Nicotto Town



南の魔女クレア25


大量の荷物は二人の新居となる3階に運ばれた。最初は3階の聞いて驚いたが3階が其の家で一番上の身分の人の住居という事だったが其れまでは使われてなかった所が3階のだった様で其処を改装して二人の新居にしたとボルアートは言った。夜も遅かったためなのかボルアートの母親も義姉も出ては来なかった。石でできた立派な階段を上がって重たいドアを開けると其れなりに其れなりのへやがあり石の壁で区切られて丸く開いた入り口のなかに寝室があった。とりあえずクレアは自分付きのメイドがいない事はなんとなく察して自分で寝間着にきがえるとベットに潜り込んだ。何時の間にか寝てしまったのか目が覚めるとボルアートが自分を見ているのに気が付いた。「寒くないかい?」と言う彼の言葉で掛け布団が横に捻じ曲げられて足が其の上に出ている。「な、なにをするのよ!」とクレアは掛け布団を戻そうとすると「いや、その、其れは自分で・・・」とボルアートが困った顔をして言う。クレアは何の事かは解らないがとりあえずボルアートが自分と同じベットで寝ているのは許そうと思った。夫なのだから。だが寝込んでしまっている間に何て事をと思ったが布団をもどしながらも其れも夫だから許すのかなとも考え直す事にしながら布団をしっかりかぶると「もっとくっついても良いわよ。夫婦なんだから」と言った。ボルアートは「最初はそうしてたんだけど・・・」と言ってクレアの横に静かによって来ました。温かい感触が気持ち良いと思った気がしたが寒さで目が覚めて気が付くと明るい日差しが差し込んでいて足と体がつめたい。布団がまた逸れて足とお腹もネグリジェも上にまくれ上がってかろうじて肩の方だけ布団が乗っている状態で隣のボルアートが妙にベットの隅の方で布団にくるまっている。こんなに広いベットなのに何でそんな隅で寝ているのかも不思議に思いながらもまた布団を元に戻して自分が広いベットの真ん中で寝ているのに気が付いて天井を見つめた。見慣れない天井の模様で自分の家でない事が解る。自分のベットは天蓋が付いていて其処に虫よけの薄い布で出来たカーテンがあって更に其の上に日差しよけのカーテンが天蓋から突いていた。部屋にむき出しのベットは専門学校の寮でもマージのホテルでもそうだったので慣れてない訳ではないけど其れでも何か違和感を感じました。更にこんな大きなベットにも慣れないとおもった。此れで隣にボルアートがいなかったら広すぎて不安だっただろうと思いました。ボルアートもクレアが目が覚めている雰囲気を察したのか目を覚ましました。体を起こすと「君は自分の寝相といびきについて誰かに指摘されたことは無いか?」と聞くので改めて考えてみるとモニークが何度か私がベットから落ちるのではと心配したと言っていた事がありましたが何の事か理解できなかったし鼾についてはモニークの方が煩かったので其れはモニークも姉妹が一緒の部屋で指摘されていたらしく何も言わないと言のをので気にもせず其れがどうかしたのかと何を言っているのか理解できずに体を起こすとボルアートを不機嫌そうに見るとボルアートはベットの横に置いていた時計を見て朝食を持ってくると言います。
「この部屋付きのメイドに持って来させれば?」言うとボルアートは「いや3階は僕らだけしか入れない様に言ってあるんだ」と言って出て行きました。
クレアはあの専門学校の寮の生活だって出来たんだから此の生活だって出来るわと自分に言い聞かせたました。
石で区切られた隣の部屋でクレアは寝間着の上にガウンを着て二人で朝食をすませるとボルアートは「では改めて新婚初夜と行こう」と言ってクレアをベットに誘いました。クレアはしっかりとボルアートの手を握ってついて行きました。
其れから二日後の秋晴れの日に二人の結婚披露宴が行われました。此の地方の民族衣装に着替えさせられてお祝いの踊りを娘たちが踊って村の男たちが楽器を鳴らして歌を歌ってボルアートと酒を飲みかわしてそれからそれぞれが歌に合わせて踊ったり歌ったりして数時間で三々五々に帰って行きました。
素朴と言えば素朴で簡素であっけなかったけどクレアは物珍しくて更に其の服も気に入りました。
先祖代々此の家の花嫁が着る衣装で其の家々で少し違っているそうです。
家に戻るとクレアは喪服に着替える様にと義母に言われました。彼女はやせこけて白髪の髪もぼさぼさに後ろに束ねて其れをくるりと丸めて上にあげて幾つかのピンでとめているだけで干からびた肌の化粧も薄いのかクレアのお母様が老衰と言う診断でなくなる手前まできれいに化粧をして白髪の髪も櫛で丁寧に整えられていたのと比べて何て人なのかと思いました。更に彼女の喪服も修道女の白い襟とか十字架を外しただけと思われる様な簡素な作りでした。
義姉も似たような物で二人の服に此の人達の喪服とは神への修業をする為の服の事で修道女の服よりも簡素なのは修道女への敬意を表しているのだろうと推測しました。
義母が「なければ村の者に借りてきてもらう」と言うのでクレアは「喪服は常識として嫁ぐ時に持って来てますけど」と言うと3階の自分達の部屋に行って自分の服を入れた箱の中から喪服に着替えて下に降りました。
クレアの服の豪華さにボルアートのお母様と義姉も更に其の場に居たメイドも階段から降りて来る姿で驚いた様でした。
豪華なレースが付いた黒のドレスでヒールが付いた黒い靴を背筋を伸ばして優雅に降りてきて髪を頭を振って後ろにたなびかせました。
何事も最初が肝心とマージのお母様に社交界デビューの時の性格の悪い上位貴族の嫌がらせに対処する仕方を沢山教えて貰って来ていたのでした。
義母も義姉もしばらく突っ立て居たが何も言わずにまた其々の部屋にもどると夕食まで出て来なかった。
更にクレアは最初の此処の夕食から驚かされた。確かにこういう食事は専門学校の寮で慣れていたが其れよりもどう見ても劣っている様に思える。味付けの素朴と言うか塩だけと言うか肉もスープに入っていたのかなかったのかと言うのとパンと野菜の似たのが毎日です。
此れからもずっとこんな食事が続くのか或いは「喪に服す」と言う事は此の地方では修道女並みの生活をして死者を弔うという事なのかとクレアは思いました。
其れよりも何よりもメイドは自分と変わらないか自分より若い女の子が一人だけで彼女が此の家の総ての仕事を熟しているのです。
今は一人でも休暇を取った数人が帰って来るのだろうとおもったりもしてみたがボルアートに思い切って聞くと使用人は彼女だけだとあっさりと答えたました。
我が家に居た何十人の使用人が居たけど其れだけいても誰一人のんびりとしている姿は見た事が無く何かしら仕事をしていた様に思います。比較的休み時間を貰っているクレアの家庭教師だったモニリスも結局は24時間クレアに付き添うと言う事が基本条件で其の中で何時間が休み時間を貰ってアギルお兄様の本を読む時間を貰っていたのです。
一体何と酷い労働を此の少女に此の家はさせているのかと当たり前の様に言うボルアートに驚いてしばらく顔を見ていたが今は何かいう時ではないような気がしてクレアは黙っていました。
其れから二日後に雪が降り始めるとあっという間に雪が降り積もりました。
此処の季節は夏が短く秋はもっと短く冬が長いのだそうです。




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