【小説】先生を好きになってもいいですか? その⑬
- カテゴリ:自作小説
- 2025/04/23 17:12:25
そうしているうちに夏休みになり、水原先生に会えなくなった。
私は勇気を出して水原先生に暑中見舞いのはがきを出した。
『チョコに会いたいです。』て書き添えて。
お盆明けに水原先生から返事が来た。
『今週の土曜日でよかったら、チョコに会いに行くか?』
あと、メールのアドレスが書いてあった。
私は早速『行きます。』とメールした。
土曜日、水原先生が迎えに来てくれた。
はじめて見る水原先生の私服姿。
若草色のポロシャツにGパンにスニーカーだった。
そう言えば、私の私服姿も先生は初めて見るんだ。
ちょっと、緊張してると、水原先生は、私のお母さんに挨拶してた。
初デートの気分だ。
今回も水原先生は私を後部座席に座らせた。
水原先生のお母さんはこの前と同じように、優しい笑顔で迎え入れてくれた。
ワンワン!
「チョコ♡」
先生のお母さんが
「今日は来てくれることわかってたから、お昼ご飯用意したの。食べて行ってね。」
と、言ってくださった。
「いいんですか?」
水原先生は、
「よかったら、食べてやってくれないか?」
「おふくろ、女の子が欲しかったみたいで、井上が来るって言ったら、はりきって作ってたんだ。」
って、言ってくれた。
五目ずしにお吸い物、煮物が3品。
「美味しい♡」
ごはんもごちそうになって、チョコとも遊んで、本当に楽しい一日だった。
水原先生の彼女になれたら、こんな日がつづくんだろうな。
2学期になったら、私は勇気をふりしぼって、水原先生に告白することにした。