Nicotto Town



【小説】先生を好きになってもいいですか? その⑯



学校のテニスコート

私は大声で三上先生を呼んだ!
「三上先生!!」
三上先生は、私の様子にただ事ではないことを感じて来てくれた。
私は三上先生の手をひっぱって、人のいないところまで連れて行った。

「三上先生は、どうして美鈴が休んでいるのか知ってますか!?」
「美鈴は妊娠してるんです!」

三上先生は、相当ビックリした顔で、
「妊娠...だと!?」
「冗談はやめてくれ!中野にはピルを渡していたんだぞ!」
生徒にピルを渡す先生ってどうなん!と思いながら
「美鈴はこわくて飲んでいなかったそうです。」
「バカな...生徒を妊娠させただなんて、俺の将来はどうなるんだ!」
「美鈴の心配より、ご自分の心配ですか!」
三上先生はオロオロしながら、
「ちょっとかわいかったし、従順そうだったから、遊んでやっただけだ。」
「それを妊娠なんかしやがって!!」

私はおもいっきり三上先生を叩いた。

「美鈴はご両親にも父親が誰なのか言ってません。」
「きっと、美鈴はこの先も誰にも言わないでしょう。」
「三上先生を守るために...」

「そうか。それは助かるわ。中野は良い子だな。」

「でも、私は、三上先生を許しません!」
「俺と中野が違うと言えば、おまえがどれだけ騒ごうと、取り合ってもらえないだろう。」
「ひどい!!」

そこに水原先生が通りかかった。

「三上先生、井上、こんなところでなにしているんだ?」
水原先生が声をかけてきた。

三上先生は、平然と
「ただの雑談ですよ。」
「井上、それじゃ、俺は部活に戻るな。」
と言って、去って行った。

「井上、なんかあったのか?俺でよかったら、話聞くぞ。」
「水原先生...」
泣き出しそうな私を見て、水原先生は、私を社会科準備室に連れて行った。





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