Nicotto Town



スターチス


花言葉短編小説
スターチス 「変わらぬ心」「永遠に変わらない」
この花で書いてほしい!というのがあれば教えてください!


「ねぇ絵里、大好きだったよ、ありがとう」
そう言って、僕は妻の墓に手を合わせた。
不運な事故で僕の前から消えてしまった彼女に。

暫くは、感情を失い屍のような生活を送っていた。しかし、そんな時毎日連絡してくれて何も話せなかった僕に根気強く接してくれた人がいた。その……優里という絵里の妹さんのおかげで、少しずつ前を向けるようになって来ていた。優里さんは絵里とよく似ていて、見ていると絵里が生き返ったように思えてくる。

そして3年後、僕は優里と再婚した。そして幸せな日々に戻る事ができた。
……しかし、最近一つだけ問題がある。絵里はトマトが好きだったが、優里は嫌いなのだ。
だから今日も僕は怒鳴ってしまう。絵里と違う、と。

絵里の命日には必ずスターチスという花を備える。
僕が好きなのは、ずっと変わらず絵里だと。

最近は、家ではもう優里の名前は読んでいない。
「絵里、こっちへおいで。一緒にテレビでも見よう。絵里が大好きなテレビをね。」




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