空へ
- カテゴリ:ペット/動物
- 2021/07/18 15:28:30
18日。午前8時40分ごろ、ネットで調べておいた葬儀会社のペット火葬担当に電話する。「ペットの火葬を申し込みたいのですが…」
電話担当の若い女性は、担当者がいないので、9時ごろ折り返し電話すると言ったのでいったん切る。その際、犬種と体重、年齢を聞かれた。
数分後、家電に携帯電話から電話がかかる。
9時前だったのと、業者の電話番号ではないので一度出なかったが、2回目にかかってきたのを出てみたら、先ほどとは違う女性が、参加者は何名で、いつ頃火葬にするか聞いてきた。
夏場で暑く、遺体が傷みやすいのと、ずっと顔を見ていると名残惜しくて悲しみが増しそうなので、今日、午前中お願いしますと伝えた。10時ごろなら空いているというので、お願いした。母は、りんごちゃんのためにスーパーで花を買ってくるといって車で出ていたが、すぐに電話で呼び戻した。
固く冷たくなったりんごちゃんをキャリーバッグに入れ、車の後部座席に乗せた。バッグのふたを閉める前、りんごちゃんをなで、頭に何度もキスをした。剥製を触っているみたいに固かった。
ナビに住所を入力して出発する。入り組んだ住宅街を抜け、事前に案内された建物付近に着いたが、ペット葬をやる詳しい場所がわからず、葬儀会社の本社駐車場に止めて、再度電話する。電話担当の女性が建物から出てきて、すぐ隣だと案内してくれた。
すぐ隣にある遺体安置所が、ペット葬もやる場所だった。だが、ペット葬担当の人がおらず、母と私でうろうろした。ペット葬儀場のドアの前には「葬儀中です、関係者以外立ち入りをご遠慮ください」という立て看板があり、先約があるのだろうかと、ドアを叩けず、また電話。
すると、そのドアから担当者であるやや年配の女性と、手伝いの若い男性が出てきた。看板、紛らわしいよ…。あとで聞いたら、「外で待っていようかと思ったのですが…」と申し訳なさそうに女性は言った。もう30度になる気温で、到着に40分以上も待たせるわけにはいかない。私は笑って「いいんですよ」と言った。
祭壇があるその部屋にりんごちゃんの遺体を置くと、その女性(Uさんとしておく)が、清拭と死に顔を整えた。作業中、「両手の毛が剃られてる、点滴されてたんですか」「おなかがこんなに…腫瘍ですか、そう、もう痛い所を取れるからね」と、私たちやりんごちゃんに優しく話しかけてくれた。
それから、青いリボンに別れの言葉を書くように言われ、泣きながら私と母はメッセージを書いた。私は、また天国で会えるようにと書いた。そのリボンを、前足に結ぶよう言われ、私はリボン結びをした。その間、ずっと泣けてしかたなかった。
りんごちゃんを窯の前に安置して、母と、用意されていた生花を体に添える。若い頃よく遊んでいた、チキチキマシン猛レースのケンケンのゴルフヘッドカバーと、七面鳥アキレスを2本置いた。
花はややしおれており、おそらく、人間の葬儀用に使った花の残りと思われるが、Uさんが何くれと気を使って話しかけ、「この散らせた花が天国への通り道になりますから」と言った時は、また泣いていた。
窯に納められ、線香を1本立て、手を合わせて見送る。1時間ほどかかると言われ、プレハブの待合室で待った。
その間、Uさんが、りんごちゃんについていろいろ尋ねてきた。遺族の思い出を口にさせることで、グリーフケアの役割も担っているのだろう。
母が、Uさんも犬を飼っていたのかと尋ねると、昔雑種を飼っていて、事故で亡くしたと語ってくれた。
私たちの住む市は、ペット火葬と言いつつも実際はゴミ焼却炉に投げ込む処分で、知り合いの犬もそうされて、それが痛ましいので自分で訪問ペット火葬を始めたのだと言う。
だが、火葬車を遺族の家の前などに止めると目立つ上、良く思わない近所の人の中傷も多かったので、この葬儀会社に入れてもらうまでは苦労の連続だったそうだ。
即席っぽいプレハブのペット遺体安置所と待合室は、会社側が配慮して作ってくれたもので、まだ1年しかたっていないという。
その話を聞いて、私もこの仕事を手伝えないか…と思った。ペット葬を取り扱う業者はこの人しかおらず、一人では何かと大変だし、Uさんがいなくなったら誰が後を引き継ぐのだろう、と心配になったからだ。
その後もりんごちゃんについて話をし、1時間ほどで焼きあがった。肝臓腫瘍が大きすぎて、全部灰にすると骨も灰になって残らなくなるため、ここで切り上げるとUさんが言った。ある程度冷めてから、焼いてすぐのりんごちゃんと対面した。
粉々に砕けた骨の中に、黒い炭があちこちあった。10センチほどの塊が肝臓の腫瘍で、白っぽい塊は膀胱、しっぽや頭部の骨にも炭がたくさんこびりついていた。
Uさんは、「体に炎症があるとこうして焼け残るんです。痴呆(認知症)が進むと、頭部も黒くなることがあります」と言った。りんごちゃんは肝臓だけでなく、全身が病気に侵されていたのだ。認知症はなかったけれど、片目にメラノーマがあったし、きれいな顔の裏側で病巣があったのかもしれない。
もう一度冷ましてから、祭壇の前で遺骨を拾う。母と共に分骨用キーホルダーを買っていたので、Uさんに骨の部位を教えられながら、犬歯や指、爪、しっぽの先の骨を納めた。何度も涙があふれて、目がかすんだ。
小さい星砂みたいな骨は、しっぽだと言う。これは母が自分の容器に納めた。
喉仏が完全に残っていて、こういう犬は仏の犬だとUさん。お世辞でなくそう思った。何度りんごちゃんに助けられたことか。
骨壺に納め終わると、葬儀は終了した。お礼を言って、骨壺を助手席に乗せ、家へ向かう。ほどなくして、電話がかかってきた。無視しようと思ったが、気になって信号待ちの時に見たら、Uさんからだった。
私が買った分骨キーホルダーとセットになっている巾着とビーズの数珠を渡し損ねたという。すぐ戻ると電話して、折り返した。
戻ってUさんから品を受け取り、再度家へのナビを出した。すると、案内がさっきと違う方向を言った。逆じゃない?と疑問に思いつつ進むと、海側の方向だった。
「ああ、りんごちゃん、海に行きたいのか」すごく納得した。一緒に遠足へ行った海岸や砂浜は、りんごちゃんが大好きな場所だったんだ、と、うれしくて泣けてきた。5月に家族みんなで連れて行ってよかった。本当に楽しかったんだな。
今日は仕事なので、海岸へ寄りたかったが反対方向なので曲がった。ごめんな、家に帰ろうねと言って。
帰り道は、海の遠足で行き来したのと同じ道。りんごちゃん、本当に海の遠足が大好きだったんだな。教えてくれてありがとうな。泣きながら運転した。
帰ってきて、骨壺が入った袋を仏壇の真ん中に置いた。かわいい動物が描かれた袋は水色にした。線香をあげて、自室に戻り、そして、今までずっと私も母も泣いている。
りんごちゃん、水色が似合うね。大好きな海と空の色だからかな。
必ず、必ず会いに行くから、天国で待っててくれよ。その日を楽しみに、頑張って生きていくからな。
私の母は、まだ家にりんごちゃんがいるような気がするって言うんですよ。私はさっぱりです…。
パミタンさんは、夢でも会ったりしたんですね。姿が見られたのはちょっとうらやましいです。
できれば蛾じゃなくてね、かわいい姿で現れてほしいですね。幽霊だとびっくりするかもですが。
気配だけでも感じたいです。あえて出てこないのかもしれませんけどね。もう蒼雪は大丈夫だろうって。
私が触ろうとすると、よく、手が届かないテーブルの下に隠れてましたから。亡くなってもそういうところは変わらないものなんですかね…。
虫に乗ってでも、会いに来てくれたのはうれしいですが。さっきから贅沢言ってるなあって、りんごちゃんに言われそうです。
犬の15歳というのは…ひとつの壁ですね。りんごちゃんは16歳でしたが、15歳の壁を越えてからのおよそ4カ月しか生きられなかった。寿命と言うのは不思議なものです。ある日突然、元気がなくなって、死への坂を転がり落ちていくような。お迎え、という言葉がこれほどふさわしい現象はないと思ってます。
やっぱり、あの白い蛾はりんごちゃんだったんだと私も思います。これは話半分で読んでください。
近所には、ほとんど詣でる人もいない病気平癒祈願の白蛇を祭った社があるのですが、その奥にも小さな神社があって、一度だけお参りしたことがあります。りんごちゃんとくり子を連れて。
そこの神様の名前は存じ上げないのですが、少彦名命だろうなという直感はありました。父が亡くなる直前、小さな白い蛾が家の窓に留まったことがあったので。それ以来、小さな白い蛾は神様の使いだと思ってます。
先日見た蛾も、同じ種類の蛾でした。
りんごちゃん、夢には出てこないので、まだこの世とあの世を行ったり来たりしているのかもですね。
私もね数日間ママわんがまだ居るって感じたことがありましたよ
しばらくしたら本当に逝ちゃった
(まぁ他の人から見れば気持ちが落ち着いたんでしょなのかもしれませんが)
本当にそう言う感じがあるんですよ
だってママわんちゃんと夢で元気だよってぴょんと立って歩いて見せて行ってくれましたもん
だからやっぱり蒼雪さんがか感じたのならりんごちゃんでしたよ
りんごちゃんもう自分は大丈夫だよって来てくれたんですね
本当に優しい子ねりんごちゃん
そして 蒼雪さまもご家族様も…お辛いお気持ちでありつつ
よくお世話されましたね。
りんごちゃんも 苦しさから解放されて 虹の橋を渡って行ったんですよね。
でも ちゃ~んと 蒼雪さまのお帰りを待って
お出迎えもしてくれて。
わんこって 人間よりずっと
私たちとこころ通じるなにかを持ってるんじゃないかと思います。
姿は消えて見えなくなってしまったけど 虹の橋の向こうで
きっと 楽になったりんごちゃん おいしいものいっぱい楽しんでるかもです。
蒼雪さま
ほんとうに お疲れさまでした。
これからは りんごちゃんが お空から見守ってくれますね。
前もって犬の死についてネットで調べていたので、看取りのときは冷静に対処できました。
でも、朝に遺毛を取ろうと思って、しっぽの毛にはさみを入れたら、どっと涙が出てきました。
おなかがこんなになるまで頑張らせてしまったのかなあ、と。本当はとっくに死ぬ命だったのに、私たちと一緒にいたいから、あと一日、あと一日って懸命に生きていたのかなと思いました。
苦手な薬も、たいしておいしくないリキッドも、飲めば私が安心した顔をするから、頑張って飲んでいたんでしょうね。優しい子なんです、彼は、本当に。
そうそう、ママわんちゃんのこと、覚えています。そんなことはないと言う人もいるかもしれませんが、案外、私はあるような気がします。
りんごちゃんも、自分が家族に苦労かけてるってわかってました。
大学病院での高額の医療費や、食べられるフードを探して、たくさんお金を使ってため息をついていた私を、しっかり見てました。りんごちゃんの前で、「お金がかかるな…(貯金が)持つかな」とつぶやいたこともあります。りんごちゃんは賢いから、申し訳なさそうな顔をしていました。
りんごちゃんは、私が寝ようと横になると、苦しそうにうなり出したことが多いんですよ。私にだけは弱音を吐いていたんだと思います。りんごちゃんが具合悪くなった時、すぐ病院に連れて行くのは私の役目だったので、痛い所を直してくれる人、の認識だったかもしれません。
亡くなる数日前、一晩中「痛いよ、苦しいよ」って悲しい声でうめいていた時は、何もできない無力感にうちのめされました。
仕事が終わって帰るたびに、またりんごちゃんのうめき声を聞きながら寝ないといけないのか…とも。
りんごちゃんの血尿は、もしかしたら別にできた腫瘍が破裂していたのかもしれませんね。だからあんなに早く貧血が進んだのかもしれないです。
苦しまずに逝ってくれたのが救いでした。最後まで家族思いのいい子でした。
私はもっと、自分の書いたことを覚えている方だったのですが、(あまり言い訳したくないけど)年のせいか、忘れっぽくなってしまいました。なので、4年前に書いた自分のコメントを読み返しにお邪魔しました。
4年前の私、すごいです。こんなこと書いてたんだ。ブーメランみたいに突き刺さります。
でも、あの時の私のつたない文章がトゥさんの支えに少しでもなれていたらうれしいし、トゥさんがここ最近ずっと、私の心配をしてくれていることもうれしいです。ありがとうございます。
りんごちゃんのお葬式も、ちゃんとできました。Uさんのおかげでもあります。私に商品を手渡し忘れるミスがあったけど、そのおかげで思い出に出合えたので、自分を責めてないといいんですが。
今度、FF14でお会いしたら、もしよかったら、雪彦さんのこと聞かせてください。りんごちゃんも、あっちで雪彦さんと会えるといいなと思います。りんごちゃんは人見知りするのですが、私のお友達のパートナー(ペット)だから、きっと大丈夫。
今月の金曜日ふたつが仕事のため、皆さんとのモンハンは休みになりますが、その間に気持ちの整理がついたらと思います。
りんごちゃん、虹の橋を渡っていってしまったんですね。
蒼雪さんやご家族がりんごちゃんをどれだけ大事に思っていたか、きっとりんごちゃんにはわかっていたと思います。
りんごちゃん、よく頑張ったね。お空の上から蒼雪さんやご家族を見守ってあげてね。
実は私 りんごちゃん腫瘍が破裂しないか心配で仕方ありませんでした
でもそんなことにもならずしっかりお別れを言ってくれましたねりんごちゃん
りんごちゃんきっといっぱいお世話してくれてありがとう
もう良いよって虹の橋へ行ったのでしょうね
家のママわんもね動けない自分の世話はもういいよと思ちゃったのか
ランの病気がわかる2週間前でしたよ突然逝ちゃったの
だからランの命ママわんがくれたと思いってます
また私の話になちゃったけどわんって家族を思うそう言う所があるように思うんですよ
(そう思えるわんちゃんお隣りや姉や・・沢山知ってます)
本当にりんごちゃんご家族にもう良いよって言ってたと思います
りんごちゃん辛かったけどお家でいっぱい甘えられたね
もう痛くないね 大好きなお父さんがきっと迎えに来てくれたね
ゆっくり眠ってね
痛いのも苦しいのも、おなかがすくことだってもうないよ。
むかし、蒼雪さんが、うさぎの還る月について話してくれたんだけどね。
青い空、きれいな草原、森、そしてお友達がいるんだって。虹の橋のたもともそんなところだよ。
りんごちゃんの大好きな海岸もきっとある。もう走ってもだいじょうぶ、力いっぱいあそべるからね。
蒼雪さん、よくがんばりましたね。
おつかれさまでした、なんて毎週口にしている言葉じゃ全然足りないくらい。
ありがとうと言って送りたい、ともおっしゃってました。あんなに悩みながら、有言実行されたんですね。すごいな、だからりんごちゃんも安心できたんだな、と思います。
泣けてよかった、とも。
いっぱい泣いて、抜け殻になってもだいじょうぶです。
気を張ってたぶんぜんぶ、ご自分のために使い果たしちゃってください。
Uさん、すてきなひとですね。りんごちゃんとご家族のがんばりをわかってくれるひとで、よかった。
りんごちゃんが空でしあわせに過ごしていることを、心からお祈りしています。
虹の橋と月はつながってると勝手に思っているので、雪彦さんと仲良くしてくれていたら、うれしいな。