仮想劇場『停滞、からの~、大停滞!』
- カテゴリ:自作小説
- 2023/06/14 22:28:27
地べたに描かれた大きなふたつの赤い丸は勝利を確信したときの君なりのVサイン。すでに廃校になった繁華街内の中学校の校庭、そこに今更ながらにハッキリとわかりやすくスプレーされている。相変わらずの君のハッタリに僕はニタリとしたり顔。いつの時代でも君はやっぱり面白いやつだ。
あの日、あの時、僕が勝者になれたのは僕が強かったわけでも、ましてや正しかったからでもない。いやむしろそこはちゃんと悪者で、そして愚か者だったとおもう。
そんな僕に向かって君はこっちがドン引きするくらいの大きな拍手と喝采をくれた。あの瞬間にはわからなかったことだけれど、あとで何となく思った事だよ。君はやっぱり社会の中にいるべきではない。僕以上に悪で、そしてしっかりと愚か者なんだよ。
「おいおい、そんなこと言うならお前のこともヤっちまうぞ?」
って、君はそういって僕の胸元にどこからかパクってきたスマホを叩きつけた。「これであいつも終わりさ」とかなんとか自慢げに鼻を鳴らしてるけど、このスマホの中身がなんであるのかなんて、正直にいって僕にはまったく興味のないこと。だから君の目の届かないところでゴミ箱に捨てることにこっそりときめている。
今はまだ君のことを僕は面白いと思っている。いやむしろそこは「僕だけは」と言い換えたほうがいいかもしれない。たぶんほかの誰かがそう思うことは今後も一切ないだろうし、そうなり得るビジョンが僕には全く浮かばない。
おそらくは君が描くあのVサインを当たり前に皆が「鼻につく」と感じているだろうし、その先の勝敗が果たして君の望む通りなのかどうかなんて誰もまったく興味がないんだよね。
では僕はどうだろうか ー。
うん、そこはこの僕でも、実は全く興味のない事柄なんだな。
だから何も変わらない。君のその停滞が終わらないかぎりは、ね。
今日は久しぶりにありがとね〜٩(ˊᗜˋ*)و
空さんの正体がわかってスッキリしたとかしないとか…w
どんどん人が増えてビックリしたけど楽しかったな。
お互いいい居場所が見つかりますよーに(^ー^* )