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竹取の翁とかぐやの大事なおはなし その11

出雲は一大タタラ場であったが、すべて朝廷に奪われた。朝廷に逆らった出雲臣たちはほとんどが殺され、殺されなかった者は蜘蛛と呼ばれて蔑視されていた。京都にある出雲は、出雲臣が奴隷として閉じ込められていた名残で、

八雲立つ 出雲八重垣 妻ごみに 八重垣作る その八重垣を 素戔嗚尊

日本最初の和歌も垣を作って出雲臣を閉じ込めていたという歌だった。日本書紀には出雲臣が脱走したという話が何度も出てくるのだ。

だから、かぐや姫は出雲へと帰らなければならなかった。

高田崇史「QED 竹取伝説」によると。

「雲=出雲の国からやって来た人々に迎えられて、かぐや姫は神殿に昇っていった。なぜならば、彼女は神に捧げられるべき役割を持った人間だったからだ。そしてその日は、八月十五日-怨霊たちの命日だ。月=死の世界から迎えがやって来る。だから最強の六衛府の兵、二千人といえども、まったく歯が立たなかったんだ。何しろ、相手は怨霊たちだったんだからね。……当時『杵築』の国と呼ばれていた国があった。山陰-出雲の国だ」

『竹取物語』は『かぐや姫物語』ではダメだった。竹取が本質だったからだ。

「『竹取物語』というのは『ササ取物語』であり、『砂砂取物語』のことだったんだ。出雲の国を中心とした、一大タタラ場の話だ。そういえば-素戔嗚尊も、出雲にいる。『朱砂の王』を祭神とした『八重垣神社』がそれだ。ここには素戔嗚尊と結婚した奇稲田姫も祀られている。その出雲の国の一大産業が、かぐや姫だったというわけだ。つまり、光り輝く、砂鉄だ。竹林-賤しい場所から生まれた光り輝くモノ。それこそ、砂鉄であり、朱砂であり、これから生まれる財宝-鉄じゃないか。そして、その-現実には自分たちが簒奪してしまっている-鉄が、結局は出雲の神殿に返って、きちんと納められる。これこそ鎮魂だ。機織りの人々や、タタラの人々に対する、畏れをこめた鎮魂だ。紀貫之は、きっとそれらを命じられたに違いないと思うね。当時の朝廷の-数限りない怨霊に脅えていた、貴族たちにね……」

おしまい。

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2021/11/07 15:03
>みくあさん
こんにちは^^コメントありがとうございますm(__)m
竹取物語は前後編があって、前編では月世界のかぐや姫の罪が書かれているけれど見つかっていないって学校の先生に説明されました。大学では専門だったので、国会図書館で調べまくりましたが、見つからなかったです。
怨霊慰撫というのは早い時期に知ったのですが、「源氏物語」は怨霊の話っていうことは、文研でいうと大騒ぎになるから禁句でした^^;;
かぐや姫も浦島太郎も宇宙人説がありましたね^^
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2021/11/07 00:23
竹取物語は国語の教科書に載っていました。
作者不明で・・・、それなのに日本人なら誰でも知っているお話というのが何とも不思議でした。
こんなにちゃんとした考察があったのですね。
当時、かぐや姫の宇宙人説があり、竹が光ってるのは宇宙人だからで、最後は光り輝く宇宙船にのって帰っていったんだという・・80年代のSF映画のような考察を密かに信じていた自分を思い出しました^^;
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2021/10/10 16:13
>花♪さん
こんにちは^^コメントありがとうございますm(__)m
古代日本は、鉄と水銀が二大資源なので、神社もその辺りにあることが多いですね。
丹波とか、九州北部とか、北陸とか、ホントに多いです。
日本では古来、物語は鎮魂のためとされていて、竹取物語も源氏物語も同じなのですね。高校生の時に藤原氏全盛なのに藤原の悪口?って質問したら、それは大学に行ったら教えてもらえると言われたことがあります。
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2021/10/08 20:33
日本語は面白いですね。
同じ音で違う意味がある。
良い意味と悪い意味が裏腹にある場合もあったり。

ある神社の灯籠のかなりの年月を経て変色したその色をさして
ここは鉄分を含むから、この色になるんだよと説明してくれた人がいましたが
その場所は、そう言えば、鉄と水銀を持つ地域でした。

竹取物語に関する長いお話をありがとうございました。
物語を色々な面から見ると
史実かもしれない話が出てきて
フィクションと現実の間を揺れ
物語自身が、かぐや姫のように輝くさまが面白いです。
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2021/10/07 15:55
>Mt.かめさん
こんにちは^^コメントありがとうございますm(__)m
ハーンは民俗学者でもあるので、もしかしたら雲の意味もある程度推測していたかもしれませんね。
出雲のそばは割子そばで、タレも薬味もいろいろあって、食べるのは楽しいですね^^
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2021/10/06 17:54
ラフカディオ・ハーンが小泉八雲と名乗ったのも
なんとなく暗示的ですよねー。出雲と長野のつながりというと
あとは「そば」でしょうか。出雲そばも独特なようで一度食べてみたいヽ(^o^)丿




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