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芭蕉が愛した木曽義仲 その8

寿永2(1183)725日、安徳天皇は平氏棟梁の平宗盛以下平氏一門とともに都落ちする。太宰府を経て屋島に行宮を置いた。後白河法皇は平氏と交渉して三種の神器の返還を求めたが不調に終わっている。

その後、平氏一門は源頼朝が派遣した源氏軍により、一ノ谷、屋島、壇ノ浦で破れ、平知盛、平教経、平教盛、平資盛ら主だった平氏の武将は入水。二位尼は三種の神器を身につけて安徳天皇を抱き寄せて「弥陀の浄土へ参りましょう。波の下にも都がございます」と海に身を投げた。棟梁の宗盛は嫡男清宗と入水したが死にきれず生け捕られた。

源氏軍は安徳天皇と三種の神器の確保が第一の目的であったが、高田崇史さんの説によると「安徳天皇は女帝であったため、天皇である証拠として三種の神器とともに沈んだのではないか」とある。八咫鏡と八尺瓊勾玉は回収されたものの、天叢雲剣は今も壇ノ浦に沈んだままだ。

後白河法皇は安徳天皇を諦め、高倉上皇の三之宮(惟明親王)または四之宮(尊成親王)のいずれかを擁立することに決めた。そこで皇位継承権に口出ししたのが義仲で、平氏の専横がなければ以仁王が即位していたはずで、平氏追討の功がある北陸宮が即位すべきと比叡山の僧を介して奏上した。

天皇、貴族にとって、武士は身分の低いごろつきにすぎない。義仲は平氏追討の功があって従五位下だが昇殿は許される身分ではなかった。彼らにしてみれば、臨時に雇ったガードマンに跡継ぎのことを口出しされているようなもので、不快感から義仲は疎まれるようになる。

一方、義仲にしてみれば、以仁王が平氏追討の令旨を出さなければ今も平氏が政権を握っていて、後白河法皇は幽閉されていたままだったはず。以仁王は令旨を出して檄を飛ばし、源頼政とともに挙兵し、衆寡敵せず南都へ落ちる途中で討たれたものの、命がけで平氏に立ち向かったからこそ、平氏を倒せたのだろうという想いが義仲にはあった。

平氏におもねり、対立しても刃向かわず、都で文句ばかり垂れ流していたくせに、いざ平氏がいなくなると威張って自分たちの都合がよい天皇を立てるのは違うだろうという正当性の主張はもちろん通らなかった。

後白河法皇は寵愛していた丹後局の進言をいれて、四之宮尊成親王を践祚させる。のちに承久の乱を起こして鎌倉幕府に立ち向かい、大怨霊となった後鳥羽上皇である。

続く。

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2021/07/19 21:26
>ありおりはべりさん
こんばんは^^コメントありがとうございますm(__)m
三種の神器は間違いなくレプリカがいくつも用意されていたはずです。
例えば八咫鏡は伊勢神宮のご神体ですが、誰も見たことがないことになっています。神官ですら目隠しをしてという話ですが、ホンモノには文字が彫っているらしいです。
とはいえ践祚のたびに伊勢から上京するというのもたいへんな話で、たびたび天皇が譲位していた時代であれば。記号的な交代としてレプリカはあってもおかしくないですね。
安徳天皇に関しては、義経も生きて保護しろと命令を受けてましたし、6歳は神のうちなので殺されることはなかったはずです。
二位尼は女児であったことを隠してきたのでばれると皇統が途切れることになることを恐れたかもしれません。天皇なので当時から皇統を気にする人がいるなら、まちがいなく結婚は天皇家の人間だったでしょうね。
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2021/07/17 00:58
三種の神機は 今は存在することになっていますね

といっても 熱田神宮にあるものは用意したものとなるのでしょうか?などと野暮なことを
思ったりします。

まあ 今の技術があればあるいは?とか思いますが さて?調査となったとき
調べた時に一見した違うと分かると思いますが 武士の刀も壇ノ浦にはたくさん水没したのでしょうから
そうおいそれとレーダー探知機の類でも見つからないでしょうね

もしは草彅の剣は天叢雲剣は誰かが?といった説がありますが
山口県の下関にも福岡の門司にも やはり それと伝わる刀の神社があった気がします。

ただ 持ち帰り 代わりのご神体としたものが置いてあるという説もあり

ここまで行くと歴史の正当性や性善説にのっとったロマンですね

での その方法で回収されているとしたらとしたらという説を調べた学者さんが数人いますが
どうやら意外と信ぴょう性に高い情報もあるようですね

地元が福岡なので時々、地元の郷土史の話になると 冊子などに乗っていることもあります。

安徳天皇も幼子だったために また女児であったために 生かされてという説もありますね
自分としては幼子の命をとるような真似にならないようなことを大人は用意した最後だったのではと
思いたいですが

女児だけに平家の血を引き まして天皇 無事で済むが無事でなく 誰の相手を務めて
命を長らえると考えた時に 海の底にもみやこがあることになったかも知れませんが

一緒に入水したおばば様はどんな無念断腸の思いだったかと思います。

では





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