Nicotto Town


なるべく気楽に気楽に~!


最期の夜月

第二十一章

彼の洗顔と歯磨きが終わる迄の時間、私はキッチンへと向かいテーブルにある煙草とライターを手にしていた。…肇さんお手製のオムライスかぁ…楽しみだなぁ…と煙草へと火を点けた。…どんなオムライス作ってくれるんだろ…と楽しみにしている私が居た。…「美月さーん、洗顔終わったよー!」とぼんやりとしていた私に彼は楽しそうに話し掛けてくれる。…「はーい!私も洗顔、歯磨き終わらせちゃうねー」と声を掛け、洗面台へと向かう。洗面台ですれ違う時に…「それじゃあ、僕の自慢のオムライス作っちゃうね!」と彼は言っていた。…「ありがとう、肇さん一緒に食事採れるの嬉しいよ」と返事をした。…「うん!」そう言い残し、キッチンへと向かった彼に私は洗顔を始めた。…「あーそだ、美月さーん!ご飯炊きたいー」と彼の陽気な声が聞こえる。…あ、そっか、ご飯炊いてなかったや…と歯磨きをし始めた私は、キッチンへと向かい…「お米は、そこ」と歯磨きをしながら、答えた。…「あぁ、うん!分かった!」と察しの良い彼は…「お米炊いちゃうねー」と炊飯器を探し始めた。私は何だか嬉しくなって、…「炊飯器はここ」と指を指した。…「あぁ、オッケー!ありがとう」とお米を研ぎ始めた彼は…「ごめんね?歯磨き中に」と申し訳なさそうに言う彼に首を横に振り、…「全然」ともこもこになっている口の中で返事をした。…「大丈夫そ?」と彼へと尋ねると、…「うん!大丈夫!ありがと!」と彼なりに色んな物の場所を把握して行くように、…「さ、美月さん歯磨きの続きしてきて」と笑っていた。そんな彼を見るとホッとしてしまう私は歯磨きの途中だった為に洗面台へと戻った。洗顔、歯磨きを終わらせた私はキッチンへと戻り、…「はぁースッキリしたー」と彼に言うでもなく素直な言葉を口にしていた。彼は…「洗顔と歯磨きってスッキリするよね」とにこやかに私へと伝えてくれる。…「ほんと、それね」とお互いに笑い合った。…「ご飯炊けるまでゆっくり待ってて」と彼に言われた私は、「はぁーい」と返事をし、キッチンにある煙草、灰皿、ライターを持ってテーブルへと座る事にした。テーブルへと座った私は、煙草を1本取り出し火を点けた。…あぁ、凄い煙草が美味しいな…としみじみと感じていた。その間、彼は卵を溶いたりほんの少しの牛乳を入れたりと、忙しなく動いている様に見えた。私は彼に…「どーんなオムライスなんだろ、楽しみ」と伝えると…「すっごい美味しいよ」と笑っていた。…「あはは…自画自賛」と笑顔の溢れる空間が過ぎ去っていく。…「僕も少し煙草吸わせて貰おっかなー」と米の炊ける迄の間、彼と煙草を吸う事になった。時刻は9時45分頃になろうとしていた。




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