Nicotto Town



【小説】先生を好きになってもいいですか? その⑲



美鈴たちが学校をやめてから、5か月が過ぎた。

社会科準備室

トントン

「失礼します。」
私は、よく、社会科準備室に遊びに来るようになってた。
「おっ、井上。どうした?」
水原先生は、いつも笑顔で迎え入れてくれた。
「水原先生の珈琲おいしいから、また飲みたいなっと思って♡」
「ここは茶店じゃないんだぞ(笑)」
水原先生はそう言いながら、珈琲を入れてくれた。
「ほら。」
「で?どうした?なにか話か?」
私は珈琲カップを両手で持って、
「美鈴も三上先生も、学校辞めちゃったんだなって...」
私は、今更な会話をし始めた。
「三上先生は中野のお父さんの会社に勤めることになったそうだな。」
先生たちの間でも、三上先生のことは話題になっているようだった。
「美鈴が出産して落ち着くまでは、美鈴の実家で暮らすそうですね。」
「昨日、美鈴に会いに行ったけど、お腹大きくなってたんですよ。」
「赤ちゃん動くにわかるって、幸せそうでした。」
私は嬉しそうに話した。
「そっか。よかったな。」
水原先生も笑顔だった。
「三上先生、本気で美鈴のこと好きだったんですね。」
「私、ずっと、遊ばれてるんじゃないかと心配してたんですよ。」
「そうだな。妊娠させたことは褒められたことじゃないけどな。」

「それはそうと、あと一週間で卒業式ですよ。」
「水原先生、約束、覚えてくれてますか?」
「覚えていると。卒業式が終わったら、チョコに会いに行くか?」
「はい♡」




Copyright © 2025 SMILE-LAB Co., Ltd. All Rights Reserved.