Nicotto Town


どんぐりやボタンとか


カテゴライズ

カテゴライズしたがる人というのは、結構多い。

例えば、

彼は、少し自閉症的な病を抱えていて、壁のちょっとした黒ずみでも気になってしまうらしいんだよ。と、私の友人の「彼」について、第三者に話したとする。
仮にその第三者を、みつこさんとしよう。
みつこさんは、その彼の知り合いでも無いし、彼については何も知らない。
その話を聞いて、みつこさんは、「へえ〜、潔癖症なんだ〜。」と言う。

いや、そんなに簡単にカテゴライズするようなことではない。
自閉症を「潔癖症」というものに簡単にカテゴライズしてしまうべきではないし、そもそも、みつこさんはその彼のことを一切知らないで、なぜ、彼のことを簡単に「こうだ。」と決定してしまえるのだろうか?

例えば、

ある日、世間話の中で血液型を聞かれる。
AB型です。と答えれば、へえ〜、二面性がある人なんだね〜。
A型と答えれば、へえ〜、真面目で綺麗好きなんだね〜。
B型と答えれば、へえ〜、マイペースなんだね〜。
O型と答えれば、へえ〜、おおらかなんだね〜。
と、簡単にその人をカテゴライズする人も多くいる。

例えば、

彼女はいつも健康のために出来るだけ運動を欠かさず、食事も出来るだけオーガニックな野菜を好む。薄型のマックブックをいつも持ち歩き、最低限のやり取りだけでさまざまな会社で契約を結ぶ。
無駄を省くことで、より効率的な経営を実現させている若き経営者である。

という人を、「意識高い系だね〜。」とカテゴライズするのだろうか?
それで彼女の何がわかるというのだ?


以上のことは、血液型や、潔癖症などということに限らない。
人や物事を安易にカテゴライズするということは、簡単だし、考えなくて良い。
しかし、それは物事の本当のリアルを感じ得ない。
物事のリアルは、その呼吸や温度や言葉のリズムなんかに忍んでいるのかも知れないし、そのほかの目には見えないものに隠されているのかも知れない。
私たちはそんなに簡単に「その人」または「その物事」を理解なんかできない。
しかし、それを安易にカテゴライズしてしまうことは、言った相手の人や物事の可能性をとても狭く制限してしまう。
一時的にしても、その血液型の人を「こうゆう性格」などという小さな棚の中にしまってしまうのだ。


ぜひ、芸術作品を見てほしい。
あなたには理解できないものもあるだろうし、あなたには無かった発想のものも数多くあるだろうと思う。
しかし、もしもそれらの芸術作品をただ単に、「抽象画」としてしまったり、もしくは、「コンテンポラリーアート」としてしまうだけで、片付けてしまうなら、何一つとしてその作品から感じ取れるものはないだろう。
芸術作品と同様に、人は簡単にカテゴライズされるべきものではなく、言うまでもなく、それぞれの未知なる可能性を秘めているものである。
そして、それぞれのユニークな色と形を持つ。

別に気軽な楽しみとして、星座や血液型などで性格を調べてみたりするのは一向に構わないと思うが、しかし、それを実際に目の前にいる人に向かってさも事実のように口に出すべきではないと思う。


カテゴライズすること。
または、物事を一般論に置き換えてしまうこと。

なぜか日本人にはそうゆう場面を多く見るし、おれ自身も人に言われたり経験したこともある。
それって、とてもじゃないが良いことだとは思えない。
何一つも良い効果や影響を及ぼすこととは思えないの。


試しにMark Rothkoの絵を見てほしい。
日本でも見られるところがあるみたい。

https://kawamura-museum.dic.co.jp/architecture/rothko-room/

彼の作品は、ただ単に「抽象画だね〜。」だけのものだろうか?
彼は、ただ単に「根暗なうつ病だね〜。」だけの人だろうか?
彼の血液型で彼のことをカテゴライズできるだろうか?
もし、誰かが彼をカテゴライズし、彼は「こうゆう人」と決めてしまい、そして、(ありえないけれど)本当に彼がその誰かが決めたカテゴリー内に収まってしまっていたら、これらの作品は決して生まれていないだろう。
なぜなら、その誰かは、Mark Rothkoの絵画の大きな可能性よりも間違いなく狭い棚の中に彼をカテゴライズしてしまうからだ。

カテゴライズする人は、往々にして、かなり小さな棚しか持ち合わせていないことが多い。
例えそれが有名な芸能人であろうとも。

Mark Rothkoの場合は、確かに誰にもカテゴライズされにくい人だったように推測するが、しかし、実は日本人の何割かの人たちは、いつの間にかすでにカテゴライズされてしまっているように思える。
世間に、他人に、そして自分自身に、カテゴライズされてしまっていないだろうか?


今日は良い天気だ。
ちょっと昼寝でもするかな。

ちなみにその紹介した美術館、行ったことないけど良さそうなところだね。
行ってみたいなり。





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