Nicotto Town



【小説】友達の扉 上田海斗視線 その① 入学式



ーーーー通学路

オレの名前は、上田海斗。
今日は、高校の入学式だ。
かあさんが一緒に行こうって言ったけど、
いい歳してかあさんと歩くなんて、こっぱずしくって、
ひとりで行くことにしたんだ。
学校が近づいてくるにつれて、同じ高校の生徒が、たくさん、
おかあさんと入学式に来ていた。
オレは、かあさんと一緒に来てやればよかったなって、少し後悔した。
そんなオレの横を茶色い天然パーマのロングヘア―の女の子が、
おかあさんと仲良さそうに通り過ぎて行った。

「ママー、高校いってもお友達できるかな?」
「浦島坂田船のクルー(ファンのこと)いてるといいな♡」
風にゆれる茶色い髪が印象的だった。
「萌香の通う高校は超進学校だから、どうかしらね。」
おかあさん、美人で優しそうだった。
「本当、私が合格できたのって七不思議だよね(笑)」
彼女のコロコロ変わる表情がかわいかった。
「萌香ったら、制服だけで、高校えらんだものね(クスッ)」
「制服、大事だよ」
ちょっと、ぷくって怒った表情もかわいかった。

オレは、彼女を目で追っていた。
後で思うと、この時から彼女に好意を持っていたのかも知れない。

ーーーー入学式

新入生代表の挨拶。。。。。。
用意された挨拶を読み上げながら、
なんでオレがこんなことしなきゃいけないんだよ!ってうんざりしてた。

壇上から見ると、さっきの茶色の髪の娘だけが、その茶色の髪のせいでういていた。
オレはなぜかそのことが気になった。

入学式がおわって、それぞれの教室に向かうとき、いやな予感が当たった。

教室に向かってる途中、ひそひそ話が聞こえてきた。。。
「茶髪にパーマ?」
「入学式早々大胆」
「友達にはなりたくないわよね」
「さっき、担任の美咲先生にもにらまれてたよ」

嫌な予感は的中した。
茶色の髪はみんなの反感をかったんだ。

きっと、普通の高校なら、さほど問題にならなかったんだろうけど、
ここは超進学校ーーーー
それなりの成績、それなりの容姿が求められる。

彼女が戸惑ってるのは見てわかる。

そんなとき、後ろの奴に早く行け的におされて、彼女にぶつかった。

「痛っ!」

そのとき、オレは、まわりの心ない言葉に腹が立っていて、
不機嫌な顔をしていた。
その勢いで、オレは不機嫌そうに、
「なにボケーと突っ立てるんだよ。」
って言ってしまった。。。。。
しまった!と思った。
彼女は複雑な表情で、オレに謝ってきた。

やばっ!彼女を悲しませるつもりなんてなかったのに。。。。

オレは落ち込みながら教室に入って、席に着いた。

                  (つづく)

                       

#日記広場:自作小説

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2025/01/17 09:59
この視線から書けるとはすごいです!
ますますゆめかのさんの小説読み続きたいわ♡
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2025/01/16 19:30
おおー、男子目線!
これはまた展開がきになりますね!
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2025/01/16 19:23
新しい物語が展開したね
いいですね



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