Nicotto Town



竹取の翁とかぐやの大事なおはなし その4

紀貫之は当時、歌人としては第一人者で、『古今和歌集』以下の勅撰和歌集に435首も入っている。また『古今和歌集』の仮名序を書いたと言われ、散文の『土佐日記』も彼の作と言われている。和歌も散文も平仮名も使いこなし、宮中と庶民の生活の両方を知っている紀貫之だからこそ書けたとも言える。

高田崇史『QED 竹取伝説』によると、かぐや姫への求婚者が5人なのは、意図的で怨霊封じの意味があるという。陰陽五行説の木火土金水で、石作皇子の「仏の石の鉢」は五行の土、車持皇子の「蓬莱山の木の枝」は木、阿倍御主人の「火鼠の裘」は火、大伴御行の「龍の頸の五色の珠」は金、石上麻呂の「燕の子安貝」は水で、木火土金水が完成する。

『竹取物語』の竹取の翁は讃岐造麿で、大和国広瀬郡散吉郷(さぬきごう)に住んでいたと言われている。またかぐや姫の名付け親は御室田斎部の秋田で、斎部氏の一族の讃岐斎部氏との関係が有力視されている。讃岐斎部氏が讃岐から大和へ移ったとも言われ、讃岐の斎部氏は毎年、調、庸の税金の他に、竹竿八百を納めていた。

『古事記』によると、垂仁天皇の時代に、讃岐垂根王という人物がいて兄弟に大筒木垂根王がおり、彼の娘が垂仁天皇妃で名前を『迦具夜比売命(かぐやひめのみこと)』という。また大筒木垂根王は比古由牟須美命の子どもとなっているが、比古由牟須美命は開化天皇と丹波竹野媛との間の子どもだ。竹野媛は丹波の「竹野神社」を開いたとされる女性で、竹野神社に仕えていた姫神が「かぐや姫」のモデルと言われている。竹野神社は元伊勢の吉佐宮の候補地のひとつで、祭神は天照大神、斎宮には竹野媛が祀られている。近くには奈具神社があり、祭神は豊受大神。丹波の羽衣伝説で老夫婦に追いだされて放浪してここに行き着いて祀られたと言われている。

高田崇史はQEDシリーズ主人公の桑原崇に「かぐや姫の本質が光そのもの」であるならば、歴史上ただひとりそう呼ばれていた人物がおり、それが「衣通姫」だという。『日本書紀』では允恭天皇皇后忍坂大中姫の妹、弟姫のことで、允恭天皇に寵愛された女性。『古事記』では允恭天皇の皇女、衣通郎女のことで、同母兄の木梨之軽太子と密通したため、兄は伊予に流された。衣通郎女はあとを追っていき心中したという。

さらに、『竹取物語』の作者が紀貫之、かぐや姫を『衣通姫』とするなら、『古今和歌集』の仮名序の六歌仙のところで、「小野小町は古の衣通姫の流なり」と書いている。かぐや姫は小野小町でもあると。

アバター
2021/09/29 14:42
>Mt.かめさん
こんにちは^^コメントありがとうございますm(__)m
「QED」シリーズはミステリの部分が冗長になっていてってところもあるのですが。
歴史ミステリの部分は納得いくように回収されていきますね。磯田道史さんがブラタモリの岡山編に出演したときに、鬼ノ城の温羅伝説にまったく触れなかったのが不自然に思えたりって勉強になります^^
アバター
2021/09/29 14:38
>花♪さん
こんにちは^^コメントありがとうございますm(__)m
かぐや姫の物語って子どもが読んでもロマンチックに感じるものなので、いろいろ深読みするのは野暮なのかなあって思ったりもします。とはいえ、紀貫之はロマンチックに描いているのですよね。
アバター
2021/09/29 09:16
高田崇史のQEDシリーズは説得力がある
古代史ミステリで大好きです♪
しっかり伏線回収もするし
すごいなあと、ただただ感服しますー
アバター
2021/09/28 20:21
お〜〜〜
木火土金水は気がつきませんでした。
書いた人は、実在の人をヒントに書いたのでしょうね。
そこに色んな想いを乗せて。




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.