりんごちゃん食べれるのが有って良かったです





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