Nicotto Town



わたしたちは夢見る子どもじゃいられない その6

アメリカの歴史学者ウォルター・シャイデルは、人類の歴史には平和が続くと不平等が拡大する一貫した傾向があることを見出して、「戦争」「革命」「崩壊」「疫病」の四騎士が「平等な世界」をもたらすと「暴力と不平等の人類史 戦争 革命 崩壊 疫病」の中で書いた。とてつもなくひどいことが起こるとリセットされてつかの間の平等が実現する。一億総中流と呼ばれた昭和の日本は敗戦によって焼け野原になったところから再出発で、戦前の身分制度はGHQによって破壊されたからだ。

団塊の世代は終戦後すぐのベビーブームで生まれた世代で、もっとも数が多い。数が多いというのは権力をもたなくても脅威で、政治的にも経済的にもメディア的にも団塊の世代は重視されている。団塊の世代のために雇用が守られ、定年が延長されて公共工事が多く発注された。年金改革も団塊の世代が受給年齢になるとトーンダウンした。彼らの子どもたちが団塊ジュニア世代で、8050問題はまさに団塊の世代、団塊ジュニア世代の話だ。

彼らは頑張れば報われる「平等」な社会でしゃかりきに働き、子どもに「自分らしく」生きられる世界を残した。子どもに楽をさせるために「子ども世代」の雇用を奪ってまでも働いて、雇用を破壊してしまった。

最低賃金はどんどん上がっているが、上がることで雇用する側は「若者」をはじめとする経験のない労働者を雇いにくくなってしまった。ミスはロスを生み、富を逃がしてしまうにもかかわらず、最低賃金は高く設定されているので育てていると儲けがなくなってしまう。だから、経験者を雇うことになる。経験者はこれまで社会で働いてきた高齢者で、労働力としては団塊の世代のほうが費用対効果では戦力となる。

団塊の世代が既得権を放棄するなら、富は若者へこぼれるだろうが、死活問題にもなるので彼らは絶対に手放さない。民主政の怖いところは政治の善し悪しではなく、自分たちの損得で当選者が決まってしまうことで、コロナ禍で政権が団塊の世代だけに手厚く保護をしたとしても現状維持が出来てしまう可能性がある。

四騎士のひとつ「疫病」にコロナは当てはまらないといわれている。感染力は強いけれども全体的に弱毒性なので、「グローバル資本主義」を破壊する力はないと言われている。富裕層は富を増やしている一方で、貧困層は貯蓄を切り崩して貯蓄を大きく減らしている。

恋愛市場で落ちこぼれ、労働市場から除外されてしまった若者は、今の状態が100歳前後付近まで続く。日本の閉塞感はひとことで言えば「高齢者によって押しつぶされている」ということだ。長寿社会と健康社会が成立して、その恩恵が自分たちにも返ってくるはずなのに、高齢者の長寿と健康のために年金や税金が使われていて枯渇しようとしている。

もちろん、戦後がむしゃらに働いて日本を経済大国に押し上げた団塊の世代を否定するつもりはない。皮肉なことに自分たちが頑張ったことで自分たちの子どもの世代が、絶望に沈んでしまったのだ。

アバター
2021/08/31 10:18
>Mt.かめさん
おはようございます^^コメントありがとうございますm(__)m
お金は手段であって目的ではないですからね。
うちの犬が散歩へ行くと遊んでくれる小学生たちは、友達とたくさんおしゃべりしている子はいつも笑顔で、コミュニケーション能力がどんどん高くなっていきます。
最初に出会ったときは、お父さんお母さんに高いおもちゃってねだっていたのに、1年くらい過ぎたら何も買ってほしいと言わなくなったらしいです^^
アバター
2021/08/30 17:14
「お金は目に見えない。考え方だ」
という思想を知らないことが最大の貧困の原因と私は考えてます(笑)
これ、理解するのって大変なんですけどねー。特に親世代から「働いて稼ぐ」
しか教えられてないと貧困まっしぐらですわー。お金は目に見えないし、めっちゃ大量にあるんです♪




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.