Nicotto Town


ま、お茶でもどうぞ


ゆるやかな餓死へ

 7日。

 朝、目が覚めると顔の脇にりんごちゃんがいて、すやすや眠る口元が笑っていた。体調がいいと私の傍に来るので、その意味でも安心する。うれしい。
 その日は特に大事もなく、穏やかに過ごしたようだ。
 固形物、肉類は腹痛を起こすので、もうあげられない。
 いなばのちゅーるも肉類だから、もし食べたがったらチューブ一本ではなく3分の1とか、なめるだけとか、そのくらいにしようと思う。

 8日。
 食事をロイヤルカナンのロウファットリキッドにしてからは、夜中に苦しがることはなくなり、こちらの精神衛生にも一役買っている。
 ただ、8日付の午前1~2時半にかけて、りんごちゃんが不快そうにうなったり、不安そうにクークー言ってなかなか寝付かれなかった。
 おかげで、今日は寝坊して母に起こされたのが午前9時だった。

 腫瘍のあるおなかの紫斑は、なんとなく範囲が減ってきている気がする。針検診で穴が開いた所がふさがっていればいいが、またそこに血がたまっていくのだろう。検査が終わった時点から、血がたまってきていると医師に言われている。

 おなかは風船のように張りつめており、肝臓付近を触ると、ごろっと固い感触がある。これが腫瘍だろう。目立ったこぶにはなっていないが、さらに大きくなって皮膚を盛り上げ、突き破ることにならないか。
 そこまでになってしまうと、激しい苦痛も伴うだろう。長く生きてほしいが、考え物でもある。

 5日の深夜、おなかが痛くて痛くて、一晩中苦しんでいたりんごちゃん。あんな状態が毎日続いてでも生きてほしいと思うことはできない。事実、あの夜は早く迎えが来てほしいと、りんごちゃんをなで続けながら心底願った。

 ついこの間まで、なんでもおいしそうに食べていたりんごちゃんだが、今では、あちこちにおもらしをし、液体食だけになって生活している。
 まだ歩けるし、声も出ているが、すごい速さで介護生活になっているのを見ると、いよいよ寿命が近いのかと考える。

 最期の時が近づくと、食事も水も受け付けず、衰弱して眠るように死んでいくという。
 りんごちゃんも、食べたいものを手放して、体が本能として、楽に死ねるように準備しているのかもしれない。
 でも、りんごちゃんの顔を見ていると、まだまだ生きてくれそうな気がしてくるんだよなあ。




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