急な変化
- カテゴリ:ペット/動物
- 2021/07/11 09:37:00
9日。
午後1時半ごろ、またおしっこに血の小さな塊が3つ出ていた。尿量は少ない。
朝は何ともなかったので様子を見ようと思ったが、結石で出にくくなっていたら尿道閉塞で尿が逆流し、腎臓病になって死んでしまう。
ためらったが、大学病院へ電話した。かかりつけ医に行っても、大学で診てもらえと言われるのが怖かったからだ。(何もしてもらえず、診察料だけ取られたトラウマがある)
受付係で取り次いでもらい、担当医から30分後に電話が来る。
りんごちゃんの状態を話すと、医師は血が止まりにくくなっているということを繰り返し、できることはもうない、と言った。
出血の原因が結石だとしても、石を溶かすための内科的治療(食事や薬)はできない、と。外科的に取り出すこともできない。
その後、重苦しい沈黙が数十秒続いた。医師が言いたいことは理解している。薬が効かないということは、りんごちゃんの体が、もう生きる力、治る力を失ってきているということだ。
そんなことはわかってるんだ。でも今のりんごちゃんは、吠えるし自力でトイレへ行く元気もある。電話の向こうの医師は、もうりんごちゃんが寝たきりの状態だと思い込んでいる節があり、それが腹立たしかった。
「でも、放っておいていい状態ではないですよね。石が原因なら、おしっこを出やすくする処置だけでも…診てもらえますか」
医師も、それなら、と折れた。すぐ準備して、私は母と共に病院へ向かった。
病院への道中、母が「もうやめたら」と言った。私も、もう二度と行きたくなかった。「これで最後にする!」運転しながら怒鳴っていた。
イライラしながら到着する。病院では感情を押さえなくてはならないが、キャリーバッグからなかなか出てこないりんごちゃんを、少々手荒に出してしまった。
それくらい余裕を失っていた。どうにもならない現状に絶望していた。
受け付けをして数分後、診察室へ呼ばれた。研修中の学生さん達がいたためか、医師は不機嫌な様子を見せず、良い医師の口調でりんごちゃんの様子を聞き、膀胱のエコー検査とカテーテル導入をすると言った。素直に、お願いしますと頭を下げ、診察室を出た。
30分後、呼ばれたので診察室へ。パソコンのモニターにりんごちゃんの膀胱を映し、医師が説明した。研修学生がいるため、膀胱の厚さが何ミリで…とか詳しく語る。映像を見る限り、石がないと私にもわかった。
カテーテルを入れても、尿道につかえるものはなく、閉塞は起きていないとのこと。
腎臓にある結石が動いて血がたまたま出たのだろう、という結論になった。
その後、食欲や元気があることを確認し、今服用している薬がなくなったらまた電話くれれば、と医師は言った。
その際、私はロイヤルカナンのロウファットリキッドを出してくれるよう頼んだ。医師は「1本で?」と聞いてきた。私は3本セットを頼んだ。何となく、3本も使わないような気がしつつも。
家に帰ってくると、りんごちゃんのテンションは高かった。興奮して吠えることが多く、そばに誰かいないと吠えた。
病院で体温計を肛門に刺すとうんちがいつも付いてくる、と医師が言っていたので、大便もしてすっきりしたためかと思われた。
吠えは夜中まで続いた。なかなか眠ろうとしなかった。深夜、私がネットの友達とモンハンをやっている時も吠えることがあり、母が早くゲームを終わるよう、部屋にいる私の携帯へ電話をかけてきた。
そのせいで気もそぞろになり、ミスも多く、ゲーム後の雑談もそこそこに退室した。母の寝室へ行くと、りんごちゃんが私の枕の所で伏せて私を見ていた。
この日のりんごちゃんの異常なテンションの高さは、無意識の予感だったのだろうか。自分に起こる何かを知らせようとしていたのだろうか。